【医師監修】臨月やってはいけないこと・過ごし方まとめ!気をつけたい外出や食事とは

【医師監修】臨月やってはいけないこと・過ごし方まとめ!気をつけたい外出や食事とは

臨月になり、赤ちゃんに会える日も近づいてきました。無事お産の日を迎えて分娩を乗り越えるために、この時期はどんなことに気をつけながら過ごせばいいのでしょうか? 日常生活と外出先でやってはいけないことをまとめました。


この記事の監修ドクター
葵鍾会 ロイヤルベル クリニック勤務。福島県立医科大学、同大学院卒業後、社会保険二本松病院、南相馬市立総合病院産婦人科医長、福島県立医科大学附属病院総合周産期センター(母体・胎児部門)助教、東府中病院副院長、アルテミスウィメンズホスピタル院長を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、医学博士、J-MELSベーシックコースインストラクター。

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気を付けたいことが増える臨月

臨月に当たるのはいつからで、体はどんなふうに変化しているのでしょうか? 臨月はどんな時期なのか、特徴をまとめました。

臨月はいつから?

「臨月」は妊娠10カ月目、妊娠36~39週を指します。お産を迎える時期であることから、「産み月」とも呼ばれています[*1]。

なお、医学的に正期産は「37週以降41週未満の出産」とされていて、これよりも早い出産は早産となります[*2]。臨月に入ったらいつでも出産OKというわけではないので、大事に過ごしたいですね。

臨月の体ってどんなふう?

妊娠36~39週になるとお腹の赤ちゃんの体のすべての器官が完成し、妊娠39週末の胎児の体重は約3000g、身長は約50cmくらいにまで育ちます[*2]。

初産の場合はこの時期に、赤ちゃんの頭が骨盤の中に下降して固定されます(2人目以上の出産の場合は、分娩開始間近になってから)。赤ちゃんを子宮の中にとどめてきた子宮頸管は短くなっていき、おりものに血が混じったおしるし(産徴)が見られることもあります。


臨月は出産に備えて

臨月に入ったら出産はもう間もなくです。いつでも出産に臨めるように、身体に負担がかかることは避けて、入院・出産準備を済ませておくようにしましょう。

臨月やってはいけないこと ~日常生活編~

臨月に入ったら、普段の生活でやらないように気をつけることは何でしょうか? 代表的なものを紹介します。

体に負担がかかる姿勢や動き

臨月になるとお腹が大きくなると姿勢が悪くなりがちになり、腰を痛める人も少なくありません。
正しい姿勢を意識し、急に腰に負担がかかる動きもしないようにしましょう。

立っている時

猫背になったり背を反らせるなど、腰に負担がかかる姿勢は避けましょう。
立っている時は顎を引いて、肩の力は抜き、背筋を伸ばして胸を自然に張りましょう。両足を開いてお尻を持ち上げるような姿勢を取ると、立っていても楽です。また、底にすべり止めがある低い靴を選ぶと、転びにくく安心です。

重いものを持ち上げる

重いものを無理な体勢で持ち上げると、腹圧がかかったり腰痛を起こすことがあるのでやめましょう。

また、お腹が大きいとバランスを取るのが難しいため、高いところのものを取ろうとすると転ぶこともあります。できるだけ他の人に頼みましょう。

腰痛対策グッズは要注意

腰痛対策用のコルセットや骨盤ベルト、きついガードルの中には、骨盤底に負担をかけてかえって腰を痛めやすくなるものもあります。
腰痛予防のためにコルセットやベルト、ガードルを考えている人は、まずはかかりつけの産院などに相談して妊娠中に使いやすいものを選ぶのがいいでしょう。

無理をしての家事

家事をする時には無理をしないことが大切です。疲れたり体がつらい時には、家事の手を止めて休みましょう。

特に疲れやつらさがなければ、普段通りに家事をやっても大丈夫です。

ただし、前かがみになっておふろを洗うなど、お腹を圧迫するような動作は避けましょう。長時間立ち続けたり重い荷物を運ぶような作業も避けた方がいいですね。がんばりすぎず、パートナーや他の家族などと家事を分担して、身体に負担をかけないように心がけてください。

食べ過ぎ

妊娠中に食べ過ぎると肥満に繫がります。

妊娠中に適切な量の体重が増えないことにもリスクがありますが、体重増加量が多すぎる場合には帝王切開分娩や巨大児(出生体重が4000g以上)になるなどのリスクがあります。臨月も引き続き、食べ過ぎには注意しましょう。

食事は栄養バランスを考えて、適量をとるようにします。食事の中で主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物を組み合わせて食べましょう。

熱すぎるお湯での入浴

適度な温度の湯につかるのは心地よく、血行もよくなりますが、湯温が高すぎると体に負担がかかってしまいます。

湯温は38~40度くらい、お湯につかる時間は5~10分程度にしておきましょう。寒い時期には、入浴前には脱衣所や浴室をしっかりと温めるのもおすすめです。また、食後すぐの入浴、浴槽から急に立ち上がるなどの行為も避けましょう。

お風呂場でうたた寝したりトラブルを起こしてもすぐに対処できるように、お風呂に入る前に念のため、パートナーや同居の家族に一声かけておくと安心です。

臨月やってはいけないこと ~外出編~

臨月になり、赤ちゃんが生まれる前に外出したいと考えるママもいることでしょう。外出の時にやってはいけないこともチェックしておきましょう。

長時間のドライブ、車の運転

法律で禁じられているわけではありませんが、いつ陣痛が起こるかわからない臨月になったら自分で車を運転することは避けた方がいいと考えられます。また、お腹が大きくなってくると同じ姿勢を取り続けるのがつらくなってきます。長時間のドライブも避けましょう。

里帰りや産婦人科が遠いなどの理由で長時間車に乗らなくてはいけない場合は、時々車を降りて休憩しながら行くように心がけてください。

また、安全のため妊娠中でもシートベルトを着用します。ベルトがお腹を横切らないように位置に気をつけながら、腰と肩、両方のベルトを締めましょう。

妊娠中のシートベルトに関しては以下の記事も参考にしてください。
▶︎妊娠中でもシートベルトは必要?妊婦の正しい着用方法をチェック

混雑する時間帯の公共交通機関の利用

混雑したバスや電車などでは、人に押されてお腹を圧迫されるリスクがあります。また、気分が悪くなってしまうこともあるでしょう。公共交通機関を使う時には、混雑しやすい時間帯と混雑しやすい経路は避けるようにしましょう。

ライブなど立ちっぱなしのイベントの参加

お腹が圧迫される場所や状況を避けることはもちろん、体がつらくなるようなことはしないようにしましょう。

立ちっぱなしで人混みの中にい続けるようなライブなどのイベントは、体に負担を多くかけてしまいます。すいた状況でゆったりと参加できる、疲れたりお腹が張ったらすぐ座ったり横になって休憩できる、短時間で自宅に帰って休めるなど、無理をせずに参加できるものだけにとどめましょう。

旅行などの遠出

臨月に入ると、急にお産が始まることも考えられます。安全にお産の日を迎えるために、旅行などの遠出は避けましょう

なお、臨月に飛行機に乗るには診断書が必要となることが多いです。また、妊婦さんが長時間搭乗すると、血栓症を起こすエコノミークラス症候群になりやすいものです。不要不急の遠出は避け、どうしても遠方に行かなくてはならない場合はかかりつけの産婦人科に相談しておきましょう。

妊娠中の旅行や飛行機搭乗については以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎妊娠中の旅行(マタ旅)はなぜ危険?知っておきたいリスクと注意点
▶︎妊娠中の飛行機って危険?妊婦の飛行機移動のコツと注意点

まとめ

臨月に入ると、お産が始まったり破水したりしてもおかしくありません。赤ちゃんが生まれる時に備えて、体への負担を避け、安全で健康的な生活を送るように心がけましょう。
普段の生活では、大きくなったお腹を圧迫しないように気をつけ、腰痛を起こしやすい姿勢をさけましょう。家事も体に負担のかかるものはパートナーなどにやってもらうといいですね。腰痛予防に骨盤ベルトやガードルなどを買う時には、事前に産院でアドバイスしてもらいましょう。
また、外出する時は自分での運転や遠出は避けておきましょう。混雑する交通機関を使ったり、立ちっぱなしになるライブなどのイベントに行くのもおすすめできません。
もう少しで赤ちゃんが生まれる日がやってきます。その日を楽しみに、ゆったりと落ち着いて毎日を過ごしていきましょう。

(文:大崎典子/監修:浅野仁覚 先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] 「赤ちゃん&子育てインフォ」母子衛生研究会
[*2]『病気が見えるvol.10 産科 第4版』メディックメディア


※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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