撮影:洞澤佐智子
取材・文:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部
生活を便利にしてくれる家電。コロナ禍により家で過ごす時間が増えたことで、家電を新調した人も多いのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、パナソニック株式会社の角田あかねさん。現在はパナソニックビューティの宣伝を担当している角田さんは、これまでかなりハードな職場でも働いてきたそう。転職を経て働き方が変わったという角田さんの「選択肢」について聞きました。
激務の中で仕事の面白さに出会った
本日はよろしくお願いいたします! 早速ですが、角田さんは現在パナソニックビューティの宣伝を担当されているんですよね。昨年の秋に宣伝担当になったそうで、それまではWEB周りを担当されていたとのことですが、これまでどのようなキャリアを歩んできたのですか?
パナソニックは2社目で、1社目は広告代理店のサポートをするようなITベンチャーでした。といっても大手企業の子会社だったので、取引先や親会社に出向することも。その時にサポートだけではなくお客様の問題のすぐ近くで解決策を考えることができて、「何のためにこの仕事をしているのか」という部分が分かるところに良さを感じていました。
取引先や親会社で働いている期間はものすごく忙しくはあったんですけど……エキサイティングではありましたね(笑)。
エキサイティング(笑)。たしかに広告業界ってとにかく忙しそうなイメージです。その中で角田さんは仕事の面白みを見つけられていたんですね。
「今やっていること」の目的をクリアにしたい
出向している期間は「生きてる!」って感じでした。でも、契約が終わって本社に戻った時に「もう少し問題に近いところで働いて、自分のやっている仕事の意味をもっと感じたい」「問題を抱えている中心で働いてみたい」と考えて転職を決めました。
なるほど。こういうことを聞くのもなんですが、転職活動をしている時はパナソニックが第一志望だったんですか?
いえ、「問題・課題の中心は事業会社にあり」だと思い、片っ端から事業会社さんを受けていました(笑)。面接などを受けていく中でお客様の近くでお客様の生活を豊かにするという課題を解決したいという想いが明確になり、パナソニックが第一志望になったという流れです。だから「電機メーカーに入りたいから」といった理由ではないんですよね。
事業で何を扱うかではなく、目的がクリアで何に貢献できるかを重視されているんですね。
そうですね。広告代理店のサポートをしていた時にお客さんに「なんか違う」と言われることがあり、それがすごいモヤモヤして…。そんな時に「解決すべきこと・貢献できることがうやむやで曖昧なのが自分は嫌なんだろうな」と気づいたので、そこをクリアにしやすい立場になろうと思いました。
転職を経て、落ち着いて働けるように変化
入社時はデジタル担当としてパナソニックビューティの商品サイトや公式SNSアカウントの運用をしていました。前職よりもお客様に近くなったので、お客様の視点を持ってアウトプットしようと心がけていました。
それは仕事内容よりも変化がありましたね。前職では忙しい時は就業時間ぎりぎりのぎりぎりまで仕事をして電車に飛び乗って……みたいなこともありました。今では会社のルールであまり残業しなくなりましたね。「まぁ、なんてホワイトなんだろう」と思いました(笑)。
前職での経験がすごすぎる……。転職の時は仕事内容だけではなく、働き方にも軸に置いていましたか?
そうですね。前職はベンチャー企業だったこともあって人の出入りが激しく、落ち着いて仕事ができなくて。転職するなら腰を据えて仕事ができる会社にしようと思っていました。ちなみに転職したことで初めて「定年退職お疲れさまでした!」を目にしました。
新しいことに挑戦するために異動を希望
これまで「商品を探しに来てくれたお客様に情報を提供する」といった受け身のコミュニケーションだったところから、お客様に自ら売り込んでいったり、お客様の気づいていない悩みを見つけたり、これからの美容トレンドをつくっていったりするような、アグレッシブな業務になりました。
今まで10年以上デジタル領域で仕事をしてきましたが、デジタル以外のマスを動かすのは初めての経験なので、毎日てんてこまいです。
これまでとは違う領域に挑戦しようと思ったのはなぜですか?
デジタルって奥が深いし、どんどんアップデートされるものなので極めるということは一切ないんですけど、デジタルしかやっていない会社からデジタル以外もできる会社にせっかく転職したので、「今やらなきゃもう新しいことに挑戦できないかも」と思って新しい知見を得るために自ら手を挙げました。
ただ、いきなりパナソニックビューティなんていうそんなに大きなブランドを手掛けることになるとは思っていませんでした。
新しいことに触れて毎日充実されているんですね。異動して驚いた事やギャップを感じたことなどはありましたか?
ビューティー商品に対する会社からの期待が思っている100倍200倍大きいと実感しました。パナソニックビューティっていわゆるパナソニックブランドの生活白物家電とは違って、会社の中でのブランドの立ち位置としては独立した存在なので、完全に新しい需要をつくったり、トレンド番付に入る大ヒットだったりを求められていますね。
「人のほしいを新しくつくる」こと、と言ったら良いでしょうか。これまでより「何をしたいか」「お客様に何を伝え、どう動かしたいか」が無いといけないのかもしれません。
コロナ禍でなかなか難しいところではあるのですが、もっとお客様と密になって、つくり手の熱い思いを伝えたいです。今は少しその距離が遠いなと感じているので、開発の人や技術の人の熱さを通して、パナソニックビューティ商品の良さを伝えられたらなと。
最後に、さまざまな経験を積まれている角田さんが働く上で大切にしていることを教えてください!
「今の仕事ってなんでやっているんだっけ?」の「なぜ」の部分を間違えないことですね。宣伝業務というと派手で耳障りのいい企画みたいなものもあると思うんですけど、そうじゃなくてお客様のために、お客様が商品も宣伝企画もいいねと思ってくれるような伝え方を前職から大切にしています。
逆に、大切にしたいと思っているけどできていないことは効率性です。プライベートも大事にするためにも必要だと思っているのですが、これまでの経験から長時間働ける体になってしまっているので……。スケジュールの中でいい物を生み出せるようになって、今後こういうことを聞かれた時に「効率性です!」と答えられるようになりたいです!
それでは少し時間が経ったらぜひまたお話を聞かせてください! 本日はすてきなお話をありがとうございました!
※この記事は2022年03月04日に公開されたものです