レシピでよく見かける「調理酒」を使うメリットは? 役割や使い方をプロに聞いてみた
新生活シーズンが始まり、これを機に自炊を始めたという人もいるのではないでしょうか?
レシピサイトなどをみていると、時折登場する“調理酒”という文字。
材料に書いてあるからなんとなく使ってはいるものの、どんな役割があるのか知って使っている人は意外に少ないかもしれません。
そこで、今回は料理酒の基本や便利な使い方などを「日の出」ブランドで知られる「キング醸造」に聞いてみました。
料理酒の役割とは?
何気なく使っている料理酒ですが、「お酒で何か変わるの?」と思っている人も少なくないはず。
料理酒とは、米、米こうじ、食塩などを原料とした、料理に特化した醸造調味料で、清酒よりも原料であるお米の表層を削らないため、有機酸やアミノ酸を多く含んでいます。
この有機酸やアミノ酸は、料理にうまみやコクを付ける働きがあるため、料理酒は料理に向いているのです。
また、食塩が入っているかどうかも清酒と料理酒の大きな違いとなっています。
食塩が加わっていない料理酒はお酒として扱われないため、酒税がかからず清酒よりもお手頃に買えるというもの特徴です。
そんな料理酒には、次のような役割があります。
・肉や魚の臭みを消す
・うまみやコクを付ける
・味をしみこみやすくする
・食材を柔らかくする
・焼き色をつける
料理酒に含まれるアルコールは、臭みと一緒に蒸発するマスキング効果や、有機酸やアミノ酸を食材に染み込ませ、柔らかくしたり、料理酒の後に入れる調味料を染み込みやすくします。
そのため、料理酒を使うタイミングは調味料を入れる前になります。
さらに、有機酸やアミノ酸によって、食材にうまみがついたり、糖とアミノ酸が反応して焼き色と香ばしい風味をつける役割も果たしているのです。
味を調える助けをしてくれる料理酒は、たくさん使っても料理の味をあまり崩さないので、目分量でも問題なく料理初心者にも安心して使うことができます。
そこで、料理初心者や料理の味付けに悩んでいる人にオススメの鉄板調味料の黄金比を教えてもらいました。
毎日の料理に使える鉄板調味料の黄金比率
オススメの鉄板調味料で使うのは料理酒、みりん、醤油、だしの4種類のみ。
比率さえ覚えておけば、自宅にある調味料で簡単に作ることができます。
・てりやきの黄金比【料理酒:みりん:醤油=1:1:1】
・丼もの、つゆの黄金比【料理酒:みりん:醤油:だし=1:1:1:4】
・おでん、鍋つゆの黄金比【料理酒:みりん:醤油:だし=1:1:1:10】
・煮魚の黄金比【料理酒:みりん:醤油:水=1:1:1:5】
鉄板調味料を活用して食材を変えればアレンジもでき、料理の幅が広がりそうです。
そのほかにも、料理酒の便利な使い方をレクチャーしてもらいました。
料理酒の便利な活用術4選
・フライ料理
食材の下味をつけるために料理酒を使っているという人もいると思いますが、卵液を作るタイミングで料理酒を入れることで、衣をサクッと揚げることができます。
・焼きそば
麵をほぐす時に、水ではなく料理酒を麺に絡めることで、ベチャっとするのを防ぎます。
さらに、麺にしっかりと味が絡みやすくなるというメリットもあるそうです。
・あさりの酒蒸し
食塩が入っているので、使うのは料理酒のみ。
あさりに料理酒をかけ、ラップをふんわりとかけたらレンジに入れるだけで、あさりの酒蒸しが完成します。
・野菜炒め
野菜を炒めているときに料理酒を入れることで、シャキッとした歯応えと、旨みを加えることができます。
料理酒の役割を知っているだけで、今まで以上に料理を楽しむことができそう。
普段の料理ではもちろんですが、これから暖かくなるのでバーベキューやキャンプに料理酒を持って行けば、アウトドアならではの料理をアップデートできるのではないでしょうか?
明日からの料理に是非活かしてみては?
(吉川夏澄)
※この記事は2022年05月19日に公開されたものです