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大天使ミカエルとは? 聖書にある伝承やスピリチュアルなメッセージを紹介

高原由佳

大天使ミカエルは「戦う天使」としてあがめられていて、日本の神様に例えるとスサノオノミコトや不動明王のような存在とも考えられます。本記事では大天使ミカエルからのスピリチュアルなメッセージやお願いの仕方、そもそもどんな天使なのかについて、占い師の高原由佳さんに教えてもらいました。

古くからさまざまな言い伝えに登場する、翼を持った天使たち。その中でも「天使の長」「神のごとき者」とたたえられているのが、大天使ミカエルです。

フランスの世界遺産であるモンサンミッシェルの聖堂をはじめ、特にヨーロッパでは大天使ミカエルにちなむ建造物が多く残り、今も深く信仰されています。

そんな大天使ミカエルについて詳しく解説。また、彼から加護や応援を頂く方法について、紹介していきます。

大天使ミカエルとは

美しく気高い戦士の姿で表される大天使ミカエル。「神と人とをつなぐもの」として、多くのエピソードが語り継がれています。

ジャンヌ・ダルクにフランスを救うようお告げを与えたのも、ヨーロッパを恐怖に陥れた病・ペスト蔓延の終結を伝えたのも、大天使ミカエルだとされています。

以下で、彼についてより詳しく解説していきます。

(1)世界を守る天界の戦士として描かれる

絵画や彫刻に描かれる大天使ミカエルは、背中に大きな翼があり、手には剣とてんびんを持って、戦いの鎧を身に付けた姿であることが多いです。

かつて天界が善と悪に分かれて大戦争を繰り広げた際、大天使ミカエルは天使の長としてサタンに勝利し、世界を守ったといわれます。大天使ミカエルが「戦う天使」「守護天使」などとたたえられるのは、このためでしょう。

(2)聖書の中で語られるミカエルとは

大天使ミカエルの姿は、聖書の中で多数伝えられています。

旧約聖書「ダニエル書」では、イスラエルの民の苦境を救おうと立ち上がりました。「創世記」では、アブラハムが息子・イサクをいけにえにするため、手に掛けようとしたその時、神の使いであるミカエルが現れてイサクの命を救ったと記載されています。

また新約聖書の「ヨハネの黙示録」ではサタンと戦う姿が、「ユダの手紙」ではモーセの遺体を巡って悪魔と言い争う場面が書かれています。

(3)疫病から信徒を守る存在としても語り継がれるミカエル

ミカエルにはこんな言い伝えもあります。

かつて、極めて高い致死率で「黒死病」として恐れられていたペスト。これがヨーロッパで大流行した時代、教皇グレゴリウス1世は聖職者や住民と共に、祈りのために町を練り歩きました。

彼らがハドリアヌス帝廟である城塞(じょうさい)に近づいた時、なんと天使たちが行列の上空に出現します。そして驚いた教皇が城塞の上を見ると、大天使ミカエルが血にぬれた剣をぬぐって、鞘に収めているところだったとか。

この後ペストの流行は終息し、ハドリアヌス帝廟はサンタンジェロ城(聖なる天使の城)と呼ばれるようになりました。城塞の上には現在も、剣を収めようとする大天使ミカエルの巨大な像があります。

このように大天使ミカエルは、病を癒やす天使としても信仰されています。

(4)9月29日はミカエルの日

さまざまな役目を担う大天使ミカエルは、豊穣の天使でもあります。作物が豊かに実る秋、9月29日はキリスト教で「ミカエルの祝祭日」です。秋の実りを祝い、冬への備えに向き合う習わしがあります。

また、菓子職人の守護聖人でもあるミカエルにちなみ、日本ではこの日を洋菓子の日と制定しています。「サン・ミシェル(聖ミカエル)」という名の洋菓子店が多いのは、こんな理由からだと考えられます。

(5)キリスト教だけではなくユダヤ教・イスラム教にも登場

大天使ミカエルが登場するのは、キリスト教の言い伝えだけではありません。イスラム教では信仰を擁護する大天使としての役目を担い、ユダヤ教ではイスラエルの民を守護する天使として深く信仰されています。

なお「大天使」とはキリスト教における天使の階級の内の1つで、人間と最も関係が深いとされるものです。ここから、ミカエルに関しては「大天使ミカエル」という呼び方が広く行き渡っています。

(6)各国のミカエルにちなんだ名前

大天使ミカエルを愛する地域では、そのまま子どもの名付けに用いることも多いです。

英語圏では「マイケル」、フランスでは「ミッシェル」、スペインでは「ミゲル」、イタリアでは「ミケーレ」、ドイツでは「ミハエル」、ロシアでは「ミハイル」などと名付けられています。

なおルネサンスの偉大な芸術家であるミケランジェロ(Michelangelo)の名は、イタリア語で「ミカエル」と「天使」を表す「Michele+Angelo」と、大天使ミカエルを引き継いでいると考えられます。彼の奇跡のような芸術性は、そこから授かったものかもしれません。

大天使ミカエルを日本の神様に例えると?

仮にミカエルを日本の神様に例えるなら、剣を掲げて悪に立ち向かう闘将的な側面から見ると、ヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊(スサノオノミコト)や、仏法の守護神である毘沙門天、また密教において修行者を守る不動明王などと共通点を持つといえるでしょう。

いずれも、正しいものを見極めて守護し、悪やネガティブな存在を断つという、強い信念を象徴していると考えられます。

スピリチュアルな観点での大天使ミカエルからのメッセージ

大天使ミカエルのことがふと気になった時、彼は私たちに何を伝えようとしているのでしょうか? ミカエルからのメッセージをひもといてみましょう。

(1)「気持ちが沈んだ時には私を思い出しなさい」

ミカエルが戦ったのは、世界の闇。この「闇」とは、スピリチュアル的視点でいうなら、人の心の中の恐怖や疑い・嫌悪感・偽りなど。

他人に対してばかりでなく、自分自身への不信感や自信喪失、自己否定など、心がネガティブに傾きそうになった時、大天使ミカエルはあなたを光ある方へ、力強く導いてくれるでしょう。

「気持ちが沈んだ時には私を思い出しなさい」「自分の真実の心に忠実に進みなさい、私があなたを支えます」と、伝えてくれているのです。

(2)「切り捨てたいものがある時は、私が剣を振るいましょう」

頭の中でネガティブなことを何度も考えてしまう、いわゆる「ぐるぐる思考」や、執着心。そんな苦しくても手放せないものにとらわれている時、大天使ミカエルはそれらを剣でたたき斬り、あなたから切り離してくれるでしょう。

「切り捨てたいものがある時は、私が剣を振るいましょう」「苦しみと重荷から、あなたを解放します」と、伝えてくれているのです。

(3)「浄化と癒やしを受け取り、輝きを取り戻すのです」

病気やけが、精神的なトラブルなどから早く立ち直りたい時、大天使ミカエルはあなたを回復させ、再び前を向く意欲を与えてくれるでしょう。

「浄化と癒やしを受け取り、輝きを取り戻すのです」「内側から湧き上がる力を感じてください、あなたは満たされました」と、伝えてくれているのです。

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