悟りを開くとは、具体的にどのような状態を意味するのでしょうか? また、悟りを開くことのメリットやデメリットとは?
この記事では「悟りを開く」という言葉の意味から、悟りを開いた人の特徴、悟りの開き方などを紹介します。
■「悟りを開く」の意味
「悟りを開く」は辞書によると、以下のように説明されています。
悟(さと)りを開(ひら)・く
読み方:さとりをひらく
心の迷いが解けて、真理を会得する。開悟する。「厳しい修行の末に―・く」
(『デジタル大辞泉』小学館)
また、「真理」「開悟」はそれぞれ以下のような意味です。
しん‐り【真理】
読み方:しんり
1 いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の筋道。真実の道理。「永遠不変の―」「―の探究」
2 哲学で、
㋐思惟と存在あるいは認識と対象との一致。この一致については、いくつかの説がある。
㋑プラグマティズムでは、人間生活において有用な結果をもたらす観念をいう。
3 仏語。真実で永遠不変の理法。真如。
(『デジタル大辞泉』小学館)
かい‐ご【開悟】
読み方:かいご
[名](スル)迷いから脱却して真理を悟ること。
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり^「悟りを開く」とは、「心の迷いがなくなり、どんなときも変わることのない正しい物事の道筋を理解・自分のものにすること」^といえるでしょう。
なお仏教において「悟り」は、「解脱(げだつ)」や「涅槃(ねはん)」と同義です。
げ‐だつ【解脱】
読み方:げだつ
[名](スル)《(梵)vimukti, vimokṣaなどの訳。縛るものを離れて自由になる意》悩みや迷いなど煩悩(ぼんのう)の束縛から解き放たれて、自由の境地に到達すること。悟ること。涅槃(ねはん)。「―の境地」「煩悩を―する」
(『デジタル大辞泉』小学館)
ねはん【×涅×槃】
読み方:ねはん
《(梵)nirvāṇaの音写。吹き消すことの意》仏語。
1 煩悩(ぼんのう)の火を消して、智慧(ちえ)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。
2 釈迦(しゃか)の死。
3 「涅槃会(ねはんえ)」の略。
(『デジタル大辞泉』小学館)
■悟りを開いた人の特徴
悟りを開くとはこの世の心理を会得することであり、なかなか簡単なことではありません。
悟りを開いた人とは、具体的にどんな人をいうのでしょうか? ここでは、悟りを開いた人に共通する3つの特徴を見ていきましょう。
◇(1)情緒が安定している
悟りを開いた人は^情緒が安定しており、いつも穏やかな気持ちで過ごしている^のが特徴です。
ささいなことで怒ったり、感情的になったりしないので、周囲の人からも「心が広い人だ」と思われていることでしょう。
ただし、悟りを開くことは感情を失うことではありません。^物事の真理や道理をわきまえているので、周囲の出来事に心が揺さぶられることはない^のです。
◇(2)他人と比べない
悟りを開いた人は、^むやみに自分と他人を比べることがありません。^なぜなら、他人と比較しなくとも、その人にはその人であることには変わりがないと分かっているからです。
つまり悟りを開くと、^他者をうらやんで敵対したり、自分を卑下したりすることがない^ので、常に穏やかでいられるとも考えられます。
◇(3)他人へ願望を抱かない
悟りを開いた人は、^他人に対して「もっとこうしてほしい」と求めることがありません。^
他人に抱く願望には、「自分はこんなに尽くしているのに」というエゴや執着が隠れています。「これだけ尽くした自分は、もっと報われても良いはずだ」と思っているからこそ、他人に対して「こうしてほしい」という期待を抱くのです。
しかし^悟りを開いた人は、自分と他人との切り離して考えることができ、物事への執着を手放しています。^そのため、他者との関係によって心が乱れることはないのです。
▶次のページでは「悟りを開くメリットとデメリット」を紹介します
■悟りを開くメリットとは?
悟りを開くことによって、私たちはどのようなメリットを得られるのでしょうか?
◇(1)対人関係に悩まなくなる
悟りを開くと「自分は自分、他人は他人」と切り離して考えられるようになります。
他人と比較することがないため、^敵対したり妬んだりという対人関係の悩みを抱えることはありません。^
また、他人との比較によって落ち込むこともなくなり、心に余裕を持っていられるでしょう。^そして同時に、他者を尊重できるようにもなります。^
◇(2)物欲に振り回されなくなる
悟りを開くと、^物に対する執着心がなくなります。^
「あれが欲しい、これが欲しい」という煩悩から解放されるため、最低限の衣食住で満足できるようになるのです。
他人に見栄を張る気持ちもなくなり、ありのままの自分と向き合えるようになります。
■悟りを開くデメリットとは?
悟りを開くのは、なかなか簡単なことではありません。つまり^周囲から見れば、悟りを開いた人はある意味「異質な存在」^といえるでしょう。
前述したとおり、悟りを開くと物事への執着がなくなり、他者と比較することがなくなります。
そのような様子や態度は場合によって、^周囲から「変わり者」と思われる可能性^があります。
とはいえ、悟りを開いた人本人は周囲からの評価に振り回されることがないため、デメリットとは感じないでしょう。
▶次のページでは「悟りの開き方」を紹介します
■悟りの開き方
悟りを開くには、仏門へ入り厳しい修行を積む必要があるでしょう。しかし、それはなかなか気軽にできることではありませんよね。
ここでは、悟りを開くためのヒントとして日常生活で取り入れられる心掛けを紹介します。
◇(1)自分や他人を否定しない
悟りを開くということは、自分や他者をありのまま受け入れることです。
つい自分と他人を比較して否定してしまうかもしれませんが、^まずは「このままの自分で良い」と受け入れることから始めましょう。^
ありのままの自分を認めることができたら、きっと他人に対しても寛容になれるはずです。
◇(2)1日10分、瞑想の時間をつくる
瞑想とは、心を静めて自分の心を見つめること。^毎日数分でも、瞑想する習慣をつくってみましょう。^
何も考えず瞑想を行うことは、最初のうちは難しく感じるかもしれません。しかし、無理のない範囲で徐々に時間を長くしていけばOK。
瞑想には、「脳を休めてリラックスできる」「集中力が高まる」などの効果があるとされています。さまざまな方法がありますので、ぜひ自分に合った方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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■悟りを開く習慣を取り入れてみよう
悟りを開くとはこの世の真理を会得することであり、なかなか簡単なことではありません。
しかし、「他者と自分を比較しない」「穏やかな心でいる」などの考え方は、日常生活でも意識しやすいのではないでしょうか?
まずは、この記事で紹介したいくつかの方法を、毎日の習慣として取り入れてみてくださいね。
(Lily_magazin)
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