【例文あり】ポエムとは。恋愛・痛い系・名前ポエムの例と意味、作り方のコツも紹介
ポエムとは、例えば韻を踏んだり擬人法を用いたりして紡ぐ、詩的な文章のこと。自分の気持ちをオブラートに包めるので、ストレート過ぎずおしゃれに表現できるのが魅力。ただ、雰囲気はあるが実際には中身のない文章を揶揄する場合もあります。本記事では、恋愛・痛い系・名前ポエムの例文や、作り方のコツを紹介します。
「ポエム」という言葉について、何となくは分かるけれど、実際にはどういうものを指すのか詳しくは知らない、といった方は多いのではないでしょうか。
今回は、ポエムの簡単な意味や特徴、そして作り方のコツなどを、例文を交えて解説していきます。ポエムを作ってみたいと思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ポエムとは? 意味を簡単に解説
まずは、「ポエム」の意味を見ていきましょう。辞書には、下記のように記されています。
ポエム【poem】 の解説
1 1編の詩。韻文作品。
2 詩的な文章。詩的だが中身のない文章・発言を揶揄 (やゆ) していうこともある。出典:(『デジタル大辞泉』小学館)
ポエムとは詩、つまり日々の中で浮かんだ感情を表現した、情緒を感じる文章のことです。「韻文作品」と説明されているように、本来は和歌や俳句のような、一定のリズムと形式の整った文章で構成されるものを指します。
しかし形にこだわらず、自由な感性で、自らの思いを情熱的に連ねたものもポエムということができます。
また、一見すると詩的で雰囲気があるように思わせながら、実は中身のないものや、いわゆる中二病ともいわれるような自分に酔っている痛い文章について、からかう時にも使われます。
ポエムの特徴や作り方のコツ
ポエムの定義や作り方は、人や時代によってもさまざまではありますが、一般的によく見られる特徴には、次のようなものがあるでしょう。
・韻を踏む/一定のリズムがある(同じ語尾や言葉を繰り返す・文字数がそろっているなど)
・比喩表現(~のように、まるで~など)
・擬人法(空が泣く、風が怒るなど)
・口語調かつ語り口調(~よね、~だよ など)
・改行や空白を効果的に使う
もちろん、上記にこだわらずともポエムを作ることは可能ですが、こういったポイントを取り入れてみると、雰囲気のあるものができやすいかもしれません。
ポエムの例とポイント ~恋愛編~
ポエムの定番といえば、恋愛系のポエムです。
好きな人へのあふれる気持ちだったり、片思いしている時の甘酸っぱい思い出だったりと、相手には伝えられないどうしようもない感情を、どこに、どのようにぶつけたらいいのか悩む時はありませんか。そんな時こそポエムの出番。
以下で、恋愛ポエムの例を2つ紹介します。
恋愛ポエムの例(1)
「好き」
その一言で たちまちに関係は壊れてしまいそうで
迷って 今もただこうして揺らいでいるだけで
まだちょっと夢みたいな今を続けたい
夜にのぞく 曖昧なmy mind
これは友達から恋人へ進むのに勇気が出なくて、もう少しだけ今の関係を続けたいと思っている時の恋愛ポエムです。
友達でいられなくなるかもしれない寂しさと、恋人になれることへの期待が入り交じった状態、もしくは相手に好きな人が別にいると知っていて、フラれるのが分かった上で迎える、告白前夜の気持ちを表現しているのかもしれません。
このポエムの例文は、特徴のところで紹介した「韻を踏む/一定のリズムがある」を用いて作っています。「壊れてしまいそうで」「揺らいでいるだけで」と「~だけで」を繰り返すことで、切なる思いがより伝わるでしょう。
恋愛ポエムの例(2)
苦手なお化け屋敷
苦手な観覧車
苦手な浮かれた空気
それなのに首を縦に振ってしまったんだ
好きって怖いんだね
恋愛ポエムの2つ目は、好きな人への気持ちが招いた、自分らしからぬ行動を表現したもの。
ホラーも高いところも、人混みも本当は得意ではなかったけれど、好きな人に嫌われたくない・少しでも一緒にいたいという思いから、苦手な気持ちを押し込めて、遊園地デートの誘いを受けてしまったことが伝わります。
この恋愛ポエムの目立った特徴は、語り口調。「縦に振ってしまったんだ」はつい口からこぼれ落ちたつぶやき、「怖いんだね」は自分にも相手にも語り掛けているような文章です。
さらに前半で「苦手」を3度重ね、中盤で1行開けることで、まとまりも出しつつ、メリハリのあるポエムに仕上がっています。
ポエムの例とポイント ~痛いポエム編~
自分では素直な気持ちを言葉にしただけというつもりが、見る人によっては「痛い」と思われてしまうポエムもあります。
もちろん誰かに迷惑を掛けない限りは、自己表現は自由なので、人からどう見られるのか気にする必要はないでしょう。そもそもポエムを作ったら人に発表しなければならないなどの決まりもありません。
ただ、どんなポエムが「痛い」と言われやすいか気になるという方や、わざと自虐的な痛いポエムを作って周りの人を楽しませたいという方のために、以下で例を2つ紹介します。
痛いポエムの例(1)
君のことを考えると
心の内が烈火のごとく燃え盛る
雪のように白くすべらかな肌
喋るとのぞく氷のようにきらめく歯
そんな君はまるで女神だ
見上げればほら 君のような空が笑っている
いつでも僕を包み込んでくれるよね
だけど僕はきっと君を溶かしてなくしてしまうから
僕らは結ばれない運命なのかもしれない
こちらのポエムは、相手への情熱的すぎる思いを表したもの。思いを寄せられた本人が読むと、思わずびっくりしてしまうかもしれませんね。
「君はまるで女神だ」のように大げさなフレーズ、そして「いつでも僕を包み込んでくれるよね」という相手の意思に関係ない、自分の思い込みと取れるような表現、最後に1人で盛り上がって勝手に完結する様子などが、見る人によっては「痛い」と映るでしょう。
また「烈火のごとく」「雪のように」「空が笑っている」といった、比喩表現や擬人法がこれでもか、というほど詰め込まれていることから、「やり過ぎ」「痛い」と感じる人もいるかもしれません。
ただ、大人になると表には出さないケースが増えるだけで、本当は誰しもがこういった熱く、自分本位な感情を内に秘めている、あるいは秘めていたのかもしれませんね。
痛いポエムの例(2)
シンデレラのようにいつか王子様が迎えに来る
そんなのおとぎ話にすぎない
私はいつまでたっても灰かぶりだし
この小さな世界は私が生きるようにできていない
だからこんなまちからいなくなるの
サヨナラバイバイ
こちらはネガティブ系のポエム。絶望し、毎日に希望を見いだせなくなってしまった気持ちを、否定的な言い回しを用いて表しています。
自分を悲劇のヒロイン化することや、特別な存在だと匂わせる表現が、「痛い」と思われる可能性につながっているでしょう。
例文(1)と同じく比喩表現が用いられているのですが、「シンデレラ」「王子様」「灰かぶり」といったメルヘンチックな言葉をチョイスしているのも、浮世離れしているイメージを彷彿とさせ、「痛い」と感じる人がいるかもしれません。