【#7~最終話】ついに決断の時。決め手は「本音をさらけ出せるか、相手を許せるか」
ABEMAオリジナル結婚決断リアリティ番組『さよならプロポーズvia ギリシャ』が最終回を迎えました。お付き合いをしながらもなかなか結婚に踏み切れない2組のカップルが7日間の海外旅行を経て、最終日に“結婚”か“別れ”かのどちらかを必ず決断しなければならないという過酷な旅の結末を、恋愛リアリティ大好きなライター・瑞姫さんがレビューします。
お付き合いをしながらも、なかなか結婚に踏み切れない2組のカップルが7日間の海外旅行を経て、最終日に“結婚”か“別れ”かのどちらかを必ず決断しなければならない結婚決断リアリティ番組ABEMAオリジナル結婚決断リアリティ番組『さよならプロポーズvia ギリシャ』。
これまでの放送では、なかなかお互いの本音が言えずに話し合えないシュウヘイとカホ、毎日話し合いするものの、分かってほしいという気持ちが先行してぶつかり合ってしまうアオイとモナ、好き同士ではあるものの結婚に踏み出せない2組のカップルのリアルすぎる愛の行方を見届けてきました。
今回はいよいよ最終回。シュウヘイはカホにきちんと本当の気持ちを全て伝えられるのか。価値観が違いすぎるアオイとモナは分かり合うことができるのか。結婚か、別れ。二人がどちらを決断したのかが、ついに明かされます。
最終日明かされたシュウヘイの“言えてないこと”
これまで毎日のように話し合い、ケンカをしてきたアオイとモナとは対象的に、6日目にしてもまだどこかモヤモヤとしており、核心を突いた話し合いができていないように見えるシュウヘイとカホ。
案の定、シュウヘイは最終日前夜にもかかわらず「ずっと言えてないことがあります。結婚を先延ばしにしている理由です」「受け止めてくれなかったら、今回の旅が結婚するか別れるかなので、その決断になると思います」「これが、僕っていうところがあるので」とここにきてやっと本音を吐露。これには流石にMC陣から「なんで1日目に言わへんねん!」「遅くない!?」の声が飛び交います。
カホはずっとシュウヘイが本心を言うのを待っており、いろんな角度や方法で尋ねてきたにもかかわらず、いまいちハッキリとした答えは言わず、どこか上の空でしたが、やはり“まだ言えてなかった”とは……!
この旅で今まで何をしてきたんだ!? と、せっかちな筆者はギリシャまで飛んでって「ちょっと待った!!!」のカットインを入れてお節介おばさんになりたくて仕方なかったのですが、二人の関係は他人が介入して解決するのではなく、これから夫婦になるのだから自分たちが自分たちの意志と力で解決し、納得しなければいけない問題。自分の中での問題を咀嚼したり、話し合ったり、一緒に歩んだりするスピードも人それぞれなので、6日間かけた結果が二人のペースだったということでしょう。
結局、明かされたのはシュウヘイが母親や妹を守ろうとするあまり“強い自分”でいようとして、“弱い自分”を出せなくなってしまったこと。
お金の不安なども一人で背負おうとしていたシュウヘイでしたが、カホの「二人で歩んで行ったらいいじゃん」という言葉や、一緒にいたいシンプルな理由に気づいたようで「結婚って何が大事なのって思ったらカホちゃんを思うこと。俺のカホちゃんの好きなところってやっぱり笑顔なんだよね。この笑顔をもっと増やしたいなって心の底から思った」と伝えます。
そして「正直今はお金もないし、仕事でも一人前になってるかって言われたらそうでもないし、俺の中のカッコいい男ではないけど、これが俺だなって思う」とずっと隠してきた自分の“弱さ”も見せ、「でも、カホちゃんを幸せにしたいって気持ちは変わらない。俺はカホちゃんを絶対に幸せにする。だから、僕と結婚してください」と二度目のプロポーズ。
素直な胸の内を明かしたシュウヘイをカホは受け入れ、二人は最後に“結婚”を選択しました。
言わずにがまんし続けた苦しさと心からの反省
初日からとにかく話し合いを繰り返すものの、ヒートアップしてケンカになり、ぶつかりあっていたアオイとモナ。
しかし、その話し合いも、モナが毎回感情的になって“全部アオイさんが悪い”と言わんばかりに強い言葉を投げつけ、アオイがなだめていたていた状況から、少しずつアオイの気持ちが冷めつつあるのを感じたからか“自分にも悪いところがあったんだ”と気づくようになってきました。
そのため、6日目の最終日前夜はこれまでと違って穏やかな雰囲気。モナは今までのことを反省し、アオイに洋服をプレゼントしたり、アオイの好物ばかりの料理を振舞ったりと尽くします。
ただ、これまでかなり強い言葉で感情をぶつけられ続けてきた上に、いつも折れてきたアオイは、この旅で少しずつ気持ちが引いてきたようで、笑顔で料理を食べつつも、「俺がこれを食べないって言ったらどう?」「そう俺はされてきたもん」「何回誘っても食べてくれなかったでしょ」と、一緒にご飯を食べてもらえなかった今までが“めちゃくちゃ苦しかった”とモナに告げます。
そう、モナはアオイが料理を作って食事に誘っても、「いらない」と断ったり「あとで食べるから置いといて」とすぐに食べなかったりしていたのです。スキンシップでの愛情表現がなく、帰ってきてもルーティンをこなし、自分のことを“放って置かれている”と思ってしまっていたモナの気持ちもわかりますが、一緒に生活すること、食事をすることが愛情表現だと考えていたであろうアオイも同じくらいつらかったはず。
アオイは「スープだって温かいときに食べてほしい気持ち分かる? 後で食べるから置いといてって言われる気持ち、分かる?」とこの旅に来るまで、きっと言わなかった言葉をモナに諭すように伝えると、モナは自分がされて初めて今までしていた行動にハッとして反省。
「ごめん。自分が作ってみて、そう言われて初めてその感じは分かったかも」「すごい嫌な気持ちにさせてたんやな、ごめんな」と謝罪しますが、アオイは「この気持ちモナにずっと分かってほしかった」と“最後だから”初めて伝えたこと改めて口にし、「これまでされてきたことがすぐに消えるもんじゃないから」と、簡単に受け入れたり、許すことはできないという素直な胸の内を明かしていました。
太平洋のように広い心でどんなにモナが強い言葉で避難しても、感情的になっても、寛大に包み込んできたアオイ。徐々に呆れや冷めが見えてきたアオイと反比例するように、自分を変えようと反省し出したモナ。完全にどちらも遅い……!!!
遅すぎる? まだ間に合う? 二人が選んだ最後の決断
最終日前日「お別れっていう結果になってしまっても、モナのことこれからもずっとずっと応援してる」と優しい笑顔でモナに伝えていたアオイ。
価値観の違いでぶつかりあい、お互いが“頑張ろう”と“諦め”ですれ違い、完全にどうなるか分からないまま迎えた最終日では、モナからギリシャに来ることを前向きに考えてくれたこと、向き合い続けてくれたことへの感謝を述べ、「朝、二人でフィラの街を歩いて、最後のデートをしてる気分ですごく幸せだった」と涙を浮かべながら伝えます。
完全に“好きだけど、傷つけ合うばかりなら、美しい思い出として終わらせましょう”と言わんとするような二人のセリフに胸がざわつきますが、モナは「ちゃんと自分がもっと変われるところを見せたくて」と料理をしたことを明かし、今まで自分がしてきたことに対して「最低なことしてたなって、自分のターンになって初めて感じた」と改めて反省。「毎日いっぱいごめんね」「今まで4年間分のごめんなさいとありがとうを伝えたいって思ってる」と初日と同一人物とは思えないほどの成長を見せます。
そして旅に来たからといって変わりたいけど変われるのかという現実と、自分以外の他の誰かとの方が幸せになれるのであれば、その気持ちを尊重するし後悔しないという気持ちを伝えた上で、涙を流しながらも笑顔で「ずっとずっと大好きだよ」と伝えたモナ。
アオイはその気持ちを受けつつも「これから先モナが俺のために無理して慣れないことをずっと背負わせ続けんのが俺も苦しいしさ。だからもうそんなこと考えずに、モナは解放された方が幸せなんじゃないの?」とこぼし、「自由にモナらしくこれからも生活できるように、日々を過ごしていけるように、すてきな30代からのこれからの再スタート、俺はもう邪魔したくないから、別れたいって思った」と告げます。
しかし、二人が見つめ合う沈黙の中で、アオイが切り出したのは「でもさ、旅の中でもモナの笑顔を見るたびに、一緒にいる時の幸せな時を感じるたびに、そんな苦しい日々に戻ってもモナと一緒にいたいって思った」と苦しさよりも勝ったモナへの愛。
アオイはモナの前に立膝をついて一度は突き返されてしまった指輪を出し、「どんなことがあっても、ずっとずっとモナと乗り越えていきたい。モナと手を取り合っていっぱいハグして進んでいきたい。僕と結婚してください」ともう一度プロポーズ。
正直、モナが反省していく一方で、呆れ冷めていってたように見えたアオイの「別れたいって思った」の一言はもうダメなのか……! と思いましたが、アオイにとってはモナが“今まで自分にも悪いところがあったんだ”という、旅に来る前には決してなかった“気づき”、心からのこれまで自分がしてきたことへの“反省”、これまでの自分を改め、これから“変わろう”としてくれたことが何よりうれしかったのでしょうし、それがあったからこそ、希望を託し、信じることができたのだと思います。
「揉めてももう大丈夫」「たくさん学んだことがあったと思うし、それを行動に起こしてくれる、その一歩が見れたので、ずっと欲しかったその一歩、それは絶対信じて進んでいけるなって思いました」と話すアオイの顔は喜びに満ちていました。
逃げずに向き合い続ければ乗り越えられる
誰しもが一度は考える結婚。するもしないも自由であり、交際と結婚は“一緒にいる”という点だけでは変わりないとはいえ、口約束ではなく戸籍上家族となることは、決断という意味でも、責任という意味でも大きく違います。
だからこそ迷うし、間違いたくはないもの。ですが、相手と自分は生まれ育った環境も、価値観も、何もかも違う人間。違っていても、分かり合えなくても、なかなか本心を言えずにぶつかることができなくても、お互いが歩み寄る努力を忘れずに向き合えばきっと大丈夫。
大切なのは意地を張らずに自分の弱いところも、悪いところも受け入れること。相手を傷つけてしまった時は素直に謝って、もうしないように相手のために変わろうと努力すること。全部が全部すぐにはできなくても少しずつでも良いのです。
自分たちの選んだ決断を、正解にするために一緒にがんばることが大切なのだと、2組のカップルを見届けて改めて思うことができました。
ABEMA『さよならプロポーズvia ギリシャ』
(瑞姫)
※この記事は2024年11月14日に公開されたものです