恋人に対して、他の異性とあまり親しくしないでほしいと思うのは誰にでもある感情です。しかし、強い嫉妬心が妄想を生み、過剰な束縛につながっている場合は、オセロ症候群の可能性があります。
今回は、オセロ症候群になりやすい人の特徴や治し方などをご紹介します。
また、付き合っている相手がオセロ症候群の場合の穏便な別れ方についても解説しますので参考にしてください。
■オセロ症候群とは
まず、オセロ症候群とは何でしょうか。どういった症状を指すのか、見ていきましょう。
◇名前の由来はシェイクスピアの四大悲劇の1つ「オセロ」
^オセロ症候群は、恋人が浮気をしているとの過剰な妄想や嫉妬心を抱く症候群^であり、シェイクスピアの四大悲劇の1つ「オセロ」が由来になっています。
物語では、主人公オセロが部下にそそのかされて妻の不倫を疑います。実際には、妻は不倫をしていないのですが、オセロは信じ込んでしまった結果、部下に偽りの不倫相手の殺害を命じ、自ら妻を殺してしまうという悲劇のストーリーが描かれています。
しかし最終的には真実が分かり、オセロは悲しみと後悔から自殺をしてしまうのです。
◇オセロ症候群の症状
^オセロ症候群の人は、恋人が浮気を疑われるような行動をとっていなかったとしても疑い続けます。^
妄想が膨らんで不安が大きくなり、例えば「会社の飲み会には行かないで」と要求する、スマホを覗いて交友関係を逐一チェックするなどの過剰な束縛をして相手を困らせてしまうのが特徴です。
すぐに連絡がつかないとイライラが抑えきれずに相手に当たるなど、トラブルの原因になることも。
■オセロ症候群になりやすい人の特徴
次に、オセロ症候群になりやすい人の特徴を見ていきましょう。
◇(1)「見捨てられるのではないか」という不安が強い
オセロ症候群になりやすい人は、対人関係で不安を抱きやすく、「自分が見捨てられるのではないか」と疑う傾向があるのが特徴です。
^自己肯定感が低く、ありのままの自分に価値を見出せないため、1人になることが怖いのです。^
◇(2)過去のトラウマがある
例えば、両親が不仲だった、両親の浮気が原因で離婚した、過去にひどい裏切りにあったなど、深く傷ついた経験がある場合、自分が愛されることに強い不安が生じることがあります。
^もう二度と傷つきたくないという気持ちが、今の恋人に対する強い嫉妬や束縛につながることも。^
◇(3)他人を信頼できない
オセロ症候群になりやすい人は、自分はもちろんのこと、他人を信頼できないのが特徴です。
^恋人は自分を好きでいてくれるのか、いつか嫌われるのではないか、飽きられるのではないかと疑う傾向があります。^
◇(4)強い嫉妬心がある
オセロ症候群になりやすい人は、恋人が異性と関わることに過剰な嫉妬心を持ちます。^仕事関係の異性はもちろん、恋人が芸能人を褒めただけでも嫌がることも。^自分だけを見て欲しいと思うのが特徴です。
◇(5)束縛は愛情表現だと思っている
オセロ症候群になりやすい人は、好きだから嫉妬していると思っており「束縛は愛情表現」だと考える傾向があります。
そのため、^相手からの理解が得られないと、こんなに好きなのに分かってくれないと相手を責める人もいます。^
■いくつ当てはまる? オセロ症候群テスト
恋人に嫉妬心を抱いてしまうけれど、オセロ症候群なの? と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。ここでは、オセロ症候群に当たるかどうかの簡単なテストをご紹介します。
以下の5つの特徴に思い当たるかチェックしてみましょう。
*1.テレビを見ていたら、恋人が出演していたタレントを褒めたので浮気だと感じた。そのタレントが出ている番組は一切見ないで欲しいと思っている。
2.恋人には、異性の同僚と話をしてほしくない。会社の飲み会も異性がいるので、行かないでほしいと伝えた。
3.一緒にいない時間に恋人がどこで何をしているか把握しておかないと不安で仕方がない。恋人のスマホにGPSをつけ、SNSもチェックしており、動向を知ると安心するが、すぐに不安になるのでスマホが手放せない。
4.連絡をしたらすぐ折り返しがないとイライラして、居てもたってもいられず相手に当たることが多い。何回も電話をしたりメールを送ったりしても返信がないと浮気をしていると思う。
5.恋人がプライベートで自分を置いて外出することが許せず、よくけんかになる。*
もし、1つでも心当たりがあるとしたら、少し注意が必要かもしれません。「ちょっと当てはまるかも」と思った人のために、次の項目で治し方について紹介します。
■オセロ症候群の治し方
オセロ症候群を治したいと思った人のために、今からできる治し方を紹介します。
◇(1)恋人に気持ちを確認する
オセロ症候群を治すためには、自分の行動のおかしさに気づくことが第一歩です。^強い嫉妬妄想や束縛は不安から生じているもので、愛情ではないのです。^
「嫉妬や束縛は相手を好きだから」「自分を不安にさせる相手が悪い」と思うかもしれませんが、まずは恋人に「私のやり方をどう思っている?」と確認してみましょう。
「つらい」「窮屈」などの返事があれば、やり方を変えていくきっかけになるかもしれません。
◇(2)強い嫉妬心や束縛の根本原因を見つける
オセロ症候群の人は強い嫉妬心と束縛が特徴ですが、その^根っこにあるのは「見捨てられるのではないか」という不安感です。^この不安感が何をきっかけに生まれたのかを見つけていくことが大切です。
例えば、恋人とすぐ連絡がつかないと浮気を疑うのはなぜ? など、その理由や関連する過去の経験を紙に書き出していきます。根っこが分かれば気持ちが楽になりますし、恋人との関係を改善する一歩になるでしょう。
◇(3)カウンセリングや専門家のサポートを受ける
自分1人で対処するのは難しいと感じた場合は、カウンセリングや専門家のサポートを検討してみると良いでしょう。
^オセロ症候群は、自覚しにくいこともありますので第三者の視点が役に立ちます。^過去のトラウマや家庭環境など、原因となった経験との向き合いが必要なため、専門家のサポートを受けた方がやりやすいことも多いです。
■【番外編】オセロ症候群の相手との別れ方
最後に、もしお付き合いしている相手がオセロ症候群である場合の穏便な別れ方について紹介します。
◇(1)距離を置く
常に浮気の疑いをかけられたり束縛されたりすると強いストレスがかかりますよね。
まずは^「今の関係が負担になっている」「お互いに良い状態で過ごすために、今の付き合い方を見つめ直す時間をつくろう」などと伝えて距離を置く^のもいいかもしれません。
◇(2)冷静に話す
別れ話をする時は、つい感情的になってしまうかもしれませんが、できるだけ落ち着いた態度で冷静に話すように努めましょう。
^相手の感情を逆なでしないように恋人を責めたり否定したりすることは避けてください。^
◇(3)人目のある場所で話す
別れ話をする時は、自宅などで2人きりで話をするよりも、落ち着いた雰囲気のカフェなど、人目のある場所で話すと良いでしょう。^周りに人がいることで、相手が感情的になりづらくなります。^
■オセロ症候群の人は強い不安感を持っている
オセロ症候群は強い嫉妬妄想や束縛が特徴ですが、その根っこには「見捨てられるのではないか」という強い不安感があります。
好きな相手なのに疑ってしまうのは苦しいものです。恋人を困らせてしまうことでトラブルになるケースもあるため、自分にも当てはまるかもと思ったら早めに対処したいものです。
自力で解決できない場合は、専門家のサポートも検討してみてください。
(高見綾)
※画像はイメージです