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【第3話】前代未聞の名付け鬼畜プレイ! 宏樹、どうかモラハラであれ!

#わたしの宝物考察

やまとなでし子

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、『わたしの宝物』(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。「托卵」という禁断の決断を下した一人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描いた本作。手にした愛と、犯した罪。その運命はいかに――。

※このコラムは『わたしの宝物』3話までのネタバレを含んでいます。

©フジテレビ

他人の子の名付けを托卵先の夫に頼む鬼畜プレイ

一夜の過ちにより、古い友人・冬月(深澤辰哉)との子どもを授かった美羽(松本若菜)。冬月の死や、夫である宏樹(田中圭)の「父親はできない。お金だけは苦労させない」という安定のモラに後押しされ、宏樹には事実を隠しながら、托卵で子どもを育てていくことを決意しました。

しかし、美羽は血のつながらない子どもの名付けを宏樹にお願いするってなかなかの鬼畜では。托卵の罪悪感が1ミリでもあったら、到底実行には移せないなかなかのドSプレイ。本人はそんなつもりなど一切なさそうですが。

美羽の言い分としては「自分は父に名前をつけてもらい、離婚してほとんど会ったことのないお父さんから唯一もらったプレゼントみたいでうれしかった。寂しい思いをしないように宏樹に名前をつけてほしい」とな。

おそらく、「宏樹が父親の役割ができない代わりに、子どもが寂しくないよう名前だけでも」という気持ちと、「冬月のことは心にしまい、宏樹を実父として子どもを育てていく」という美羽の決意を示す表現だとは思うのですが、とはいえ宏樹父親じゃないからな……。自分の托卵の罪を貫くなら美羽が名前つけたれや、と思ったり。

美羽、実はかなりパンチの効いた女です。

憑き物が落ちた宏樹のアナログ人間さ

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子どもが生まれてから、憑き物が落ちたかのように人が変わった宏樹。子どもの名前を決めるため、名付けランキングや候補を全て手書きでまとめ、そのまま名付け本にして出版できそうなクオリティの冊子を作り上げてきた真面目さ。

この時代にエクセルやパワポでまとめるでもなく、あえての手書き。以前、自宅に仕事の重要書類を忘れ、会社PCで再出力するでもなく、美羽に実物を持って来させようとしたり、後輩から「要領が悪い」とディスられる理由が、ここら辺に全て詰まっている気がしますね。あの日の資料も一部手書きだったのかもしれません……。

いや、あえて手書きで愛を込めたに違いないですね。私の心が汚いだけでした、すみません。

そんなこんなで、美羽が刺繍した美しい鳥のしおりをきっかけに「栞(しおり)」と名付けられることに。「初めて抱っこした時に、かわいくてもろくて、あったかくて涙が止まらなくなった。あの瞬間を忘れたくなくて栞という名前をつけた」と語る宏樹。

本当の父親である冬月と美羽の思い出の品であり、2人の絆でもあるしおりが、宏樹にとっても大切なものになるとは、なんという皮肉なのでしょうか。

宏樹よ。頼む。どうかモラであれ

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そのほかにも、宏樹は美羽の退院時には仕事を切り上げ、アポ無しで登場。退院に付き添ったり、宏樹抜きで執り行う予定だった子どものお宮参りには、宏樹が登場するどころか、入院中の美羽の実母まで連れてきたりというサプライズ。積極的に子育てにも関わり始め、側から見ればいいお父さんになり始めた宏樹。

「美羽、栞を産んでくれてありがとう」「父親らしいこと何もしないって言ったけど、あの約束破っていいかな? 俺を栞の父親にしてくれないか?」と、今までのモラハラフルスロットルの宏樹からは考えられない言葉まで飛び出します。でもこれはうれしい反面、辛いものが……。

宏樹がクズだからこそ、托卵への罪悪感が和らいでいたのですが、宏樹が積極的に父親業に関われば関わるほど、美羽の背負うものがどんどんと大きくなっていきます。愛情を込めて宏樹がかわいがっている子どもは他の男との子どもなのですから。

子どものためにはモラハラが改善されてうれしい反面、美羽のメンタルのためにはモラでいてほしいという気持ちも……。

あの妊娠が宏樹の子どもだったなら全て丸く収まり大円団だったのに。美羽は罪悪感に押しつぶされず、墓場まで一生この秘密を抱えていくことはできるのでしょうか。

宏樹と冬月、美羽はどちらを選ぶのか

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仕事第一で、それ以外全てを捨てる勢いで生きてきた宏樹。そんな彼が、プロジェクトリーダーを降り、キャリアよりも子どもを優先することを決意しました。

一方美羽は、宏樹の様子や、冬月が亡くなったという事実から、思い出の栞を図書館の本に戻し、冬月とのことは全て心にしまい、宏樹や栞と共に生きていくことを決めました。

しかしそうは問屋が卸しません。ドラマですから。

まさかの生存、からの日本に帰国していた冬月は、美羽を探して図書館に通い詰め、この日に再会を果たすこととなるのです。

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「会いたかった」と冬月に抱きしめられ、感動の再会どころか、生きていたという事実にまず頭がついていっていないであろう美羽。

自分の進むべき道を決め、心の整理をしたはずだった美羽にとって、果たしてこの再会は、美羽の気持ちをどう揺さぶっていくのでしょうか。

宏樹を信じて、美羽は全てを抱え込む形で冬月とは決別するのか。それとも実の父親という点と恋心に重点を置いて冬月を選ぶのか。すぐには答えは出なそうです。

宏樹に待ち受ける未来

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しかし、宏樹は生まれ変わったかのように変わりましたが、人間ってそんなに簡単に変わるものなのでしょうか? メンタルを病んでいた点も気になります。

子どもをきっかけにこのメンタルが快方に向かい、一層子どもにのめり込むことで、事実を知った時に心が壊れるパターンか、宏樹が子育てに手一杯になるなど、何かをトリガーにまたメンタルをやられ、モラ再発となった時に美羽が冬月の元へ逃げ出したくなるパターンか。

今までにない托卵というストーリーゆえに、想像以上に傷つく人達が発生しそうで気がかりです。次回をハラハラしながら楽しみに待ちましょう。

(やまとなでし子)

※この記事は2024年11月07日に公開されたものです

やまとなでし子 (コラムニスト)

大和撫子とは対極にいるアラサーJK(女子会社員)。バチェラーを始めとした恋愛リアリティ番組、ドラマ、合コン、婚活、過去出会った世にも不思議な男性たちや日常についての備忘録をTwitterとブログで綴っている。インスタでは綺麗めファッションコーデを日々更新。

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ブログ:男性見聞録

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