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2021年11月16日 14:28 更新

【医師監修】陣痛が5分間隔だけど我慢できる痛み…これは陣痛?お産の始まり〜出産の流れ

妊娠後期も終盤、臨月になり出産の予定日が近づくと陣痛のことが気になり始めますね。痛みが5分間隔で来ていても、痛みの強さが我慢できるくらいだと産院に連絡してもいいのか迷う人も少なくないことでしょう。今回は、お産の進み方と陣痛についてお話しします。

Q. 陣痛が5分間隔でも我慢できる痛みなら自宅待機?

家で陣痛を感じる妊婦

おなかの張りと痛みがあったので間隔を計ったら5分おきでした。

でも、我慢できるぐらいの痛みで……自宅でこのまま様子を見ていいのでしょうか?

分娩のために産院に連絡を入れる一般的な目安は、1時間に6回以上(または約10分間隔)で陣痛と見られる痛みが起こってからです。

では、痛みが我慢できる程度で陣痛かどうかわからない場合はどうしたらいいのでしょうか?

A. 我慢できる痛みでも10分以内になったら病院に連絡

痛みが1時間に6回以上・約10分間隔で周期的に起こっていたら、前駆陣痛ではなく陣痛が始まっていると考え、かかりつけの産院に連絡しましょう。

なお、多めの出血があったり、胎動が普段より弱いと感じるなど赤ちゃんの様子がいつもと違うようなときにも、速やかに連絡をし指示を仰ぎましょう。

陣痛の痛みは子宮の収縮によって起こりますが、同じように子宮が収縮していても、みんなが同じような痛みを感じるわけではありません。

痛みの感じ方には個人差があり、体調やライフスタイルなどの影響があるほか、1人目と2人目で痛みの感じ方が違ったという人もいます。そのため、陣痛の始まりのあたりの痛みを「堪え難い痛み」と強く感じる人も入れば、「生理痛のちょっと強いぐらいで我慢できる程度」と感じる人もいます。

つまり、我慢できる痛みであったとしても、5分間隔ならば産院に連絡し、指示を仰ぐべきです。

痛みが弱いときは微弱陣痛の可能性も

微弱陣痛の妊婦

分娩が始まっていても、陣痛の痛みが弱いケースもあります。陣痛が弱い、微弱陣痛について知っておきましょう。

陣痛が弱く、なかなか分娩が進まない「微弱陣痛」

微弱陣痛とは、陣痛が弱く陣痛周期が長いことから、分娩が進行しない状態のことです。すべての分娩の1~10%に起こると言われています。

なお、正常な陣痛が途中から弱くなった場合も微弱陣痛に含まれますが、今回は分娩が始まった時から見られる微弱陣痛についてのみ説明します。

リスク回避のため処置が行われる

陣痛促進剤の点滴
微弱陣痛になると、赤ちゃんをお腹の中から外へと押し出す力も弱くなり、子宮の収縮時間が短く陣痛周期が長いことから、分娩が進まなくなります。

破水前であれば微弱陣痛であっても母体と赤ちゃんへの危険はありませんが、破水が起こると、羊水が徐々に体の外へ流れ出てしまいます。そして子宮は収縮していき、お腹の赤ちゃんが胎盤や臍帯に圧迫されるため、赤ちゃんの状態が悪くなったり、細菌感染を起こすリスクが高まります。

赤ちゃんを守るため、微弱陣痛になると正常な分娩とは違う対処がなされます。

破水が起こらない場合は、人工的に破水を起こします。それでも陣痛が弱い場合には、子宮収縮薬(陣痛促進剤)を使用します。母体や赤ちゃんに危険が伴う場合や子宮収縮薬を使っても分娩が起こらない場合は、吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開を行うことになります。

痛みには個人差があり、本人は痛いと思っているのに、臨床的には微弱陣痛である場合も少なくありません。むしろ自分で微弱陣痛だなとわかる人はほとんどいないでしょう。

「今でもこんなに痛いのに、もっと痛くするんですか?」と言われることもあります。

微弱陣痛について知って不安な気持ちになるかもしれませんが、微弱陣痛が短時間起こっただけならお母さんや赤ちゃんに問題が起こることはほとんどありません。産院のスタッフが手をつくしてくれるのを信頼して、分娩に臨んでくださいね。

お産の流れと陣痛の間隔

陣痛の痛みは、胎児を子宮の外に出すために子宮が収縮することによって起こります。お産が進むとともに子宮の収縮も強くなるため、陣痛の痛みも強くなっていきます。

お産(分娩)の経過は以下のように分けられます。

・分娩第1期:<開口期>規則的な陣痛がきてから、子宮口が全開になるまで
・分娩第2期:<娩出期>子宮口が全開になってから、産道を降りてきた赤ちゃんが出てくるまで
・分娩第3期:<後産期>赤ちゃんが出てから、胎盤などが出てくるまで

分娩の進み方

分娩の段階とともに陣痛の状態がどう変わるのか見ていきましょう。

分娩第1期の前半(潜伏期):陣痛の開始

陣痛が始まった妊婦

第1期は分娩が始まってから子宮口が開いていく段階で、潜伏(緩徐)期と活動期に分かれています(ここでは潜伏期を前半、活動期を後半として説明します)。

第1期の始まり、つまり分娩の開始は「陣痛の痛みが1時間に6回以上、または10分以内ごとに起こるようになった時から」となります。第1期前半のうちは陣痛の痛みの間隔にあまり変化がなく、痛みも多少強くなる程度です。

この時の状態・赤ちゃんの様子

子宮頸管は、分娩開始前は小鼻くらいの硬さですが、分娩開始とともに分娩第1期の間に唇くらいにやわらかくなっていきます。

子宮頸管がやわらかくなっていくのとともに、赤ちゃんは顎を引いて回転し始めます(回旋)。まずは1回目の回転(第1回旋)をして、横向きに骨盤に入ってきます。赤ちゃんの頭が骨盤にはまると、赤ちゃんの頭に押されて子宮頚管は開き始めます。

分娩第1期の後半(活動期):痛みの間隔が徐々に短く

陣痛が始まった妊婦

活動期になると、陣痛の頻度は1時間に15~20回(3〜4分間隔)から徐々に頻繁になり、痛みも強くなります。

この時の状態・赤ちゃんの様子

赤ちゃんは第2回旋が始まり、顔がお母さんのお尻側に向いていきます。子宮頸管の開きは急激に進んでから緩やかになり、子宮口は7~8cmまで開きます。

体力を温存できるように楽な姿勢を取ったり、陣痛の合間に水分補給などをしておきましょう。

分娩第2期:ついに赤ちゃん誕生

分娩後の赤ちゃん

分娩第2期では、赤ちゃんが陣痛と腹圧によって体の中から押し出されていきます。そのため、陣痛の強さが最も強くなり、陣痛は1~2分間隔になります。赤ちゃんが生まれると、陣痛は消えて痛みは一旦落ち着きます。

この時の状態・赤ちゃんの様子

子宮口は全開となる10cmまで広がります。この時、初めて破水が起こる人もいます。
赤ちゃんの第2回旋は進み、第3〜4回旋で赤ちゃんの頭が母体の体の外に出て、続いて全身も出てきます。

分娩第3期:後陣痛が起きて胎盤が出る

へその緒を赤ちゃん

赤ちゃんが生まれた後も胎盤はお腹の中に残っています。分娩第3期には“後産期陣痛”が起こり、胎盤が体の外に出てきます。

後産期陣痛は赤ちゃんが生まれた5~15分後ぐらいに起こります。子宮筋層が収縮することで、胎盤が剥がれ落ち、卵膜や臍帯も一緒に体の外に出ます。そのため、第2期ほどの痛みはありませんが、不規則に軽い痛みが起こることになります。その痛みも、胎盤が体の外に出ればなくなります。

まとめ

病院に連絡する妊婦

出産は、1時間に6回以上(約10分間隔)の規則的な陣痛とともに始まります。陣痛の痛みの感じ方には個人差があるので、 “我慢できる弱い痛み”だったとしても10分以内の間隔の痛みが規則的に起こったら、出産予定の産院へ連絡するようにしましょう。

(文:大崎典子/監修:直林奈月 先生)

※画像はイメージです

参考文献
「病気が見える vol.10 産科」メディックメディア
「NEWエッセンシャル 産科学・婦人科学 第3版」医歯薬出版株式会社
「産科麻酔の疑問Q&A60」中外医学社

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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