【助産師解説】産後の床上げっていつ?外出、水仕事、お風呂は?<ママ体験談>

【助産師解説】産後の床上げっていつ?外出、水仕事、お風呂は?<ママ体験談>

出産後、「産後の床上げ(とこあげ)」はいつできるのでしょうか? 先輩ママの体験と助産師さんのアドバイスをまとめました。産後はできるだけ安静を保ちたいものですが、なかなかそうはいかない場合もありますよね。床上げまでの期間を無理なく過ごす方法も参考にしてください。


この記事の解説助産師
日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院の総合周産期母子医療センターで10年勤務。現在は助産院マタニティハウスSATOにて、妊娠から出産、産後のトータルケアを担っています。「日々ママや赤ちゃんに寄り添い、笑顔になってくれるのが何よりのやりがいです」

「佐藤裕子 先生」記事一覧はこちら⇒

産後の床上げはいつだった? ~ママ体験談~

床上げとは、出産後いつでも横になれるよう敷きっぱなしにしておいた布団を片付けるさまから来た言葉で、産後(もしくは病後)の体を徐々に普段の生活に戻していく過程で使用されます。そのため、産後だけでなく、大きな病気から回復したお祝いの表現としても使われます。

では、産後の床上げはいつ頃行うのでしょうか? まずは、先輩ママたちに床上げした時期を聞いてみました。

帰省、上の子、助っ人……環境によって床上げ時期は様々

私は里帰り出産をしたので、1ヶ月健診までは上げ膳据え膳でゆっくりしました。と言っても、おむつ替えと授乳で余裕はなく、あっという間の1ヶ月でした。

(30代、長男3歳、会社員)
上の子の時は里帰りしたけれど、保育園の関係で下の子は里帰りせず、産後1週間ほど実家の母に来てもらいました。産後2週間経って以降は、床上げとか考える暇もなく、保育園のお迎え(送りは旦那)も自分でやっていました。スーパーの宅配サービスは、注文から届くまでの時間や品ぞろえ、訪問時に出られなかったら置いて行ってくれるかなど、サービスに差があるので、複数登録しておくと便利ですよ。

(30代、長女5歳・次女1歳、会社員)
私の両親が他界しているので、産後は義理の実家にお世話になりました。「産後3週間は無理してはいけない」と義母に言われ、ゆっくり休ませてもらいました。ただ、来客が多い家なので、毎日赤ちゃんの顔を見に来る親戚や近所の人に気疲れして、いろいろ理由を付けて早々に自宅に戻りました。自宅の方がやることは多いけれど、気が楽です。

(20代、長男1歳)
両家とも両親が現役で働いているので頼れず、いろいろ相談して産後は主にパパが家事をして何とか乗り切りました。洗濯は乾燥まで全自動、ご飯はパパが帰宅時に買ってきて簡単なものを作り、食器洗いは食洗機にお任せ。掃除もパパがちゃちゃっと簡単に。育休明けの練習だ!と思い、がんばってもらいました。そんなこんなで、本格的な家事復帰=床上げならば、産後2ケ月ほどはパパにおんぶにだっこしていたかな?

(40代、長女8歳、会社員)

産後の床上げはいつからが正解?

ママたちの体験を見ても、産後の床上げ時期は人によってさまざまなことがわかります。では、床上げにベストな時期はあるのでしょうか?ここでは、体の回復に沿った一般的な見解をお伝えします。

産後3週間は体を休め、1ヶ月健診後徐々に普段の生活に

床上げは具体的にいつ頃行えばいいのでしょうか?

実は、床上げの時期については明確な答えはなく、ママの体調によって異なってきます。ただ、昔から多く言われているのは、出産の疲労が多く残っている産後3週間(約20日間)はゆっくり体を休め、その後体の回復具合を見ながら徐々に生活に慣らしていくのが良いというものです。つまり、基本的には体がほぼ回復に向かっている産後3週間が過ぎる頃を床上げの目安とし、あとは個々人の体調や回復状態に合わせて調節することが勧められるというわけです。

まだまだ体調が万全とは言えない時期。人によっては回復が遅いこともあるので、決して無理はせず、疲れたらすぐ休むようにすることが大切です。また、完全に普段通りの生活に戻るのは、1ヶ月健診後まで待ちましょう。ここで異常がないか医師の判断をあおぎ、問題ないと診断されたら少しずつ普段通りの生活に戻してください。

産褥期の体の様子と一般的な回復期間

出産後およそ6~8週間は体が妊娠・出産前の状態に戻ろうとする期間で、これを産褥期と呼びます。体がスムーズに元に戻れるよう、この期間はできるだけ負担のない生活を送ることが大切です。

妊娠・出産により変化した体の回復過程と期間には個人差がありますが、一般的には以下のように進んでいきます。

<子宮>
産後、子宮は収縮しながら元の大きさや状態戻っていきます(子宮復古)。個人差はありますが、子宮底(子宮のてっぺん)はおよそ10~14日でお腹の上から触ってもわからないくらいまでに戻ります。

<悪露(おろ)>
産後2~3日は粘り気のある赤い血が多く出ますが、徐々に量は少なくなり、色も褐色から黄色、白色と変わっていきます。産後1週間もすれば、量はだいぶ少なくなります。悪露が完全になくなる時期には個人差があるので一概には言えませんが、おおよそ4週間を目安になくなってくことが多いでしょう。
▶︎産後の悪露について詳しくはこちら

<会陰(えいん)>
分娩時にできた傷は縫合され、しばらくは痛みますが1週間以内ほどで楽になることがほとんどです。
▶︎会陰の傷の痛みについて詳しくはこちら

<子宮頸管(しきゅうけいかん)>
分娩により開大した子宮頸管は1週間程度で指1本分まで閉じ、4~6週間かけてほぼ閉鎖します

水仕事はOK? <家事について>

「産後は水に触っちゃダメよ」「床上げまでは水仕事はしないで」と耳にしたことがありますが、これについてはどうなのでしょうか。

水仕事だけでなく、家事はできるだけ他の人に任せる

昔は、重い水を運んだりする必要があったことから、産褥期の水仕事はNGとされていました。今ではもうそのようなことはありませんが、産後のダメージが残った体にはちょっとした家事も負担になります。できるだけ産後2週間目(退院後1週間)は、パパや他の家族の方に協力してもらいましょう

2人目以降の出産であれば、ご飯やお風呂など上の子の育児もお願いしましょう。手伝ってもらえる人が近くにいない場合は、地域のサポート制度を上手に利用することをお勧めします。特に、里帰り出産でない場合は、自分が暮らす地域の子育て支援制度などを事前にしっかり調べておくと安心です。

体調を見ながら少しずつ戻していく

産後3週目に入ったぐらいから、体の様子を見ながら負担の少ない家事からちょっとずつ始めていくといいでしょう。疲れたらすぐに休むようにし、無理のない範囲で体を慣らしていってください。

体調に問題がなければ、3週間目の終わりには床上げすることもできます。ただ、まだ万全ではないので無理は禁物。完全に普段通りの生活に戻るのは、1ヶ月健診でOKの診断をもらってからにしましょう。

経過が順調であれば、産後8週間経過後に職場復帰も可能です。とはいえ、くれぐれも一般的な目安時期だけで判断はしないように。自分の体と相談しながら、少しずつ進めていきましょう。

いつから出かけられる? <外出について>

産後、いつ頃から外出できるのかも気になるところです。

外出は1ヶ月健診後に。それまでは近所を短時間程度で

産後の外出は、一般的に1ヶ月健診後からが勧められます。特に、長時間の外出や遠出は、避けるようにしてください。

ただ、1ヶ月の間家にこもりきりでは気が滅入ってしまうのも事実です。退院後1週間は家で安静にし、その後は天気の良い日に家の周りを散歩するなど、気分転換がてら近所に短時間だけ、というぐらいなら問題はありません。産褥期が過ぎれば、体の様子を見ながら少しずつ遠出も可能です。

【医師監修】外出はしてもOK? 生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1206

生後1ヶ月になると、授乳や睡眠の頻度も徐々に安定してきます。そろそろ外出したいと思うママも多いのではないでしょうか。今回は、生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴とともに、この時期の外出についてのポイントを紹介します。

お風呂はOK? <その他の生活について>

体を清潔に保つだけでなく、疲れを癒してくれるお風呂。産後はいつから入れるのでしょうか。

1ヶ月健診後までは湯船は我慢、が一般的

お風呂は、1ヶ月健診までは湯船につかることを避け、シャワーですませるように指導されることが多いようです。なお、足湯ならOKなので、疲れをいやしたいときは試してみてください。
▶︎産後のお風呂について詳しくはこちら


また、夫婦生活は少なくとも1ヶ月健診で問題ないと診断されるまでは避けるようにしましょう。
▶︎産後のセックスについて詳しくはこちら

まとめ

産後6~8週間の産褥期は、できるだけ自分と赤ちゃんのことだけを考えゆったりと過ごすことが勧められます。そうすることで、先々のさまざまなトラブルや体調不良のリスクを少なくすることができるからです。
床上げの時期に決まりはありませんが、一般的には産後の疲労からある程度回復する産後3週目以降が目安とされています。ただ、回復のスピードには個人差があるので、一般的な流れを参考にしながら、自分自身の体調と相談して判断することが重要です。
床上げまでの期間にゆっくり休めなかった経験が、産後の尿失禁の要因のひとつになっているといわれています[※]。床上げの目安とされる産後3週間を過ぎるまでは、自身の体と赤ちゃんの育児を優先した生活を送るよう努めましょう。
また、産後は体の回復は順調でも、育児や授乳などにより睡眠不足になりがちで、慢性的に疲労が蓄積されやすいものです。体調がいいからと決して無理はせず、パパや家族の協力、地域のサポートなどを得ながら、少しずつ普段の生活に体を慣らしていくようにしましょう。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)

※画像はイメージです。

参考文献
[※]河内美江,出産後3年以内の女性の尿失禁と出産の関連性,日本看護研究会雑誌,32(1),p47-57, 2009

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

関連する投稿


舟山久美子さんが産後のバストケアを明かす「産前より大きいのにすごく小さくなった気がする」

舟山久美子さんが産後のバストケアを明かす「産前より大きいのにすごく小さくなった気がする」

9月に第一子を出産したモデルでタレントの“くみっきー”こと舟山久美子さんが、産後のバストケアについて自身のブログで明かしています。妊娠中~産後は授乳のためバストが大きくなりますが、徐々に戻っていきます。美バストを維持するために舟山さんが意識しているケアとは?


矢口真里さん第二子出産後は大忙しでゲッソリ。睡眠不足、肌荒れも体重は産前とほぼ同じに

矢口真里さん第二子出産後は大忙しでゲッソリ。睡眠不足、肌荒れも体重は産前とほぼ同じに

9月に第二子の男の子を出産したタレントの矢口真里さんが、YouTubeで産後の様子を明かしています。一週間後には仕事復帰する予定ですが、マツエクやネイルなし、セルフ白髪染め、睡眠不足で目の下が悲惨……等々と明かした矢口さん。でも、うれしいこともあったそう。


【初マタ出産記】Vol.9 岩盤浴がきっかけで妊娠発覚! 無痛分娩でも痛かった初出産 ~上崎さんの場合~

【初マタ出産記】Vol.9 岩盤浴がきっかけで妊娠発覚! 無痛分娩でも痛かった初出産 ~上崎さんの場合~

妊娠・出産は一大イベント。特に初マタだと夫や家族への報告、妊婦検診、職場への報告や引き継ぎ、産前の準備などなど、初めてのことで大忙しです。 妊娠出産は人それぞれといいますが、それでも先輩ママたちの経験を聞くと心強いもの。本連載では働く「初マタママ」の妊娠から出産までの体験記をご紹介します!


舟山久美子さん、産後院は予約がいっぱいで入れず…里帰りもナシ、夫婦だけ育児で気をつけていたこと

舟山久美子さん、産後院は予約がいっぱいで入れず…里帰りもナシ、夫婦だけ育児で気をつけていたこと

9月に第一子を出産したタレントの“くみっきー”こと舟山久美子さんが、11月16日にブログを更新。里帰り出産しない産後の過ごし方について明かしました。


「ドナーミルクをもっと知ってほしい」ーーピジョンと母乳バンク協会が座談会を開催、ドナーミルクを使用した家族が参加

「ドナーミルクをもっと知ってほしい」ーーピジョンと母乳バンク協会が座談会を開催、ドナーミルクを使用した家族が参加

ピジョンと一般社団法人 日本母乳バンク協会は11月7日、母乳バンクとドナーミルクへの正しい理解と協力を普及されるために、オンラインで「母乳バンクのドナーミルクを使用した赤ちゃんとご家族の座談会」を開催しました。実際にドナーミルクを使用したママたちの想いを聞く貴重な機会になりました。


最新の投稿


母子手帳ケースおしゃれで便利なブランドおすすめ10選

母子手帳ケースおしゃれで便利なブランドおすすめ10選

妊娠中から産後も使う母子手帳。便利に、なるべくきれいな状態で使うために、お気に入りの母子手帳ケースをゲットするのがおすすめです。この記事では母子手帳ケースの種類や母子手帳のサイズについての解説と、人気の母子手帳ケースブランド10選をご紹介。購入を検討中のプレママさんに役立つ情報をお届けします。


家賃のコスパが抜群!「本当に住みやすい街大賞 2022」3位にランクインした「多摩境」……ってどんな街?

家賃のコスパが抜群!「本当に住みやすい街大賞 2022」3位にランクインした「多摩境」……ってどんな街?

12月8日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)が「本当に住みやすい街大賞」のランキング圏外から3位に急上昇した、とある街について特集。子育て世帯に住みやすそうな街として、おおいに盛り上がりました。


「突然世界が色を失ったような感覚だった」息子が知的障害のある自閉症だとわかった日

「突然世界が色を失ったような感覚だった」息子が知的障害のある自閉症だとわかった日

ママライターのべっこうあめアマミさんが、長男が知的障害のある自閉症とわかったときのことを描いた漫画が沸々と話題になっています。障害を持つ子どもとその親たちに寄り添いたいというべっこうあめアマミさん。その作品をご紹介します。


美ボディ研究YouTuber「さくまみお」プロデュースの美ボディウェアブランドデビュー!第一弾はナイトブラ

美ボディ研究YouTuber「さくまみお」プロデュースの美ボディウェアブランドデビュー!第一弾はナイトブラ

AnyMind Groupは、美ボディ研究YouTuber「さくまみお」がプロデュースする美ボディウェアブランド「miour(ミアー)」をローンチします。公式オンラインストアでは、12月11日の21:00より先行販売を開始。一般販売は、12月17日の20:30から実施します。


「おい、端っこ歩け!」……いつもの下校グループで突然はじまった主従関係『ともだち Vol.1』

「おい、端っこ歩け!」……いつもの下校グループで突然はじまった主従関係『ともだち Vol.1』

子どもたちだけの世界ができ、大きく成長する小学生。しかし親の目が届きにくくなる分、友人関係でのトラブルも起きやすくなります。Instagramで子育て漫画を発信される愛すべき宇宙人(@aisubekiutyu_jin)さんが経験した、息子さんが低学年のころのトラブルを短期連載でご紹介します。