彼岸花の別名を紹介。怖い名前やかっこいい呼び方、花言葉に特徴も紹介
彼岸花には、別名が何と1,000個もあるといわれています。本記事ではその中から代表的な名前を紹介します。曼殊沙華はもちろん、「蛇」や「鬼」を含む変わったものから英語の呼び名まで、話のネタなどにぜひ使ってみてくださいね。その他、彼岸花の特徴や花言葉についてもまとめました。
彼岸花は、日本に古くからある植物で、秋に不思議な魅力のある花を咲かせます。たくさんの彼岸花が集まって赤いじゅうたんのようになっている景色は、とても幻想的ですよね。
この記事では、1,000以上もあるといわれる彼岸花の別名を紹介していきます。ぜひ最後までチェックしてくださいね。
彼岸花とは
彼岸花(ヒガンバナ)は、ヒガンバナ科の多年草。原産地の中国から渡来し、古くから日本に存在するといわれています。見頃は地域やその年の天候によっても変わりますが、秋の彼岸の頃、つまり9月中旬~下旬頃だとされています。
その花は真っ赤なイメージが強いと思いますが、品種改良などの影響もあり、実は白やピンク、黄色の花をつけるものもあります。
彼岸花には、花や茎、葉、球根など全ての部分に毒があります。特に球根には強い毒があり、誤って口にすると最悪の場合は死に至るケースもあるそうです。埋葬された遺体をネズミやモグラから守るために、かつては墓地によく植えられたともいわれています。
また花が咲き終わった後に葉が成長する、花と葉が同時に見られない珍しい花でもあります。
彼岸花の花言葉
彼岸花には「情熱」や「独立」という花言葉があります。どちらも強く凛としたイメージがありますね。
その一方で、「悲しい思い出」「あきらめ」などの、悲しく切ないイメージの花言葉もあります。お彼岸の頃に咲いたり、お墓に植えられているケースも多かったりする花なので、故人に思いをはせることからきているのかもしれません。
彼岸花の別名にはどんなものがある?
「彼岸花」という名前の由来は、9月の彼岸の時期に花を咲かせるからだといわれています。また強い毒性があるため「食べてしまうとあの世(彼岸)に行ってしまう」ということからつけられたとする説もあります。
そんな彼岸花には、冒頭でもお伝えした通り別名が多く、なんとその数は1,000以上ともいわれています。今回はその中から、いくつかピックアップして紹介します。
まず紹介するのは曼珠沙華(マンジュシャゲ)。これは仏典に由来していて、サンスクリット語で「紅色の花」「天界に咲く花」を意味する「manjusaka」を漢字にしたものだといわれています。
また、その毒性に由来していると考えられるのが、毒花(ドクバナ)・痺れ花(シビレバナ)・蛇舌曲(ヘビノシタマガリ)などです。
さらに死人花(シビトバナ)・地獄花(ジゴクバナ)・幽霊花(ユウレイバナ)・葬式花(そうしきばな)などのちょっと怖い別名もあります。彼岸花の持つ毒や、お彼岸の頃に咲くことから、死のイメージが強いためかもしれません。
花自体の見た目や色からイメージされた別名には、狐の松明(キツネノタイマツ)・灯籠花(トウロウバナ)・火事花(カジバナ)など、そして龍爪花(りゅうそうか)・雷花(カミナリバナ)のようなかっこいいものもあります。
天蓋花(テンガイバナ)という別名も、仏具の天蓋に似ていることから、その名がつけられたそうです。
葉と花を同時に見ることができないという特徴を表した、葉見ず花見ず(ハミズハナミズ)との別名もあります。
学名がLycoris radiata(リコリス・ラジアータ)であるため、リコリスとも呼ばれています。
地域によっても複数の呼び方があり、大分県などでは親死ね子死ね(オヤシネコシネ)・山口県などでは狐提灯(キツネチョウチン)や提灯煌々(チョウチンカンカン)・関西などでは姑花(シュウトメバナ)・関東近郊では吐掛婆(ハッカケババア)と呼ばれることもあるそう。
英語の名称もRed spider lily(レッドスパイダーリリー)・Red magic lily(レッドマジックリリー)・Hurricane lily(ハリケーンリリー)など、いくつもあります。
中国では鬼蒜・避蛇生(蛇も食わない植物という意味)などの呼び方もあるようです。
彼岸花には1,000個以上の別名があるといわれている
彼岸花には驚くほどたくさんの別名があることが分かりましたね。不吉なイメージや、暗い印象を抱く別名も多いですが、これだけ多くの別名があるのは、昔から多くの人に親しまれている証拠でもあるといえるでしょう。
花の美しさや、長い間人々と共に歩んできたその歴史にも思いをはせてみると、さまざまな名前に、より深みを感じるかもしれません。
(#にほんご倶楽部)
※画像はイメージです
※この記事は2024年09月11日に公開されたものです