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女子旅に最高! 焼き物の街「愛知・常滑」がおしゃれすぎ&猫いっぱいだった

マイナビウーマン編集部

「名古屋って観光するならどこがおすすめ?」

都内在住・名古屋出身の私が今まで何度も聞かれたこの質問。そのたびに「そうだな~。やっぱり名古屋城じゃない?」なんてありきたりな答えをしてきました。でもさすがに定番すぎる。何かいいところはないものか……と名古屋の街を思い出していて、ふと気づいたんです。

愛知県以外の人が言う「名古屋」って、もしかして愛知県全体のことを指しているんじゃないか? すごくお恥ずかしいんですが、名古屋市出身としてのバイアスがかかっていることに、やっと気がついたんです……。

そうなれば、選択肢は広がります。愛知県には山も海もあるし、歴史スポットや名産品もたくさんある。そうだ、女子旅だったら焼き物の街なんてどうだろう? そういえば私、ずっと気になってるところがあったんだよな……。そう思い立った私は、帰省のついでに、焼き物の街・常滑(とこなめ)に行ってみることにしました。

猫まみれの街に潜入!

愛知県常滑市は、知多半島に位置する海沿いの街で、「常滑焼(とこなめやき)」という焼き物が名産です。有名どころだと、東京駅の丸の内駅舎の赤レンガ(実際はタイル)は、常滑焼が使われているんだそう。

名鉄名古屋駅からは約30分、中部国際空港からは約5分で常滑駅に到着するので、遠方からアクセスしやすいのも魅力です。

初めての常滑駅。改札を抜けて駅のロータリーを見渡すと、道の向こうに何やらたくさんの像? が。

たくさんの猫ちゃん! それも全て招き猫……?

常滑市は、招き猫の国内最大級の生産地なんだとか。しかもここだけでは終わりません。さらに進んで行くと、「とこなめ招き猫通り」が現れました。

道路沿いのコンクリート壁に見えたのは、「御利益陶製招き猫」。その数なんと39体!! 常滑市にゆかりのある39人の陶芸作家さんが、それぞれの猫にご利益を込めて一体ずつ手がけたんだとか。

アラサー女子のみなさんにおすすめなのは「縁結び」や「美人祈願」、あと「平安」なんていかがでしょう。

ルート通りに歩けばOK! 「やきもの散歩道」とは

猫ちゃんたちを全て見終えると、今日の出発地点「常滑市陶磁器会館」に到着しました。

ここから始まるのは、常滑の観光スポットを効率よく回ることができる「やきもの散歩道」。1.6km のAコースと4kmのBコースがありますが、今回は無理せずAコースで回りましょう。Aコースでは、レンガ造りの煙突や窯の他、フォトスポットやカフェなどを見て回ることができます。

スタート地点でかわいい子を発見。ポストの上に乗っていた郵便屋さんです!

ちなみに、やきもの散歩道にはポイントごとに看板が出ているので、迷うことなく進めます。とはいえ、寄り道はつきもの。早速「とこにゃんへ寄り道」という文字が見えたので行ってみましょう。

うわ~っ! これは思ってたより大きいですよ!!

この子は見守り猫「とこにゃん」。高さ3.8m、幅6.3mもあり、壁の上からひょっこりと顔をのぞかせています。

ちなみに、とこにゃんを見上げているこの子達が普通の猫サイズ。とこにゃんの大きさがお分かりいただけたでしょうか……。

とこにゃんの大きさに驚いたところで、やきもの散歩道に復帰。寄り道しても案内板が正規ルートに戻してくれます。

やきもの散歩道はその名の通り、道の至るところに焼き物が使われています。抜け道のような細い道を通って探検気分を味わったり、途中でギャラリーやカフェに寄り道したりしながら進んで行くのがおすすめです。

ルートの中盤で現れるのが、やきもの散歩道を代表する風景の1つ「土管坂(どかんざか)」。左側は明治時代の土管、右側は昭和初期の焼酎瓶だそう。坂道には「ケサワ」と呼ばれる土管の焼成時に使われた廃材を敷き詰め、滑らず歩きやすいように工夫されています。

作り手によるものなのか、それぞれ異なる文字が書かれていたり判が押されていたりするので、ぜひ近くでじっくり見てみてください。

ルートをさらに進むと見えてくるのが、「登窯(のぼりがま)」。1887年(明治20年)頃に築かれたこの窯は1974年(昭和49年)まで使用され、日本で現存する登窯としては最大級だそう。

こだわりのカレー&スイーツが楽しめるお店を発見!

やきもの散歩道を散策していたら、すっかりランチタイムに。古民家や工場を改装したカフェが立ち並ぶやきもの散歩道の中から、今回は「MADOYAMA(マドヤマ)」さんにお邪魔しました。

土管工場として使われていた建物をリノベーションしたというMADOYAMAさんは、1階は雑貨の販売、2階はカフェとして営業しています。

1階の雑貨スぺースには、常滑焼を中心に「日々の暮らしをすてきにするお手伝いがしたい」という思いからセレクトされた服飾雑貨やキッチン雑貨などが並びます。

陶磁器はもちろん洋服をはじめとするファッション雑貨など、作家さんやメーカーのこだわりが光るアイテムがそろっていたので、しばし時間を忘れて見入ってしまいました。

雑貨スペースだけでも十分満足なのですが、そろそろお腹が空いてきたので2階へ。階段をのぼると、改装前の木のぬくもりが残ったカフェスペースが広がります。

実は階段をのぼっている時から、ずっとカレーのいいにおいがしていたんです!! MADOYAMAさんのランチは、野菜いっぱいの「VEGETABLE CURRY」にやわらかチキンレッグの乗った「MEAT CURRY」、「BUTTER CHICKEN CURRY」や「TANDOORI CHICKEN PLATE」など、カレーを中心としたメニューがそろっています。

今回は看板メニュー「VEGETABLE CURRY」(Rice:1,580円、Bread:1,680円)をいただきます!

「VEGETABLE CURRY」 Rice:1,580円、Bread:1,680円

その名の通り、野菜がたくさん乗っています。セットでついてくるサラダもボリュームたっぷり。器は常滑の作家さんに依頼して作ってもらった常滑焼だそう。

口に運ぶと、カレーのスパイシーな香りに野菜や豚ひき肉の甘味が広がります。ひき肉以外につぶつぶしたものが入っているなと思ったら、香味野菜をみじん切りにしたものを炒めているのだとか。トマトをたくさん入れることで、酸味を立たせているそうです。

トッピングの野菜は調理方法が蒸し・焼き・揚げと異なるので、食感に違いが出て食べ進めるのが楽しかったです!

また、MADOYAMAさんは食事だけでなくカフェ利用もOK。オープン当初から人気の「黒糖のチーズケーキ」(500円)は、黒糖の香りとチーズのコクがマッチして、甘さ控えめでとてもおいしかったです。

「黒糖のチーズケーキ」(500円)、セットドリンク(400円)

その他にも豆腐のティラミスや季節のパフェ、本日のケーキに自家製パンナコッタ、ワッフルにフレンチトーストと、スイーツの種類が豊富なのも嬉しいですね。

ランチのあとはデザートセット(580円)でスイーツとドリンクをお得に注文できるので、常滑観光の休憩にいかがでしょうか。

MADOYAMA

愛知県常滑市栄町3-111

Instagram:https://www.instagram.com/madoyamaniino/
TEL:0569-34-9980(電話のみ予約可能)

ここでしか買えないおしゃれな常滑焼

お腹も心もいっぱいになったところで、次の目的地へ。実は私、ずっと陶芸をやってみたいと思っていたんです。せっかく焼き物の街に来たんだから、これはチャンス! と思い予約したのが「TOKONAME STORE」さん。

見た目は大きな倉庫なのですが、中に入ってびっくり。真っ白な小屋が3棟、現れます。

1つは、自社ブランドの器を販売する小屋。もう1つは、陶芸体験を行うワークショップのための小屋です。

真ん中にちょこんと見える小屋は、コーヒーを片手にゆっくり過ごせるキッチンスタンド。空気圧によってコーヒーを抽出するエアロプレスで淹れたコーヒーが楽しめます。

とてもきれいでおしゃれなTOKONAME STOREさんですが、お店を運営する山源陶苑さんは1967年に創業。主に食品の保存に使う「甕(かめ)」を創業当時から製造しており、現在では常滑焼で最後の甕を作る窯元となっているそうです。

そんな山源陶苑さんが「伝統を更新する」をコンセプトに、長年培ってきた技術や素材を編み直して現代の常滑焼を表現したブランド「TOKONAME」の直営店として誕生したのがTOKONAME STORE。店内には、現代の部屋や食事にもマッチするアイテムが並びます。

色とりどりのお皿は、常滑ならではのキメの細かい土で作られており、使いこむほどにツヤが増す経年変化を楽しむことができます。

こちらの商品は、釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラスのコーティングがされています。釉薬は仕入れたものを使う窯元が多いそうですが、山源陶苑さんは釉薬を製造しているため、全てオリジナルカラーなんだとか。

伝統的な甕の他、現代でも取り入れやすい色味やサイズも展開。用途によって大きさや素材を選ぶことができます。ころんとかわいい見た目に、筆者も小さいサイズの甕を購入しました。

アラサー女子、初めての陶芸体験

それではついに、お目当ての陶芸体験へ。TOKONAME STOREの陶芸体験は、板状に薄く伸ばした粘土を型にかぶせて成形する「たたら成形」という技法で行うため、まずは型選びからスタート。

プレートとして使えそうな平皿やお茶碗にできそうな小さめのボウル、カレーやパスタによさそうな楕円状のお皿など、さまざまな型が並んでいます。

釉薬のカラーは白・桃・黄・緑・蒼・紺・飴色の7種類。どの色もかわいくて迷ってしまいます!

私は使い勝手の良さそうな平皿をチョイス。というのは建前で、不器用なのでシンプルなものにしました……!

陶芸体験に必要なものは全てお店で用意してくださっているので、手ぶらでOKです。

まずは先生が作り方をレクチャー。目の前で作業しながら進めてくれるので、初心者でもイメージしやすく助かります。

成形したら、スタンプやローラーで飾り付け。棒状にのばした粘土を取っ手として付けることもできます。

アルファベットや動物、模様のスタンプの他、クッキー型を活用して飾り付けしていきます。常滑らしい招き猫のスタンプもありますよ。

先生のレクチャーが終わり、早速自分でも挑戦。型にはめて余分な粘土を切るまで終わったのがこちら。

「いい感じです! きれい!」と褒めてくれる先生。ありがとうございます、これも全ての工程で手伝ってくれた先生のおかげです(笑)! 作業中も先生が順番に確認してくれるので、安心して進められます。

ちなみに、間違えた時も修正が可能。筆者は勢いよくスタンプを押して埋め込み過ぎてしまったため、先生にきれいに修正していただきました。

シンプルな平皿なので、裏面だけ少しスタンプを押しました。デザインセンスが皆無なので、実用性重視で……!

最後にひっくり返して完成です! ヒダがきれいに出てますね~!

フチに切った時のくずが残ってますが、このあたりは後ほど先生が修正してくれるとのこと。何から何までありがとうございます……!

色をつけて焼いてもらい、1カ月半ほどでお家に配送してくれるそう。出来上がりが楽しみです!

ちなみに、この陶芸体験で作った器は電子レンジ・食洗器・オーブンでの使用が全てOK。せっかく自分で作ったお皿ですから、たくさん使いたいと思います!

TOKONAME STORE

愛知県常滑市原松町6-70-2

公式HP:https:/www./tokonamestore.com

こだわりが光る常滑の魅力

一日かけてゆったりと常滑を散策した筆者。今回の観光で、常滑焼に対する作り手の熱意や、工夫が詰まったカフェの食事など、常滑の人々の“こだわり”を知ることができました。

愛知県出身にも関わらず、初めて訪れた常滑。たくさんの魅力を知り、なぜもっと早く来なかったんだろうとめちゃくちゃ後悔しました……! きっと私が知らないだけで、愛知県には魅力のある街が他にもたくさんあるはず。地元を離れて10年以上が経ちましたが、もっと愛知県を知りたいと思えた旅になりました。

県外の方からすると「愛知=名古屋」というイメージが強いかもしれませんが、今回の常滑のように、まだまだ知られていない名古屋市以外の観光スポットがたくさんあるはずです。みなさんもぜひ名古屋から少し足をのばして、愛知県内を観光してみてはいかがでしょうか。

(取材・文:松岡紘子/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2022年11月26日に公開されたものです

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