【医師監修】B型肝炎の症状とは? ワクチンの予防接種や費用などについて

【医師監修】B型肝炎の症状とは? ワクチンの予防接種や費用などについて

ウイルス感染によって引き起こされる「B型肝炎」。母子感染ほか、家族内感染で子供が感染してしまうこともあります。今回は、B型肝炎の症状、ワクチンの予防接種などについてご紹介します。


この記事の監修ドクター
なごみクリニック院長 武井智昭先生
慶応義塾大学医学部卒業後、平塚共済病院小児科医長を経てなごみクリニック院長。日本小児科学会専門医、指導医。臨床研修医指導医。インフェクションコントロールドクター(日本小児感染症学会)。現在、0歳から100歳までの「1世紀」を診療する医師として、家庭医として地域医療に従事しながら、メディア等での執筆・監修を多方面で行っている。

B型肝炎と感染経路について

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※画像はイメージです

B型肝炎とはどんな病気?

B型肝炎は、肝臓に「B型肝炎ウイルス」が感染することで発症する病気です。 無治療では慢性肝炎の状態を経て、肝硬変・肝がんになるリスクがあります。 B型肝炎ウイルスと言われても、あまり身近に思えないかもしれません。しかし、国内だと130~150万人ほどの感染者がいると推定されており、これは「100人に1人程度」の割合ということになります。また、新規の感染者数は、年間でおよそ10,000人にも及ぶと考えられます。 しかし、B型肝炎は「ワクチン接種で防げる病気」なので、予防も可能です。

B型肝炎の感染経路と母子感染について

B型肝炎ウイルスは、ウイルスを含む他人の血液や体液が自分の体内に侵入することで感染します。感染者との性交渉のほか、注射針や注射器の使い回し、感染者の血液が付着したカミソリや歯ブラシの使用などから感染するケースがあります。

また、B型肝炎ウイルスに感染している人が出産した場合、母子感染(※)に至る可能性もあります。 妊娠中に行われる妊婦健診では、母子感染を防ぐために、性感染症などに感染していないかどうかを調べる検査が行われており、B型肝炎ウイルスも検査対象の1つになっています。 なお、母子感染しなくても、パパ・ママや身内にウイルス保持者がいた場合、赤ちゃんとの接触によって感染することも考えられます。

近年では、感染している人の血液中のB型肝炎ウイルスの量が多い場合は、その人の体液などを介して感染する可能性が示唆されてきております。

(※)母子感染:お腹の中で感染する胎内感染、分娩が始まって産道を通る時に感染する産道感染、母乳感染の3つの感染経路があります。

B型肝炎の症状は?

どんな症状? 初期症状は?

B型肝炎ウイルスが引き起こす肝炎には以下の2つのタイプがありますので、それぞれの症状の違いを確認しましょう。

■B型急性肝炎

1ヶ月~半年程度の潜伏期間の後に、肝炎を発症します。肝炎にともなって、体のだるさ、食欲不振、胸のむかつき、嘔吐などの症状が現れるようになり、それに引き続いて、黄疸が出たり、尿が茶色くなったりするケースもあります。通常は数週間で回復しますが、まれに激しい炎症によって肝臓が全く機能しなくなる「劇症型肝炎」になることがあり、注意が必要です。

■B型慢性肝炎

長期にわたりB型肝炎ウイルスが肝臓に住みついてしまうことによって、肝臓に炎症が起こる病態です。多くは分娩時に母体から経産道的に感染しますが、月齢が小さいうちは免疫能力が未熟なため、ウイルスが排除されず、共存するような形で肝臓に住みついてしまい、持続感染へと移行するのです。この状態を「無症候性キャリア」といい、まだ肝臓に炎症が起きていないので、何も症状は現れません。しかし、成長にともなって免疫機能が強く機能するようになると、B型肝炎ウイルスを異物とみなして攻撃するようになり、その際に肝細胞にもダメージが加わって、炎症が起きてしまうのです。

自覚症状はある?

肝炎は「自分が感染していることに気づきにくい点」が大きな特徴であり、同時に注意すべきポイントでもあります。だからこそ、ワクチン接種による早期の予防が大事です。

悪化するとどうなる?

B型肝炎ウイルスへの感染が長年に渡って持続すると、慢性肝炎、肝硬変と悪化してゆくことが知られています。さらに病状が進行すると肝細胞がん(肝がん)が発生することもあります。

B型肝炎の予防接種について

何歳から何歳までに受ける?

予防接種と聞くと「乳幼児向け」というイメージかもしれませんが、40歳までにワクチンを接種すれば、約95%はB型肝炎の抗体が獲得できると言われています。 ただし、世界保健機関(WHO)は「生まれたらすぐ接種させること」を推薦していますので、乳幼児期に済ませることがベストです。日本でも、2016年10月から、0歳児を対象に「定期接種(公費での接種)」となりました ので、1歳になる前に接種させましょう。

定期接種の間隔は?

B型肝炎ワクチンは、生後2ヶ月から接種が可能になり、全部で3回接種しますが、1回目の接種から3回目の接種を終えるまでには、約半年かかります。 1歳を超えると任意接種として費用負担が発生してしまうので、気をつけてください。0歳で受ける定期接種は、B型肝炎ワクチン以外にもたくさんあるため、きちんとスケジュールを立てて接種させましょう。

以下は日本小児科学会が推奨するB型肝炎ワクチンの受け方です。

・1回目のワクチン接種:生後2ヶ月
・2回目のワクチン接種:生後3ヶ月
・3回目のワクチン接種:生後7~8ヶ月

(*母子感染の可能性がある場合には「1回目は生後まもなくワクチン接種する」など、スケジュールが前倒しになります。 詳しくはかかりつけの産婦人科医、もしくは小児科医にご相談ください)

B型肝炎ワクチンは、接種を受けるたびに接種の間隔が長くなりますので、それも踏まえてできる限り1歳の誕生日を迎える前に、ワクチン接種を終えておくことが理想的です(※)。

(※厚生労働省ホームページ「B型肝炎ワクチンの定期接種が始まります!」http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000134156.pdf)

小学生でも受けるべき?

無料ではありませんが、小学生でも遅いということはありません。感染予防の観点からB型肝炎ワクチンの接種を検討しましょう。

予防接種の費用は?

定期接種の対象となっている0歳児(2016年4月1日以降の生まれ)の赤ちゃんであれば、公費負担となるので費用はかかりません。1歳を過ぎてからワクチンを接種する場合、自己負担が発生します。医療機関によりますが、1回あたり4,000円~7,000円程度 かかります。ただし、お住まいの地域によっては助成がある 場合もありますので、事前に自治体のホームページや配布物などで確認するとよいでしょう。

副作用は? 接種しても安全?

B型肝炎ワクチンを接種すると、以下のような体の変化がみられることがあります(※)。

・発熱

・接種箇所の腫れ、しこり
・アナフィラキシー(急性アレルギー反応)
・急性散在性脳脊髄炎(脳や脊髄の病気)

接種後、気になる症状や体調の変化などがみられたら、すぐ医師に相談してください。もし、副作用(副反応)に関して心配な点があれば、事前に医師に相談するのも良いでしょう。

(※)厚生労働省ホームページ「B型肝炎ワクチンに関するQ&A」 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000137554.pdf

まとめ

B型肝炎は乳幼児期に感染すると、持続感染に移行しやすいといわれています。 赤ちゃんが生まれたら、1歳になるまでにB型肝炎ワクチンを接種 することを検討しましょう。また、未感染のパパ・ママでB型肝炎ワクチンを接種したことがない人も、40歳までなら高確率で抗体ができますので、接種を検討してみてください。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビウーマン子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.07.23)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
※新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、[内閣官房][厚生労働省]妊婦に関する情報[日本小児科学会]幼児に関する情報など公的機関等で発表されている情報をご確認ください。

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