結婚は夢物語じゃない。LiLiCoが語る「幸せ」になるための条件
あこがれの人、がんばってる人、共感できる人。それと、ただ単純に好きだなって思える人。そんな誰かの決断が、自分の決断をあと押ししてくれることってある。20~30代のマイナビウーマン読者と同世代の編集部・ライターが「今話を聞いてみたい!」と思う人物に会って、その人の生き方を切り取るインタビュー連載。
取材・文:ameri
撮影:大嶋千尋
編集:鈴木美耶/マイナビウーマン編集部
30代目前。キャリアだけでなく、結婚や妊娠、出産など新たなライフステージへ進む友人や知人が増え、人生が大きく変動する人たちを目の当たりにする機会が増える。
そして、ふと考えてしまうことがある。結婚って本当に幸せなのだろうか? 私にとって結婚は必要なのだろうか?
そんな、人生の中でも大きなライフイベントである「結婚」に対する漠然とした疑問を、これから結婚をする“かもしれない”代表として、人生の先輩に話を聞いてみたくなった。
そして今回お話しを伺ったのは、タレント・映画コメンテーターとして活躍するLiLiCoさん。歌謡グループ・純烈のメンバーで俳優の小田井涼平さんと2017年に結婚し、約5年が経った彼女の結婚観を深掘りした。
結婚が夢物語になっている女性が多い
周りを見ると、「〇歳までに結婚したい」と婚活に力を入れる友人も増えてきた。でも、本当に結婚したら幸せになれるのだろうか。
そんな疑問をぶつけてみると「結婚という言葉と結婚したがる日本人女性が多すぎるんですよ」と、早速LiLiCo節が返ってきた。
「私の感覚ですが、日本人女性の多くが“結婚”という言葉に憧れているだけのように感じます。自分と向き合わずに、他人のことばかりを見て自分と比べて『自分だけ幸せじゃない』と思っている。
でもね、周りの人たちは、別に結婚したから幸せになっているわけではないんです。自分の人生を幸せにしようと頑張って生きているから幸せなんですよ」
そして、「日本人は大好きだけど、結婚観だけは理解できない」と続ける。
「結婚が夢物語になっているんですよね。『年収は1,000万円以上がいい』と条件をつけて結婚相手を探している人が多いけど、『じゃあ、あなたは1,000万円以上を稼ぐ男性に相応しい女性ですか?』と聞きたくなってしまいます。そこを自分で改めて考えた方がいい。それを考えることで、夢物語ではなく自分に合う“いいパートナー”に導かれていくはずなんです」
良い意味で“相手に期待しない”
では、結婚で得られる「幸せ」とは何なのだろう?
どんな時に結婚をして良かったと思うか聞くと、「帰りを待っている時」とかわいい答えが返ってきた。
「夫の帰りを待っている時はもちろん、ごはんを作っている時も楽しいですし、私たちは同業者同士なので『〇〇さんがよろしく言ってたよ』と知り合いに気にかけてもらっていることを伝えてくれた時も、繋がりを感じられてうれしいですね。
あとは、2020年に私が大きなケガをした時。転んで救急車で運ばれて即入院だったので、彼が荷物を持ってきてくれて。そういう物理的なことも結婚して良かったと感じるポイントではありますね」
LiLiCoさんが挙げる“結婚の幸せ”とは、日常に散りばめられている見逃してしまいそうな些細なものたちだった。
とはいえ、結婚生活は楽しいことだらけではないことも想像がつく。相手とぶつかることもあるだろう。だけど彼女は「全部やってあげればいいから、腹が立つことはない」と言う。
「今まで何十年も別の価値観や思考で生きてきているわけだから、もちろんぶつかることもあります。ただ、期待しないので、私。相手から何かしてくれると思っていないんです」
良い意味で“相手に期待しないこと”が結婚生活を送る上でのコツと語るLiLiCoさんが、今の結婚生活を幸せだと感じられるのは、LiLiCoさん自身が幸せな結婚生活を送るために努力しているからなのだと気づかされた。
結婚はゴールではない
そして、「離婚経験」についてもぶっちゃけて聞いてみた。
小田井さんとの結婚は、LiLiCoさんにとっては二度目の結婚。一度離婚を経験すると、結婚に対してマイナスなイメージがつきまとうのではないかと思ったからだ。
「それも結局、結婚という“言葉”に憧れているからそういった考え方になるんですよね。離婚したのは、結婚が悪いわけではなく、相手が悪かっただけ。相手と合わなかっただけです」
離婚するとなぜか、“結婚自体”をネガティブに捉えてしまいがちだ。だけど、結婚はあくまでも二人の関係の“形”であり、離婚の原因ではない。LiLiCoさんの言葉に、なんだかハッとさせられた。
そしてLiLiCoさんは、結婚は「自分を幸せにする手段のひとつ」だと語る。
「結婚して幸せですよ。でも、結婚する前も幸せでした。自分のやりたい仕事があって、そのために頑張って、また新しい夢ができて、その夢がかなったらまた幸せを感じて。
もちろん、彼がいてくれることで、守られているなと感じる瞬間もあります。だけどそれは、“幸せのひとつ”なだけだと思うんです。
あと、結婚は人にとやかく言われてするものではないです。私も、結婚をすすめているわけではありません。別に結婚が幸せを呼ぶとは思わないですし、もちろんゴールでもないですから。あなたが幸せでいられる方法は、あなたしか見つけられません」
LiLiCoさんの理想論ではない結婚観は、私にしっかりと刺さった。
「結婚は自分で自分を幸せにする選択肢のひとつであるだけ」。選択を見誤らず、他人に流されず、自分の幸せは自分で追い求めていきたい、そう思った。
※この記事は2022年01月28日に公開されたものです