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「自分のことが嫌い」な人の特徴。自分嫌いを克服するためにやるべきこと

笹氣健治(心理カウンセラー)

自分嫌いを克服するための5つの考え方

自分のことが嫌いだと、自分に自信が持てず、卑屈な態度になりがちで、前向きに行動しようと思えない……といったように、何も良いことがありません。

かと言って、自分のことを好きになるべきだ、と言うつもりもありません。

自分のことが嫌いだという考え方を少しだけ修正して、「こんな自分もいいかな」と気楽に思えるようになることを、まずは目指してみてはいかがでしょうか?

そうなるにはどうすればいいか、その方法をこれからご紹介したいと思います。

(1)「自分が嫌い」と思うことをやめる

先ほども言いましたが、自分を嫌いでない人も、理想と異なる部分を持っています。つまり、理想と異なる部分があることと、自分を嫌いになることは、関係がないのです。

理想と異なる部分があっても、自分を嫌いにならないことは可能だ、ということです。

自分が嫌いな人は、自分でそれを選択していると言えます。自分で選んでいるのであれば、自分のことを嫌いにならないことも選択できるはず。

まずは、「私は自分を嫌いになることをやめる」と腹を括ることが必要です。

(2)自分を嫌いになることのメリット・デメリットを考える

「自分を嫌いになることをやめると決める」と言われても、すぐに「はい、そうします」とは答えられないかもしれません。

そこで、次に考えたいのが、自分を嫌いになるメリットとデメリットは何か、です。

「自分を嫌いになることにメリットなんてあるの?」と思われるかもしれませんが、ちゃんとあります。

自分が嫌いだと、「私はダメな人間だ。だから、何をやってもうまくいかないんだ」と思ってしまい、チャレンジを避けるようになります。

チャレンジをしなければ、失敗することはありません。失敗して周りからバカにされることもなく、自分の力のなさを痛感することもありません。

要するに、「自分のことが嫌い」でいる間は、ずっと自分の殻に閉じこもっていられるので、より大きな痛みを味わうことから自分の身を守ることができる。これが自分を嫌いになるメリットです。

一方、自分を嫌いになることのデメリットですが、自分を嫌いでチャレンジを避けていると、失敗しない代わりに成功もしません。

チャレンジをしなければ、今以上に成長・進化することはありません。これが自分を嫌いになる最大のデメリットです。

こうやって自分を嫌いになるメリット・デメリットを考えてみて、どのような気持ちになったでしょうか?

すぐに自分嫌いをやめられなくても全然問題ありません。自分のことを嫌いだと考え続けるのは良くないかも……と少しでも思えたら、それは大きな進歩だと言えます。

(3)自分の個性で勝負する

自分を嫌いな人は、自分より優秀な人と自分を比べますが、まずそれをやめましょう。

どうしても羨ましく思ってしまう気持ちは分かりますが、人は人、自分は自分です。

人それぞれ個性があるから、社会は成り立っているのです。

例えば、映画の出演者は美男美女ばかりではありません。いろんな顔、いろんな体型の人がいるからこそ、映画が味わい深くなるのです。

他人の優れたところと自分を比べて落ち込むのはやめて、自分の個性は何だろうかと考えてみることをぜひおすすめします。

(4)「自分を好きか嫌いか」という思考から卒業する

ここまで読んできて、自分のことを好きとか嫌いと考えることに意味があるのだろうか、と疑問を持たれた人もいるかもしれませんね。

そうなんです。自分という存在は、そもそも好き・嫌いの対象として考えてはいけないものなのです。

例えば、食べ物であれば、嫌いなら食べないという選択が可能ですが、自分を嫌いでも選ばない選択は不可能です。

つまり、自分が嫌いでも私たちにはどうすることもできないのですから、自分を好き・嫌いの対象としてはいけないのです。

自分に対して望ましいのは、事実を認識することです。

身長の場合で言うと、「背が低い」というのは何かに対しての比較ですので、事実の認識ではありません。事実を認識するとしたら、「身長が〇センチ」ということになります。

事実を認識するだけですから、良い悪いといった評価は入りません。好き嫌いという好みが入る余地もありません。

自分を見る時は、このように評価や好みを差し挟まず、事実を認識することを意識すべきです。そうすれば、自分が好きか嫌いかという思考にとらわれなくなります。

(5)変えられないもの・変えるべきものを見極める

自分の事実を認識できたら、それは変えられないものか、変えるべきものかを考えましょう。

外見はたいていの場合、変えられないものです。一方、性格や資質や能力は、努力や心がけによってある程度は変えられます。

変えられないものについてアレコレ悩むのは意味がありません。変えられえない現実を受け入れることが賢明な判断となります。

なお、現実を受け入れるのは、「仕方ないと諦める」こととは違います。今まで自分では嫌いだと思っていたことが、何かの場面では役に立つこともあるわけですから。

現実を受け入れるということは、何かにつけて一喜一憂するのではなく、「良い時もあれば悪い時もある」と割り切ることだと言ってもいいでしょう。

そして、変えられるものについては、変えるべきかどうか考えて、必要であれば変える努力をしましょう。

自分嫌いを克服するポイントまとめ

自分嫌いを克服するポイントをまとめます。

自分の一部分を世間一般のモノサシで測るのはやめて、それは自分の個性だと考える。そして、その個性を磨いて、その個性で勝負する。

もし、その個性が修正すべきものであれば、変える努力をすればいい。

「自分のことが嫌い」とうじうじ考えているのは時間の無駄であり、現実を受け入れるなり、変える努力をする方が賢明な生き方である。

このように考えることができたら、それはとても素晴らしいことだと思います。

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