大人の癒やし旅。夏の京都でアラサー女子が特別な“涼”を体験
ああ、まただ。頭が痛い。はちゃめちゃに痛い……。
私にとって頭痛は日常茶飯事。でも、今回は長い。これはまずい。
体からのSOSで、やっと疲れが溜まっていたことを自覚した私。よし、これはガス抜きが必要だ。こういう時は、とりあえず東京から離れよう!
そう思った私が選んだのは、なんと夏の京都。
字面で暑そう。そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
でも、JR東海のCMが2年半ぶりに復活して、あの小気味良いフレーズを聞いてしまったら、京都以外の行き先を考えられなくなってしまった私。早速、旅の支度を始めました。
“夏の京都”の魅力とは
「そうだ 京都、行こう」
誰もが聞いたことのあるキャッチコピーに誘われ、その通り思いつきで京都へ。なんだかちょっとわくわくしちゃいます。
JR東海では、2022年の夏に新しい“夏の京都”の魅力を発見してもらうべく、「京の涼さがし」をテーマに、京都ならではの涼を楽しめるイベントを実施しているそう。今回は、そんなJR東海のおすすめスポットを巡っていきたいと思います。
静けさを存分に楽しめる建仁寺
まず訪れたのは、CMの舞台にもなっていた建仁寺。鎌倉時代に栄西禅師によって開かれたこのお寺は、あの有名な『風神雷神図屏風』を所有しているそう(現在、本物は京都国立博物館に寄託しており、 建仁寺では高精細複製作品の屏風画が展示されています)。
建仁寺を知らなくても、風神雷神をご存じの方も多いのではないでしょうか?
お寺の中をさらに奥へと進むと、そこには「潮音庭(ちょうおんてい)」というお庭が。360°どの方向から見ても美しいとされるお庭です。
縁側は座ることができるので、思い思いのベストな角度を見つけたら、腰を落ち着けて心静かに眺めるのがおすすめ。
祇園四条駅から徒歩圏内にありながら、この静けさが味わえるのは、建仁寺ならでは。当日は雨女の私らしくあいにくの雨でしたが、雨音が静けさの中に響き渡り、中央に置かれた三尊石にしずくがしたたり落ちる様子が、とても優美でした。
また、風通しが良く木陰も多い堂内は、夏場でも心地良く拝観できそう。色鮮やかな青葉や苔がとてもきれいで、ずっと眺めていたいと感じる景色でした。
建仁寺にはこの他にも、「大雄苑(だいおうえん)」や「○△□乃庭」というお庭があります。
大雄苑は、水がしたたり落ちて川へと流れ、やがて海へと続いていく様子を表しているという大きな庭園。水の流れをイメージしながら、縁側で足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
○△□乃庭は、その名の通り、丸と三角、四角を表しています。どの部分が何を表すのか、ぜひ本物を見ていただきたいです。
さて、ここでひと息。栄西禅師が中国から持ち帰ったとされるお茶を源流とする、建仁寺産のお茶をいただきます。
目と耳で涼を感じたら、ひんやりスイーツで体の中も涼しくなりましょう。伊藤久右衛門で人気の抹茶パフェをアイスバーにした、見た目もかわいらしいスイーツです!
また、「京の涼さがし」キャンペーンでは、風神雷神図ミニ屏風づくり体験も実施中。通常は非公開とされている、織物で作られた「風神雷神図屏風」の目の前で体験ができる貴重な機会です。
お茶とスイーツでひと息ついたら、お次は「双龍図」へ。法堂の天井いっぱいに阿吽の口をした2匹の龍が描かれたこの作品は、建仁寺創建800年を記念して、1年10カ月の歳月を経て2002年4月に完成しました。
本当に圧巻のひと言!! この双龍図、思っている以上に大きいです。しかも今回は、寝転んで天井の龍を見上げることができる貸切特別体験をさせていただきました。
一般拝観では立ち入りできない所にリクライニングチェアと畳が置かれており、寝転んでOKとのこと。なんだか恐れ多いですが、寝転ばせていただきます。普段の拝観では見ることのできない、真下から眺める龍。これはとても贅沢です……!
「こま井亭」でとっておきの夜ご飯
建仁寺での特別体験を終えて次に向かったのは、鴨川沿いの「こま井亭」。看板をくぐって細い道を進む、隠れ家のような佇まいです。
創業100年以上という歴史を誇るこのお店では、お店の名物である京都すき焼きをいただきます。
割下を使わずに白ざらめと濃い口醤油のみで味付けする京都スタイルのすき焼き。お店の方に焼いていただき、ベストタイミングでいただきます。
ああ、めちゃめちゃ柔らかい……! そして甘い。ざらめの甘さによってお肉の脂の甘さが引き立ち、今までに食べた中で一番おいしいすき焼きでした!
ちなみに、この日は雨天のため叶いませんでしたが、こま井亭さんでは京都の夏の風物詩・川床でお料理をいただくこともできます。ぜひチェックしてみてください!
小学校をリノベしたホスピタリティ溢れるホテル
おいしい料理を食べてお腹もいっぱいになったところで、本日泊まるホテルへ。こま井亭さんから歩いて向かったのは、「THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC」。
このホテルは、京都の小学校としては初の鉄筋コンクリート造の校舎を有していた立誠(りっせい)小学校の跡地を一部保全・再生し、2020年にオープン。複合施設「立誠ガーデン ヒューリック京都」の中に位置しています。
複合施設の入り口には、校名の入った大きな表札と、学校の名残を感じる扉が。コーヒーショップなどの飲食店の他、図書館や多目的の貸ホールなど、さまざまな施設が入居しています。
エレベーターを上がって、8Fにあるホテルのフロントへ。シックなロビーラウンジは、朝から夜まで営業しているので、さまざまなシーンで利用できます。
また、このホテルには宿泊者限定のLounge & Patioを完備。広々とした空間でフリードリンクとスナックを楽しむことができます(有料メニューもあり)。
早めにチェックインして、本棚に用意された立誠図書館監修の図書でゆったり読書するのも良いかもしれません。
すっかり京都を楽しんでしまった私は、早速お部屋へ。今回はMain棟にあるEssential(ダブル)のお部屋を用意していただきました。
洗面所とお風呂が分かれているので、夜のバスタイムはゆったり、朝のメイクは広々空間で支度できそうです。
お風呂は足を伸ばしてくつろげる広さ。イスと風呂桶もあるので、おうちのお風呂と同じように入浴できます。
一番感動したのは、豊富なアメニティ! 歯ブラシにカミソリ、ブラシといった定番品の他、バスソルトやヘアバンドも用意されていました。
さらにすごかったのが、コンパクトタイプの「ハンド&ボディクリーム」が完備されていたこと!! ボディクリームっていつも家では塗ってるけど、旅行の時はかさばるから諦めがちなんですよね。めちゃめちゃありがたかったです。
また、このホテルではシャンプーやコンディショナー、ソープ、そして先ほどのハンド&ボディクリームなど、全て紅茶の香りで統一しているようです。同じ香りに包まれながら寝るのって、リラックスタイムには意外と大事だったりしますよね。
ナイトウェアは、上下セパレートタイプ。ワンピースだとお腹が冷えがちな私にとって、これは一番の気づかいでした。そして肌ざわりも柔らかくて最高。ゆったりサイズなので、リラックスして眠ることができました。
ネスプレッソマシンやミネラルウォーター、紅茶に日本茶など、室内でいただくドリンクも豊富にそろっています。
また、地味に嬉しかったのが、このUSBケーブル。Lightningポートなど3種類のコネクタがつながっているので、iPhoneユーザーはもちろん、ポータブル充電器の本体充電にも重宝しそうです。
さて、明日に向けて充電もばっちり、大きなお風呂に入ってほかほか気分になった私は、いつのまにか眠りについていました。
そして翌朝。いつもは午前中ゆっくり寝ていたい派ですが、旅行の時は別。早めに起きて、朝食を食べに行きました。
朝食は和食膳とエッグベネディクト、フレンチトーストから選べます。和食膳は1日30食限定とのこと。「早起きは三文の徳」という言葉が胸にしみます。
生麩田楽や湯葉、西京みそにわさび漬けなど、京都らしい16皿の小鉢は、どれから食べようか迷って仕方ありません。ご飯は京都産のお米を使っており、おかゆに変更可能です。
最後にほうじ茶を飲んでほっと一息。全てにおいてリラックスできる空間を用意してくれるホテルでした。
THE GATE HOTEL 京都高瀬川 by HULIC
〒604-8023 京都府京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2
ひんやり空気に包まれた貴船神社で身も心も涼やかに
早起きを有効活用するべく、今日はちょっと足を伸ばして、出町柳駅から叡山電車に乗ります。まず乗ったのは、観光列車「ひえい」。ふかふかのシートに座って、宝ヶ池駅へ。
宝ヶ池駅では、展望列車「きらら」に乗り換えました。天井まで続く大きなガラス窓からは、木々の間を通り、山へと分け入っていく様子が見えます。
しばらくすると、今日の目的地、貴船神社のある貴船口駅へ到着しました。貴船神社は「きふね」と発音しますが、それ以外は「きぶね」と濁ります。水の神様を祭る貴船神社の読み方は、水と同じく濁ることは好ましくないという考えから「きふね」と発音するんだそう。
駅へ降り立つと、そこは緑いっぱいの山の中。昨日までの雨も止み、明るい太陽の光に新緑の青もみじが映えます。
そこからさらにバスに乗り、ついに貴船神社に到着。表参道の鳥居が神秘的な雰囲気を醸し出しています。
「これぞ貴船神社」という景色に遭遇。京都市内ではありますが、京都駅周辺の気温と比べると、ひんやりとして温度が下がった感じがします。
ここ貴船神社では、JR東海のキャンペーンの一環として、風車や風鈴を用いた「風の涼」を演出しています。
風鈴や風車と一緒に飾られているのは、「そよそよ」「ちりん」「くるくる」といった、涼しげなオノマトペ。風を可視化して、風の音を目と耳で感じられるようデザインされたそう。
参道のすぐそばを流れる貴船川のせせらぎに耳を傾けながらオノマトペを見ると、目と耳でリラックス効果を感じることができました。
そして、水の神様を祀る古社・貴船神社の正式参拝を体験。実は今年、前厄の筆者。合わせた手にも力が入ります。
厳粛な参拝のあとは、「水占みくじ」にチャレンジ。
本宮の前の石垣から溢れている、貴船山の湧き水。その泉に白紙の水占みくじを浮かべると、次第に文字が浮かんできました。
なになに、「旅行 雨降れど吉」。……いやぁ、もうね。神様はお見通しって本当にその通りですよ。いつも旅行はほぼ雨が降る私。今回もいつも通り雨が降ったわけですが、この言葉で救われました。神様、ありがとうございます。
さて、身も心も清らかになったところで、お昼ご飯に行きましょう。お邪魔したのは、京都・貴船「ひろや」さん。
鴨川と並んで川床が楽しめる貴船川に位置するひろやさんでは、なんと川の真上で食事をすることができます。
夏野菜や鱧といった旬の食材の他、鮎の塩焼きなど、川床料理ならではの料理が並びます。味付けや飾り付け、接客に至るまで、全てにおいて細やかな気づかいの見えるお店でした。
いつの間にか治まった頭痛
あっという間の旅が終わり、私は新幹線で東京へ戻りました。そして帰りの車内で思い出したのは、あんなに悩んでいた頭痛のこと。
そういえば私、出かける時は頭痛に苦しんでたんだっけ。どこで痛みが和らいだのかも思い出せないな……。どうやら筆者、それほどまでに京都という空間に浸り、存分に癒やされたようです。
夏の京都と言えば“暑い”というイメージしかなかったけど、建仁寺の木陰や貴船神社の風鈴、川床など、暑い中にひっそりと佇む“涼”が、京都にはたくさん散りばめられていました。
鮮やかな緑が美しい青もみじや、新緑の木々が生き生きとしている夏の京都。ぜひみなさんも足を運んでみてはいかがでしょうか。
キャンペーン概要
JR東海「京の涼さがし」
期間:2022年6月25日(土)~2022年9月30日(金)
URL:https://souda-kyoto.jp/other/ryosagashi/
(取材・文:松岡紘子/マイナビウーマン編集部)
※この記事は2022年08月05日に公開されたものです