【助産師監修】赤ちゃんに「湯冷まし」は必要? 作り方・適温、飲ませ方について

【助産師監修】赤ちゃんに「湯冷まし」は必要? 作り方・適温、飲ませ方について

赤ちゃんに「湯冷まし」は必要なのでしょうか? また、「湯冷まし」を飲み始めるのにおすすめの時期はあるのでしょうか? ここでは、赤ちゃんに湯冷ましをあげ始める時期や、湯冷ましの作り方、赤ちゃんへの飲ませ方などを説明します。


赤ちゃんに「湯冷まし」はあげたほうがいいの?

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乳児のお世話をしていると、「湯冷まし」というワードを耳にすることがあります。昔はよく与えられていたようですが、赤ちゃんに「湯冷まし」は必要なのでしょうか。

「湯冷まし」って何?

湯冷ましは、「一度沸騰させたお湯を、飲めるくらいの温度まで冷ましたもの」のことを言います。

少し手間はかかりますが、衛生的なので、まだ抵抗力の弱い赤ちゃんにも安心して与えられるものです。

「生後6ヶ月ごろまでは母乳・ミルクのみ」でOK

ただし、生後6ヶ月よりも小さい赤ちゃんは、母乳や育児用ミルクから水分を補給するだけで十分です。栄養がしっかり摂れるように、湯冷ましはあげずに母乳やミルクだけをあげましょう[*1]。

でも、昔は生後2ヶ月ごろから果汁や湯冷ましをあげると良いとされていました。そのため、おばあちゃんやおじいちゃん、まわりの方から「湯冷ましや果汁はまだいいの?」と聞かれることがあるかもしれません。そんな時には、
「いまは、離乳食が始まるころまでは母乳やミルクだけでいいと言われているんだよ」
と教えてあげてくださいね。

なお、果汁などのフルーツジュースについては、アメリカの小児科学会では1歳まであげない方が良いとしています。1歳未満の赤ちゃんにとっては、フルーツジュースを飲んでも、栄養上のメリットはないからです[*2]。こちらも、あまり早く与え始める必要はないことを覚えておきましょう。

湯冷ましなしで「便秘」にならない?

たしかに、水分が不足していると、便秘になりやすくなります。

ただし、生後6ヶ月ごろまでは母乳やミルクからから水分を摂っているので、脱水の可能性がないのであれば、それに加えて湯冷ましなどの水分を摂る必要はありません。離乳食の初めのうちも、食事にたくさん水分が含まれているので、赤ちゃんがほしがらなければ湯冷ましは飲ませなくて良いのです。

外出から帰宅したときやお風呂あがりなどに、哺乳びんで湯ざましや麦茶などのノンカフェインの飲料を与えてみても良いですが、その時欲しがらなければ無理に与えなくて大丈夫です。

なお、水分不足は便秘に繫がりますが、便秘の子に必要以上の水分を摂らせたからといって便秘が治るとは限りません。便秘気味だからといって、水分不足になっていないのに無理やり湯冷ましを飲ませないように気をつけてくださいね。

赤ちゃんに適した「湯冷ましの作り方」

さきほど説明したとおり、生後6ヶ月ごろまでは、母乳やミルク以外の水分は不要ですし、母乳やミルク以外の水分はそれほどほしがらないでしょう。

動きが活発になる生後9ヶ月ごろからは、自然と水分をほしがるようになる赤ちゃんが多いようです。
ここでは、赤ちゃんにあげる湯冷ましの作り方や注意点をチェックしておきましょう。

湯冷ましに使う水は?

水道水

日本の水道水は安全でしっかりと品質管理がされているので、赤ちゃんの湯冷ましにも使えます。
日本のどこの水道水も、水道法第4条に定められた水質基準を満たしていて、水道事業団体が検査するように義務づけられているからです。

なお、殺菌のために塩素が入っているため、カルキ臭がすることはあります。一度沸騰させて湯冷ましにすることで、カルキ臭は取れて飲みやすくなります。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターを使うなら、ミネラル分の少ない「軟水」を選びましょう。
ミネラル分の多い「硬水」は赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまいます。

軟水はカルシウムやマグネシウムが少なめです。水道法の基準では硬度100以下、WHOの基準では硬度120以下が軟水となります[*3]。
軟水か硬水か見分けがつかない時には、ペットボトルのパッケージをチェックしてくださいね。

浄水器の水

浄水器にはさまざまなタイプがありますが、不純物などのほかに塩素も取り除くタイプを使用すると、カルキ臭は取れますが、殺菌のために入っていた塩素がなくなるので雑菌が増えやすくなります。

そのため、時間が経った浄水器の水は使わないようにしましょう。また、浄水器の水だからとそのまま飲ませるより、赤ちゃんにはやはり湯冷ましにしたほうが安心です。

湯冷ましを作るポイント

沸騰したら蓋を取って、一定時間沸かし続ける

沸騰してから5分間弱火にかけておくと、塩素が抜けてカルキ臭は取れます。(トリハロメタンが心配な場合は10分ほど沸騰を続けます。ただ、日本の水道水に含まれるトリハロメタンの量はごくわずかで健康に影響しないレベルに抑えられているので、摂取したとしても問題ないとされています[*4])。

その後、ミルクなら70℃以上、そのまま飲むなら人肌の36~37℃くらいになるまで容器ごと冷やしましょう。

電気ポットや電気ケトルもOK

電気ポットや電気ケトルも製品によっては、ミルク用に温度を設定できるものがあります。育児用ミルクの調乳に特化したポットもあります。こうしたアイテムを利用して、手軽に湯冷ましが作れると便利ですね。

ただし、この場合も、しっかりと殺菌できるように水を完全に沸騰させてから、ミルク用の温度設定にしましょう。カルキとばし機能を備えた製品もありますし、こうした機能がない製品ではカルキ臭さは残るかもしれませんが、通常の水道水を沸騰させたものであれば安全性に問題はありません。

電子レンジでの加熱、ウォーターサーバーの温水は不向き

なお、電子レンジはまんべんなく加熱できないため、水全体を沸騰させられないことがあります。赤ちゃん用の湯冷ましを作る時には、使わない方が安心です。

また、ウォーターサーバーによっては温水が出るものもありますが、沸騰させたお湯ではないことが多いようです。そのため、ウォーターサーバーのお湯はそのまま飲ませないで、沸騰させて湯冷ましにしてからあげましょう。

湯冷ましは「早めに使い切って」

湯冷ましは、常温の水道水よりも細菌が増えやすくなっています。殺菌力のある塩素が蒸発してなくなり、冷ます時に菌が好む30~40℃の温度になるからです。
湯冷ましを作ったら、早めに使い切りましょう。

湯冷ましに「氷は入れないで」

湯冷ましを早く作りたいからといって、熱湯に氷を入れるのもおすすめできません。
氷を衛生的な水で作っていても、氷の表面に雑菌がついていることもあるからです。
早く湯冷ましを作りたい時には、容器ごと氷水の入ったボウルなどにつけたり、容器に水道の流水をかけるようにしましょう。冷やす前には、容器内に氷水や水道水が入らないよう、密閉しておくといいですね。

湯冷ましの適温って?

そのまま飲ませるなら「人肌」ぐらい

湯冷ましを飲ませるなら、人肌の36~37℃くらいが熱くなく安心です。

なお、生後6ヶ月ごろまでは湯冷ましは直接飲ませずに、母乳か湯冷まし(70℃以上)で作ったミルクをあげますが、それ以降に湯冷ましをあげる場合は、赤ちゃんが欲しがりそうなタイミングで、スプーンやトレーニングカップ、マグを使い与えてみましょう。

なお、生後9ヶ月ごろ以降になると、ストローやコップからも飲めるようになってくるでしょう。

ミルクにするなら「70℃以上」

粉ミルクは衛生的な環境で作られていますが、まったくの無菌ではありません。また、調乳する時に細菌が入り込む場合もあります。

そのため、ミルクを作る時には沸騰させて冷ました「70℃以上のお湯」で作り、必ず人肌まで冷ましてからあげましょう[*5]。

湯冷ましの容器の選び方って?

湯冷ましを入れる容器はどんなものが良いのでしょうか。

容器選びのチェックポイント

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湯冷ましを入れる容器には、次のようなポイントを満たすものがおすすめです。

熱湯を入れられる

熱湯を入れても割れない素材のものを選びましょう。
容器ごと冷やす場合は、保温機能のない冷やしやすいものを使います。

洗いやすい構造

雑菌や汚れを落としやすい、洗いやすい構造のものにしましょう。

持ち運びも考えて

お出かけの時にミルク用に湯冷ましを持ち歩くこともあるので、携帯しやすいサイズや形の容器が便利です。

湯冷ましでミルクを作るポイント

用意するもの

湯冷ましでミルクを作る時には、次のものを用意します。

・育児用ミルク
・水道水、または浄水器の水、または軟水のミネラルウォーター
・流水または氷水
・ほ乳瓶

ミルクの作り方

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※作り始める前に、石けんを使ってよく手を洗いましょう。

1.やかんなどに水を入れ、沸騰させます。カルキ臭を抜きたい時は、約5分間沸騰させておきましょう。

2.沸騰したお湯を冷まして、湯冷まし(70℃以上)にします。

3.衛生的なほ乳瓶に、育児用ミルクのパッケージに表示されている量の育児用ミルクを入れます。

4.粉ミルクが入れてあるほ乳瓶に、湯冷ましを入れたら、乳首とカバーを付け、こぼさないように容器ごと振って溶かします。

5.ほ乳瓶の吸い口を濡らさないように気をつけながら、流水や氷水でほ乳瓶ごと冷やし、ミルクを人肌まで冷まします。

6. ほ乳瓶を触って冷めたと感じたら、瓶の周りの水分をふき、乳首から手首の内側にミルクを一滴垂らして「ほんのり温かい程度」か確かめます。熱すぎるようなら再度流水などで冷やし、再度手首の内側に垂らして温度を確かめ、適温になったことを確認してから赤ちゃんに与えましょう。

まとめ

湯冷ましは、ミルク作りや離乳食期の赤ちゃんの水分補給にぴったりです。5分ほど沸騰させておくことで、カルキ臭さも消えて飲みやすくなります。ただしカルキが抜けると殺菌力がなくなるため、雑菌が増えやすくなります。雑菌が増えるのを防ぐために、熱湯を冷やす時には流水や氷水で急冷するようにしましょう。湯冷ましとして飲ませる時は人肌に冷まし、ミルクとして与えるときには70℃以上の湯冷ましでミルクを作ってから、人肌に冷ましてあげてくださいね。

この記事を解説してくれた先生
坂田 陽子先生
看護師、助産師、国際認定ラクテーションコンサルタント。 葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院のNICU・産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。その後、都内の産婦人科病院で師長を経験。現在は東京で「すみれ出張助産院」を開業している。
HP:https://sumire-josanin.com/

(文:大崎典子/監修:坂田 陽子先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「【母乳育児】赤ちゃんのQ&A~離乳食の開始~」旭川医科大学病院周産母子センター
http://www.asahikawa-med.ac.jp/hospital/circu/index.php/qa-rinyu/
[*2]「Where We Stand: Fruit Juice」healthychildren.org
https://www.healthychildren.org/English/healthy-living/nutrition/Pages/Where-We-Stand-Fruit-Juice.aspx
[*3]日本乳業協会
https://www.nyukyou.jp/
[*4]三重県 5.知っておくと便利な水道まめ知識
https://www.pref.mie.lg.jp/SUISHITU/HP/15533016725.htm
[*5]厚生労働省「乳児用調製粉乳の安全な調乳、 保存及び取扱いに関するガイドライン(2007)」 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/dl/070604-1b.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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