大寒とは? この時期にまつわる行事・食べ物・草花などを解説
大寒とは二十四節気の1番最後の節気で、寒さが厳しくなる時期のこと。古代中国で生まれた季節や気候などを表す暦の1つといえるでしょう。今回は、そんな大寒の意味や由来、この時期にまつわる行事・食べ物・草花について紹介します。
季節を表す言葉として「大寒」という語を聞いたことはありますか? これは、太陽の動きを元にして1年を24に分けた「二十四節気」の1つです。
今回は、そんな「大寒」について解説。併せて、この時期にまつわる行事や食べ物、草花についても紹介していきます。
大寒とは?
大寒は「だいかん」と読み、二十四節気で1番最後の節気です。「立春」で始まり、「大寒」で1年が終わります。
寒さが厳しくなる時期を指し、日付は固定ではないものの、毎年だいたい1月20日~2月3日頃から15日程度の期間です。
また、大寒の前に「小寒」があり、この2つを合わせて「寒の内」と呼ぶこともあります。
二十四節気とは
二十四節気とは、古代中国で生まれ、太陽の動きを元にして1年を24に分けたものです。季節や気候などを表す名前を付けた暦ともいえるでしょう。
旧暦は太陰太陽暦を使っており、月の満ち欠けや太陽の動きで1年を測っていました。しかし、これだけだと季節と時期に大きなズレが出ることがあるのだとか。そのため、二十四節気で季節の移り変わりを表すようになったのが始まりといわれています。
春夏秋冬それぞれに6つの節気があり、四季の始まりから終わりまでを細かく分けることで農作物などの育成に役立てていたようです。
冬の二十四節気
ここからは、大寒を含む冬の二十四節気とそれぞれの時期を紹介します。興味のある人はぜひ他の季節についても調べてみてくださいね。
立冬(りっとう)
11月7日頃に訪れるのが冬の始まりを告げる「立冬」です。空気がだんだん冷たくなり、冬の到来を感じる時期といえます。
小雪(しょうせつ)
11月22日頃に訪れるのが「小雪」です。山の上の方で雪が降り始める時期とされています。また、このあたりから北風が強くなってくるでしょう。
大雪(たいせつ)
12月7日頃に訪れるのが「大雪」。雪が盛んに降り出し、平地でも積もることが多くなる時期といわれています。
冬至(とうじ)
「冬至」はなじみがある方も多いのではないでしょうか?
例年12月21日頃に訪れ、1年で最も太陽の位置が低くなる日といわれています。また、北半球では最も夜が長く、昼が最も短いとされる時期です。
小寒(しょうかん)
1月5日頃に訪れるのが、寒の入りともいわれる「小寒」。寒さが厳しくなり始める時期です。
大寒(だいかん)
1月21日頃に訪れるのが「大寒」です。1年で最も寒さが厳しい時期といわれています
大寒の行事
大寒の時期にはどのようなことが行われるのでしょうか。
ここからは、小寒から大寒が終わるまでの「寒の内」「寒中」と呼ばれる時期の代表的な行事を見ていきましょう。
(1)寒中水泳
寒中水泳は、厳しい寒さの中で水に漬かることで心身共に鍛錬し、水泳技術を示すことを目的として行われます。寒中の時期に行う行事として代表的なものです。
ただし、挑戦する際には準備運動や体調管理が重要になってくるので、事前にきちんと注意事項を確認するようにしましょう。
また、泳ぐだけでなく、滝に打たれる、水を浴びるなどの心身を清めるための修行も含まれます。
(2)寒稽古
「寒稽古」は、剣道などの武道で寒中の時期に稽古をすることを指します。
主に早朝に行われることが多く、技術向上に加え、精神の鍛錬を目的としているようです。この時期に始めた習い事は上達しやすいという考えもあるのだとか。
また、武道だけでなく三味線などの芸事で寒中に稽古をする「寒復習(かんざらい)」と呼ばれるものもあります。
(3)寒中見舞い
小寒から大寒の時期にかけて出すのが「寒中見舞い」です。暑中見舞いと同じく、季節の便りのようなもの。年賀状の返信として使われることもあります。
大寒にまつわる食べ物
次に、大寒にまつわる食べ物を紹介します。
(1)寒の水
寒の時期にくむ水のことを「寒の水」といい、昔から神秘的な力があると信じられてきました。
清らかな水であるとされ、薬を飲むのに使ったり、料理やお酒などに使用したりすることもあるようです。
(2)寒仕込みの発酵食品
酒やしょうゆ、みそなどの発酵食品を寒の水で作るとおいしくなるといわれています。特に冬場は発酵がゆっくりと進むことで、味に深みが増すのだとか。
また、寒仕込みの発酵食品は、神秘的な力があるとされる寒の水で作られていることもあり、縁起がいいといわれることもあるようです。
(3)大寒卵
大寒の時期に産まれた卵を「大寒卵」といいます。栄養価が高いと考えられており、これを食べることで健康に過ごせるという言い伝えもあるようです。
大寒の時期に咲く草花
ここからは、大寒の厳しい寒さの中で咲く草花を紹介します。
(1)金盞花(キンセンカ)
2~5月あたりに咲く花がキンセンカです。
南ヨーロッパや地中海沿岸が原産地で、日本では花びらが金の盃(さかずき)のように見えることから「金盞花(キンセンカ)」と名付けられました。
花言葉は、「慈愛」「静かな思い」です。
(2)柊(ヒイラギ)
柊は寒い時期に白く小さな花を咲かせます。花よりも、とげのある葉の方が有名かもしれません。
柊の葉は魔よけの力があると信じられてきました。そのため、防犯用の庭木としても人気があるのだとか。
花言葉は、「先見の明」「用心深さ」です。
(3)満作(マンサク)
満作は日本固有の花で、黄色いリボンのような変わった花を咲かせます。
まだ寒い時期に他の花よりも先に「まず咲く」ということから「満作」と名付けられたという説があります。他にも、枝いっぱいに花が咲くことから「豊年満作」を連想させたという説も。
花言葉は、「霊感」「ひらめき」です。
大寒は1年で最も寒い時期
大寒は寒さが厳しい時期であり、二十四節気の最後の節気でもあります。大寒が終われば立春となり、春が訪れ、また1年が始まります。
年の最後の締めくくりとして、行事や大寒の食べ物で心身共に向上させてみてはいかがでしょうか。
(丸山りさ)
※画像はイメージです。
※この記事は2023年11月30日に公開されたものです