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2021年11月07日 17:30 更新

【医師監修】産後の美容院はいつから行ける?準備とパーマ・カラーなどの注意点

赤ちゃんのお世話に慣れてくると「そろそろ美容院に行きたい」と思う気持ちが出てきますよね。最近は託児付きの美容院もあり、ママが行きやすい環境も整っています。産後初めての美容院で快適に過ごすためのポイントを紹介します。

産後はいつから美容院に行けるの?

母乳を飲む赤ちゃん
Lazy dummy

出産後、いつから美容院に行くかについては人それぞれ事情が違うため、「これが絶対」という正解はありません。

とはいえ、「どうやって決めればよいのかわからない」と悩む人もいることでしょう。その場合は、授乳回数の変化をひとつの目安にするとよいかもしれません。

授乳回数が減ってくる「生後3ヶ月以降から」がおすすめ

美容院に行くには、「ある程度まとまった時間」を確保する必要があります。施術内容や美容院の規模などによってかかる時間は異なりますが、「カットだけの場合でも1時間ほど」「パーマやカラーも一緒にするとなると2時間かそれ以上」はかかることが多いです。混雑している場合は、さらに長い時間がかかることもあるでしょう。

美容院での施術時間だけでなく、「自宅から美容院までの往復」や「身支度を整える時間」も含めると、それなりの時間が必要になります。したがって、それなりにまとまった時間がとれるくらい授乳間隔があくようになったかどうかは、美容院に行き始める時期を決める目安のひとつになるでしょう。

4~5時間程度間隔の授乳の合間に

授乳については個人差が大きいため一概には言えませんが、生まれてすぐの赤ちゃんは基本的に、一度にたくさんの量を飲むことが難しく、頻回な授乳が必要です。そのため、母乳育児の場合もミルクの場合も、出生後しばらくは1日7~8回以上の授乳が必要だといわれています[*1]。1日は24時間なので単純に割り算をすると、3時間程度に1回の授乳が必要な計算になります。

しかし、生後3ヶ月を過ぎるころには、赤ちゃんは眠る時間が長くなり、授乳回数も母乳の場合、1日6~7回くらい、育児用ミルクの場合は5回程度になることが多いといわれています[*1]。

1日6回になると単純計算で約4時間ごと、1日5回の場合は5時間弱ごとの授乳になります。これくらい時間があくようになると、美容院に行く時間も確保しやすくなるでしょう。つまり、育児用ミルク中心で育てている場合は、他の人に頼んで十分な時間が取れればもっと早くに美容院に行くことができますね。

でも人それぞれ。無理はしないで

ただし、赤ちゃんの授乳回数は個人差があり、上記のような間隔にならないことも少なくありません。その場合は無理をせず、美容院に行くのに十分な時間が確保できるようになるのを待ちましょう。その子なりのペースがあるので、それを見守ってあげることも大切です。

中にはその反対に、たくさん飲んでくれて授乳間隔が通常より早くあくようになることもあるでしょう。その場合は赤ちゃんが生後3ヶ月になるのを待たずに美容院に行っても、なんら問題はありません。人それぞれ事情が違うので、無理のない範囲で予定を考えていきましょう。産後1ヶ月程度から行く人から、1年以上経ってから行く人までさまざまです。

<体験談>産後の美容院|いつから行った?頻度は?

※マイナビ子育て調べ  調査期間:2020年9月16日~2021年10月4日 調査人数:147人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋 ※ここで紹介した方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。

産後1、2ヶ月から

産後3ヶ月から

もっと時間が経ってから

産後に美容院に行く前の準備

育児用ミルクのイメージ
Lazy dummy

さて、待ちに待った産後初めての美容院。行く前にしっかりと準備しておきたいポイントを紹介します。

(1)赤ちゃんのお世話バトンタッチの準備

赤ちゃんのお世話はパパや家族、シッターさんなどに任せて行く場合、お世話をバトンタッチする準備を整えておくと、ママもより安心して過ごせるでしょう。

おむつやおしりふき、着がえなど、赤ちゃんのお世話に必要なものについては、ひととおり準備しておくか、予備も含めた保管場所を改めて伝えておきましょう。

また、完全母乳の場合、ほ乳びんを使ったことがない赤ちゃんは、ほ乳びんから飲むのを嫌がることもあります。ほ乳びんから飲めないと、おなかがすくだけでなく、水分をとることもできなくなるので心配です。余裕があるときに、搾乳した母乳やミルクで、事前にほ乳びんから飲む練習しておけるとよいですね。

また授乳間隔があいて胸がパンパンに張ってしまうと、乳腺炎になってしまう可能性もあるので、出かける直前に授乳したり、外出途中で搾乳するなど工夫しましょう。

(2)託児付美容院を利用するとき

最近は、小さい子供のいるママさんが気軽に美容院に行けるようにと、託児付きの美容院も増えていきています。近隣にそうしたサービスのある美容院があれば、そこを利用するのもよいでしょう。その場合はまず、提供される託児サービスの内容や店舗の詳細をよく確認しておきましょう。

託児付き美容院で確認しておきたいこと

・預けられる子供の年齢(月齢)は何歳(何ヶ月)からか
・保育士資格を持つスタッフが在籍しているか
・ベビーカーのまま店内に入れるか
・施術を受けながら子供の様子が確認できるか

上記のような項目をチェックし、ママの考える条件にできるだけ合った美容院を選びましょう。

また、月齢ごとに必要な予防接種を事前に受けさせておくことも、大切な準備のひとつといえます。下記のワクチンは生後2ヶ月から接種可能です。

生後2ヶ月から接種可能なワクチン

・Hib(ヒブ)
小児肺炎球菌
B型肝炎
ロタウイルス

予防接種は決められた期間中でもなるべく早めに済ませておくと、突然の体調不良などによる接種モレがなくなり、安心して外出できます。

<体験談>産後、美容院に行く前にした準備は?

先輩ママは、産後、美容院に行くときどんな準備をしたか聞いてみました。

授乳

パパへのバトンタッチ

赤ちゃんを預ける準備

産後や授乳中はカラーやパーマをしないほうが良い?

ヘアカラー用品のイメージ

せっかく美容院に行くのだから、カットやトリートメントだけでなく、ヘアカラーやパーマをしておきたいと思う人も多いでしょう。しかし、産後まもない時期は肌の状態がまだ不安定になっている可能性があり、注意したほうがよさそうです。

かぶれやすくなっている可能性が

出産という大きな仕事を終えた後のママの体は、産後数ヶ月たっても、まだ頭皮や肌が過敏な状態のままのこともあります。その状態でヘアカラー剤やパーマ液を使うと、それが刺激となって頭皮などに異常を起こす可能性もあるため、産後のママは要注意です。

通常ならなんともないものが刺激になってしまうのは産後だけでなく、生理の時や妊娠中、病気の時やその後の回復期なども同様です。生じたかぶれが治るまでに長い時間がかかる可能性もあるので、肌にトラブルを抱えている場合にはヘアカラーやパーマはなるべく控えましょう

おかしいなと思ったら中止して

施術中でも、かゆい、痛い、熱いなどで「おかしいな」と感じたら、すぐに美容師さんに伝えて、施術を中止してもらいましょう。

<体験談>産後のパーマやカラーでいつもと違う点はありましたか?

異変があった

とくになかった

念のための対策

産後に美容院に行くときの注意点

赤ちゃんを抱っこするパパ

美容院はリラックスもリフレッシュもできて、産後、育児にかかりっきりになっていたママの楽しみになってくれるはずです。しかし、どんなに楽しみであっても、体調に不安な点がある場合は無理せず、予定を変更することも必要です。

くれぐれも無理はしないで

産後のママの体には、慣れない育児による負担やストレスなど、見えない不調が積み重なっています。また、頻回な授乳による睡眠不足、腱鞘炎、肩こり、腰痛などのほか、お産によって骨盤底筋がダメージを受けることによる尿漏れ子宮脱などの体調不良を抱えている人もいるでしょう。

赤ちゃんが急に体調を崩してしまうこともあります。そうした場合は無理をせず、予定を変更することをおすすめします。

また、予約の際に産後間もないことを伝えておくことも大切です。施術時間がなるべく短時間で済むよう、事前に美容院にも情報を共有しておきましょう。

まとめ

美容院で施術を受ける女性

産後、美容院の利用を再開するのは、ママの体調や赤ちゃんの様子、授乳間隔などが安定し、まとまった時間をとれるようになり始める生後3ヶ月ごろがひとつの目安になります。ただし、個人差があることなので焦らずに、自分たちのペースで考えていきましょう。

なお、産後初めて美容院に行く場合は、赤ちゃん連れか、ママだけで行くのかによって、必要な準備が変わってきます。事前の予防接種やほ乳びんでの授乳練習などが必要になるケースもあるので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

また産後はママも赤ちゃんも、思わぬ体調の変化に見舞われることがあります。決して無理をせず、体調を優先しながら楽しい時間を過ごしてください。

(文:山本尚恵/監修:太田寛 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]『授乳・離乳の支援ガイド(厚生労働省 2019年改定)実践の手引き』31p 34p発行:母子衛生研究会

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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