「ファンタジーラブ史劇」がおもしろいから。【なぜ日本の女子は”韓ドラ”にハマるのか #3】
今日はどんな気分になりたいですか? なりたい気分にぴったりな韓国ドラマをオススメする、コンシェルジュの石川です。「なぜ日本の女子は"韓ドラ"にハマるのか」の答えを探して、毎回さまざまな切り口で、多彩な作品とともに考えていきます。 韓国ドラマにハマる理由、それは、今の日本にはほとんどないジャンルのドラマが多く存在するからではないでしょうか。 そのジャンルとは、「ファンタジーラブ史劇」です。
「ファンタジーラブ史劇」とは?
「ファンタジーロマンス時代劇」などと言うことも。韓国ドラマではさらにそこから、「タイムスリップ系」や「アクション・ゾンビCG系」などにも分けられます。物語の舞台は現代ではなく数百年前。史劇自体は、史実になぞった物語のことですが、そこにファンタジー要素が加わると、架空の時代や人物、出来事が設定されるのです。
俳優陣の演技と脚本のおもしろさで、物語へ自然と入り込めます。さらに、リアルと特殊な撮影技術を駆使した壮大なスケールの世界に、夢中になってしまいます。時代劇が苦手な人、見たことがない人にとっても、おすすめできる作品がいっぱいです。今回は、「アクション・ゾンビCG系」の作品にフォーカスしてご紹介!
韓国ドラマ史に深く刻まれた名作「還魂」
2022年にNetflix日本独占配信された中で、最推しの作品です!スタジオドラゴン制作、脚本は「ホテルデルーナ」や「美男<イケメン>ですね」などを手掛けた、大ヒットメーカーのホン姉妹(ホン・ジョンウン/ホン・ミラン)。
個性的な登場人物それぞれに意味や役割があって、あれこれと考察をしたくなる。そして、綿密で没入できるストーリー展開。殺陣のシーンもかっこよく、各話の合間にほっこりエピソードも挟んでくるところも安定の韓国ドラマ。パート1は全20話。パート2は全10話で、2023年1月に完結したばかりの話題作です。
韓国ドラマ「還魂」(パート1)のざっくりあらすじ
歴史や地図には存在しない架空のテホ国が舞台。その昔、魂を入れ替えられる‘還魂術’は危険な呪術として禁じられました。それから20年後、‘還魂術’で入れ替わった‘還魂人’が暴走する事件が起き、術士たちはその術を使った者を捜します。水の気を操る術士で天下一の刺客ナクスは、術士たちとの戦いの中で窮地に陥りますが、偶然居合わせた盲目の女性「ムドク」に自分の魂を入れたのでした。
時を同じくして、何人もの師匠に教わっても術を習得できないチャン家のウク(イ・ジェウク)と、ムドク(チョン・ソミン)が出会い、運命が進み始めます。
時代劇初心者でも夢中になるポイント満載
〇四大術士の家系の子息令嬢のビジュアルや関係性に注目するともっと楽しめる!
美しい名家の子息令嬢を四季になぞらえて、劇中では次のように紹介されています。
春の生気のようなチン家の令嬢、チン・チョヨン(アリン/アイドルグループOH MY GIRLのメンバー)。
夏の活気あふれるパク家の後継者、パク・ダング(ユ・インス/「今、私たちの学校は…」)。
黄金の秋のように高潔なソ家の天才、ソ・ユル(ファン・ミンヒョン/「恋はオン・エアー中! ~Live on~」)。
冬の雪のようにまぶしく輝くチャン家、チャン・ウク(イ・ジェウク/「偶然見つけたハル」)。
このドラマの面白いところは、時代劇の固定概念にとらわれていない点です。試しにティザーや1話を観てみてください。
過去に、架空の国や時代を舞台にしているドラマは多くありました。しかし「還魂」は、メインキャストたちの髪型や装飾、メイクにおいても現代的な部分が多く、今までの時代劇とは一線を画しているのが分かっていただけるはず。それぞれの恋模様やブロマンス(男同士の友情)も涙と笑いが満載。このドラマは、本当に注目するところが多くて目が離せません。
パート2へと続く、壮大な愛と死闘の物語
父に塞がれた気門を開くため、ムドクを師として修業を始めるチャン・ウク。互いの利害関係が一致してスタートした師弟関係は、少しずつ変化していきます。数々の謎が明かされるにつれ、その関係はどうなっていくのか。他の子息令嬢にもいろいろなことが起きて、涙なしでは見られません。
個人的には、ソ・ユルの高貴ではかないイケメンぶりに、終始ハートを掴まれっぱなしでした。コ・ウォン(世子)役をシン・スンホ(「十八の瞬間」「D.P. -脱走兵追跡官-」)が演じていて、いい人?悪い人?なのか、分からない感じも気になります。
エピソードが進むにつれ、張り巡らされていた伏線をどんどん回収し始めるので、集中して見ましょう!
韓国ドラマには悪役が付き物ですよね。策士でとことん悪役のチン・ムを演じているのは、チョ・ジェユン(「太陽の末裔」等)。
今回もなかなかの悪人です(笑)。四大術士の家系の関係性を逆手に取りながら、自分の野望を達成しようとみんなを引っかきまわします!
一度見始めたら止まらなくなるので、イッキ見する際はご注意ください(笑)。
これもチェックリストに!コンシェルジュおすすめ「ファンタジーラブ史劇」
〇現実と非現実のバランスが絶妙な『太陽を抱く月』
韓国で最高視聴率46.1%を記録、100万部超えのベストセラー小説をドラマ化した作品。朝鮮王朝の架空の時代が舞台で、主人公たちの運命を左右する出来事が次々と起こります。日食や月の満ち欠けなど、太陽と月が織りなすミステリアスなファンタジーストーリーです。
様々な陰謀と生まれながらの運命に翻弄されるイ・フォンたち。視聴者は、困難が仕組まれていると分かっているから、なおさら涙とティッシュなしでは見ていられません。
王のイ・フォンをキム・スヒョン、異母兄弟の王子ヤンミョングンをチョン・イルが演じています。二人が思いを寄せるホ・ヨヌ/ウォルは、ハン・ガインが感情豊かに演じていて見ごたえあり。
メインキャストの少年・少女期を演じた俳優も豪華!今ではすっかり実力派俳優のヨ・ジング(「ホテルデルーナ」)やキム・ユジョン(「20世紀のキミ」)、チン・ジヒ(「ペントハウス」)、イム・シワン(「ミセン -未生-」)が出演。みんなこの頃から演技が素晴らしかったのですね!
もう3回は見ているのに夢中になれるストーリーで、韓国ドラマ史的にも個人的にも名作です!
ファンタジーな現象は、現代でも起こりうる出来事も取り入れています。本当に雪が降ったのだとわかる雪景色や、セリフを話すと見える白い息。外ロケのリアルさも感じ取れるドラマではないでしょうか。
〇ファンタジー要素が全部詰まった『夜警日誌』
幼い頃に王宮から追い出された大君、イ・リンをチョン・イル(『太陽を抱く月』)が演じています。演技ドルとしても不動の人気のユンホ(東方神起)は、クールな夜警隊の隊長カン・ムソクを熱演。架空の朝鮮時代を舞台に、鬼神(幽霊)を退治する、夜警隊の活躍を描いた物語です。
韓国での放送当時、初回から最終話まで、全話連続で同時間帯視聴率1位だったというドラマ。2014年の作品ですが、舞台設定やストーリー展開などの要素が全部詰まった、ファンタジー時代劇のお手本のような作品。今でも変わらず楽しめます。
いかがでしたか?実は、昨年の秋に行われた『KCON2022 JAPAN Day3』に参戦しました。
なんとプレショーでは、観客に事前告知なしの完全サプライズで、ペ・スジ主演のドラマ撮影が数分間行われました。2023年放送予定のNetflixオリジナルドラマ『イ・ドゥナ!』だそうです。日本での配信を期待しています!
さらにはコラボステージとして、ジョンホ(ATEEZ)とチョ・ユリが、大ヒットドラマ『愛の不時着』OSTのカバーデュエットを披露。
司会を3日間務めたファン・ミンヒョンも、自身が出演するドラマ『還魂』(ソ・ユル役)のOSTを歌い、観客を魅了していました。K-POPと韓国ドラマは、やっぱり切っても切り離せませんね。次回もお楽しみに!
※2023年1月時点の情報です
※この記事は2023年01月19日に公開されたものです