職業柄、これまで数えきれない恋愛相談に乗ってきました。出会いがない・片思い・失恋・浮気・修羅場……。当然ですが、悩みごとに状況が違い、「この相談者にはどんな提案がベストなんだろう……」と迷うことも多々あります。
そんな中で、いつでも自信を持って回答できるものがあります。不倫です。もちろん不倫の相談だってその数だけ状況は違うのですが、突き詰めていくとみんな同じように悩み、同じように不幸になっているように感じます。
だから、僕はいつも不倫の相談に関しては、ハッキリとアドバイスできます。
今回は数多くの不倫を見てきた僕の経験則から、不倫をする女性の特徴や、人はなぜ不倫をするのかなどについて書かせていただきます。
■「既婚者と付き合う女」にありがちな特徴
まずは、不倫をしてしまう女性にありがちな特徴について考えてみましょう。
今回は、寂しがり屋や口が堅い、職場が既婚者だらけ、男性側が単身赴任中でバレにくい環境だったとか、そういうありきたりなことを避けた内容を中心に書かせていただきます。
◇(1)恋愛体質な女性
恋愛体質とは「恋愛に対していつも積極的かつ敏感な人」です。恋愛体質の方はその名の通り恋愛が好きで、いつも何かしらの恋愛沙汰の中にいます。
泣いたり笑ったりしながら恋することが好きなので、^わくわくするような出会いやグッとくるシチュエーションに巡り合ってしまうと、時に相手が既婚者だろうが気にしない人が多い^です。不倫も「いち恋愛」と考えてしまうのです。
◇(2)好きなタイプが明確
「どんな人が好き?」の質問に対し、多くの人が「優しい人」や「誠実な人」という曖昧な回答をする中、^他の方よりも明確に好きなタイプを言える方は、僕の経験上、不倫に陥りやすい傾向^があります。
自分が探し求めていたタイプの男性と出会い、言い寄られると、そこに運命めいたものを感じて、相手が既婚者だろうがお構いなしになってしまう時があるのです。
◇(3)過去に恋愛で大きな痛手を負っている
「10年付き合った彼氏に浮気をされた」とか、「信頼していた身近な人に彼を奪われてしまう」とか、そういった経験で過去に大きな痛手を負っている方も、不倫に陥りやすいと感じます。
恋愛にトラウマがある人は、まっとうな恋愛に対して「私はどうせうまくいかない」との気持ちを抱きがちです。だからこそ^「不倫だったら、うまくいかなくて当然」という投げやりなスタンスで、流されてしまうことが多い傾向にあります。^
◇(4)愛情深い人
僕の経験から言うと、不倫をしている女性には、実はまじめで優しくて愛情深い人が多いです。
^「一度好きになった相手だから」という謎の理由で男性の不義理を許し、修羅場の種も見なかったことにするし、口は堅くておとなしいし、我慢強い。^言い換えると、不倫にはうってつけの「都合のいい女」になってしまうのです。
◇(5)恋愛経験の少ない人
恋愛経験が多くない方も、不倫に陥りやすいでしょう。^既婚男性に言い寄られると、本気の恋愛だと勘違いして、そのまま不倫をしてしまう^のです。
僕の見てきた限りでは、恋愛体質の方の不倫は長くともせいぜい2~3年で終わるのに対し、恋愛経験が少ない方は別れの辛さを恐れ、長年不倫を続けてしまう傾向があります。
■なぜみんな不倫をしてしまうのか? 不倫する男女の心理
そもそも、なぜ人は不倫をしてしまうのでしょうか。
「好きになった人がたまたま既婚者だっただけ」などの耳当たりの良い言葉を盾にする人もいれば、前述の通り「恋愛なんてどうせうまくいかない」というスタンスで、不倫をしている人もいます。既婚男性が不貞を働く背景には、夫婦仲の問題が絡んでくることも。
このように不倫をする訳は人それぞれなのですが、以下のように、共通の「不倫をしてしまう理由」があるように思います。
◇最高の背徳感
ドラマや映画に出てくる不倫をしている男女には、なんだか辛そうな描写が多いですよね。あれ、間違えています。しんどいわけないんです、みんな本当は楽しいんですよ。だって、本当に辛かったら不倫なんか誰もしないし、すぐに別れるはずですよね。
それなのに不倫が蔓延しているということは、^表では辛い顔をしながら、心では楽しんでいる人が多いから^だと考えられます。
不倫とは、悪いと分かっていながらも、2人でひそやかにする背徳行為。飲んだ後のラーメンとか、深夜のアイスとか、会社を休んで昼から飲むビールとか、そういうものをはるかに上回る背徳感です。ここに多くの人は、性的な快楽以外にも、精神的な快楽を感じているのです。
道徳的に良くないことをしている自覚もあれば、周囲にも反対される。それでも不倫相手と会ってしまう自分に、悲劇のヒロイン的要素を感じ、心の奥底では酔ってしまっている……。こんな背徳感のある恋愛、楽しくないわけがないでしょう。
道徳に背いたり配偶者にバレないかとスリルを感じたりするのでドキドキして、不幸なふりもできて、楽しい。これが、不倫をしてしまう最大の理由だと僕は考えます。
■最も危険な不倫
さて、不倫にもいろいろなパターンがあります。
^僕がこれまで受けてきた不倫相談の中で、最も危険だと感じるパターン。それは「嫁とはもう別居している不倫」^です。夫婦仲はとっくの昔に破綻していると話し、実際に数年前から別居をしているけれど、離婚はしていない人との不倫。これが最も危ないと思っています。
実際に、別居していても離婚しない夫婦は存在します。多くの場合、子どもやお金のことを考えた結果、離婚しないという選択をしているのです。
もしかしたら、お子さんが成人するタイミングで離婚するかもしれませんし、もっと先なのかもしれません。この先もずっと離婚しない可能性も当然あります。それは誰にも分からないのです。
この中途半端な状況の中、^女性は「確かに不倫だけど、もう奥さんとは別居しているから」といった心理になり、不確実な期待を抱いて別れるべきタイミングを逃してしまう^のです。
■「既婚者と付き合う女」が迎えがちな末路とは
ここでは、既婚者と付き合う女性が迎えがちな結末について考えてみましょう。
◇(1)相手の優しさを信じて待つけれどいつまでも選んでもらえない
不倫の相談を受ける中、女性から「あの人は本当に優しくて、結婚さえしていなければ最高の彼氏なんです。だからもう少し信じてみたい」ということを何度も聞いてきました。
確かに、不倫する既婚男性の多くって、ものすごく優しいですよね。いろいろ気を使ってくれるし、お店を予約してくれる。忙しい中、時間をつくって会ってくれる。「こんなに優しい人と一緒になれたら幸せだろうな、だから信じて離婚を待とうかな」と思いますよね。
でも、それは^不倫相手の女性に対して、本妻としてのハードルを課していないから優しくできる^のです。
さらに、不倫相手という立場に甘んじてくれるような、物分かりが良さそうで、おとなしそうな女性と体の関係を定期的に持てる。しかも妻には今更言えないような性癖をぶつけることができる。そりゃ優しくもできます。
また、^後ろめたさから来る優しさもあるでしょう。^心の中では「最後には君を選んであげられないよ。ごめんね」との気持ちがあるから、親切にするのです。
よってこういった人は本当に優しくて誠実だとは言えず、いつまで待っても中途半端という可能性があります。
◇(2)仮に相手が離婚しても幸せにはなれない
不倫相手が、仮に離婚するとします。でも、^あなたがそこから本命の彼女に昇格して、うまくいくことはほぼないでしょう。^なぜなら、離婚したとたんにその男性は、独身男になるからです。誰と付き合おうが、誰と体の関係を持とうが、自由なのです。
きっと「結婚はもうこりごり」などと言い、バツイチが持つ特有の余裕を見せながら、水を得た魚のように普通の恋愛を始めるでしょう。そうなると、愛人としての立場を受け入れてくれていたあなたでなくても、別に良くなる。
言い方が酷ですが、不倫相手としては魅力的だったけど、本命の彼女となると物足りなくなってしまうのです。結果、けなげにおとなしく不倫という関係を我慢してきたのに、いかにもまっとうっぽいフラれ方をするのです。
例えば、「離婚のダメージが大きくて今は恋愛をしたくない」のような建前を並べられてフラれた人もたくさんいますし、「他に好きな人ができた。ごめん」といった、普通の恋愛においてはこれ以上ないくらい真面目な理由でフラれる人も見てきました。
^道ならぬ恋の末に残るのは大きな喪失感と、「不倫をしていた」という次の恋愛に持ち越すわけにはいかない事実と、我慢してきただけ年齢を重ねた自分^です。
もしかしたら、背徳感のない恋愛では物足りなく感じる自分や、不倫に対して寛容になってしまい、次も不倫してしまう自分もいるかもしれません。
■既婚者を好きになってしまった時の対処法
ここまで不倫がいかに不毛であるかを書いてきましたが、それでも「好きになってしまう」という感情は止められないのが人間でしょう。
事実、既婚者に恋してしまった人をたくさん見てきました。では、そんな時にはどうすればいいのでしょうか。
◇自分の未来と不倫をてんびんにかける
物理的な距離を取るとか、誘われた際に「既婚者とは2人で会えない」と突っぱねるとか、いくらでも不倫を回避する方法はあります。しかし^最後の最後で一歩、踏みとどまれるかどうかは、「冷静な自分でいられるか」です。^
例えば、ほとんどの人って、麻薬ってやらないじゃないですか。怖いし、心が拒否しますよね。本来、不倫はそのレベルの犯罪と一緒であるべきだと思うんです。
彼からは耳当たりの良い言葉を並べられ、周囲の人はまっとうな恋愛を楽しむ中で貴重な若さを搾取され、最終的には結ばれず、相手の配偶者にバレたら慰謝料として数百万を請求されるケースがある。
しかも、一度不倫の刺激に慣れてしまうと、普通の恋愛を物足りなく感じるようになる可能性だってある。
それだけのリスクを背負っても飛び込むべき不倫なんて、絶対に存在しないのです。^不倫の入り口の前に立ってしまった時、得るものと失うものとをてんびんに掛け、自分を戒める。^それが、既婚者を好きになってしまった際の唯一の対処法だと思います。
■不倫には百害あって一利なし
不倫についていろいろと書かせていただきました。良いことなんか、1つもありませんでしたよね。
僕自身、山ほど不倫相談に乗ってきましたが、「確かにそれはもうしょうがないので、秘密を墓まで持っていきましょう」という不倫は数件あったものの、賛成や応援できる不倫はありませんでした。
百害あって一利なし。それが不倫です。そんなものにとらわれているうちに、残酷に時間は流れます。どうか、未来の自分から恨まれるような選択はしないでください。
(ウイケンタ)
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