今回のお悩み「自分で節約術を考えるのがめんどくさい」
これまで、節約のために日々いろいろなことをしてきました。スーパーの安売り情報をチェックしながら一週間の献立を考えたり、通販サイトのポイント還元情報にアンテナを張って安い時に生活必需品を買いだめしたり……でも、毎日忙しい中でちまちま考えるのが面倒になってきました。最近AIが気になっているのですが、節約にも活用できませんか?(30代前半/広告)
はじめまして! PR会社『Cheers合同会社』の代表をしています、熊本薫です。私は現在、保育園児と高校生の二人の子どもをシングルマザーとして育てながら30社の企業広報を同時に手がけています。なので、とにかく人手も時間も足りない……! 限られた時間を最大化するため、AIを活用した業務効率化と“思考の外注”に挑戦中です。
今回のご質問者さんは「自分で節約術を考えるのがめんどくさい」とのこと。わかります、わかります。物価高騰、仕事と家事の両立、さらにはプライベートも充実させたい……となると、働く女性たちが抱える生活課題は、家計簿アプリでは解決できないほどリアルで複雑ですよね。 そんな中、私が注目しているのが、「AI×マネーハック」という新しい考え方です。
■AIが“食材管理+献立提案”を1分でこなす時代
先日、私はあるチャレンジをしてみました。というのも、週末買い物にいくことをすっかり失念していて、仕事から戻った月曜日の夜に絶望したのです……。
冷蔵庫にある食材は、卵、豆腐、納豆、にんじん、じゃがいも、味噌などのみ。祈る気持ちで主食・肉・魚を加えた想定で、1週間分の節約レシピをAI(今回はChatGPT)に相談してみました。
▼実際に入力したプロンプト
#役割
あなたは{日常生活のマネーリテラシーを向上させることを仕事にしている節約料理研究家}です。
#依頼
{今から添付する冷蔵庫の中身を写真から作れるレシピを提案}してください。
#形式
タイムテーブル形式
すると数秒後に、こんな提案が届きました。
月曜:鮭の味噌バターホイル焼き
火曜:焼きそば×目玉焼き
水曜:鶏むねの甘辛照り焼き
木曜:豚こま丼+納豆卵
金曜:和風パスタ+豆腐スープ
土曜:野菜たっぷりお好み焼き
日曜:鶏団子と豆腐の味噌鍋
普通に考えるとしたら、レシピを調べる時間も含めてなかなかの時間をかけてしまうところですが、それを数秒でこなしてくれなんて。しかも、全日「ご飯+主菜+副菜」つきで1日あたり約162円(夕食換算)という驚きのコストパフォーマンス。レシピをネットで検索するより速くて実用的です。
■家庭ごとの要望までカバーしてくれる神対応
さらに私が感動したのは、子ども向けの対応力。 「6歳の息子がパプリカ苦手で……」という相談にも、
・ケチャップ味の焼きそばナポリタン風
・お好み焼き風ハンバーグ
・鶏団子と豆腐のスープごはん
など、「甘め・とろみ・一皿完結」のリアルな子育てメニューを提案。しかも、そこに「高校生の娘のお弁当分」も加味してくれて、食材リストと必要な分量、想定費用(1週間で約5,540円)まで出してくれました。
たとえば鶏むね肉は1kg、鮭は3切、ブロッコリー1株、コーン缶1つ。それらを活用して「夜は照り焼き、翌日は鶏そぼろ弁当に」など、無駄なく使い回す献立プランまで自動で生成。まるで、「家庭運営の右腕」がいるような体験でした。
今回は我が家の例をお見せしましたが、「一人暮らし、なるべく火を使いたくない、あまり工程が多いのは苦手」など、個別のニーズにももちろん応用可能! できるだけ細かく条件指定することでより自分に合った節約レシピを提案してくれますよ。
■なぜ今、AI×家計管理が必要なのか?
この体験を通じて痛感したのは、私たちが「やらなきゃ」と思っている日々の思考(献立・栄養・節約・手間)を、AIはかなりの精度で肩代わりできるという事実。家計の見直しといっても、「買い物金額」や「値段比較」で終わってはもったいないもの。私たちが本当に削減すべきは、“考えるコスト”なのではないでしょうか?
・「今週なに作る?」と悩む時間
・日々の予定に合わせたメニュー調整
・お弁当に使いまわせるかの判断
・冷蔵庫の中で眠る食材のロス
こうした思考労働にかかっていたエネルギーだって、AIに丸投げするだけで毎日がグッと軽くなるはずです。今回は食費についてAIに聞いてみましたが、食費以外にも「携帯料金、もっと安くするにはどの会社に乗り換えるべき?」「今契約しているサブスクで削減すべきところを教えて」など、いろいろなところに応用できますよ。
■「お金」ではなく「思考のコスト」をハックする
「資産運用」「毎日の節約」と聞くと、「投資アプリ」や「家計簿管理」といったお金の数字に目がいきがちですが、真に家計に効くのは「日常の繰り返しからどう抜け出すか」の設計です。
今回の体験で感じたのは、AIはすでに「家庭運営の右腕」になれるということ。やるべきは、「命令」ではなく「相談」。写真を見せて「これでどうすれば?」と聞くだけで、私たちの生活はもっとラクに、もっと賢く進んでいくはずです。
■未来の節約は、一人で抱えないことから始まる
働く女性たちは、マルチタスクのプロフェッショナル。そこに“AIの小さな脳”を1つ貸してもらえるだけで、家計も気持ちもぐっとラクになる時代がもうすでに来ています。
冷蔵庫の中を見ながら「何作ろう……」とため息をついたその瞬間。スマホでAI(チャットGPT)を立ち上げて「これで何ができる?」と聞いてみませんか? それはもう、「節約」ではなく、「生活の再設計」になるかもしれないのだから。
令和のマネーハック126
一週間の節約献立も数秒で考えてくれるのがAI。生活の中でAIに頼ることで、お金だけではなく時間だって節約できる!
(文:熊本薫、イラスト:itabamoe)