【難読】“かき”じゃない? よーく見て! 「杮」の読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「杮」の読み方です。
果物の“かき”じゃないの? そんな葛藤をしたら、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。
「杮」の読み方は?
「柿」を果物の“かき”と読む人は多いですよね。でも、よく見てください。実は「柿」と「杮」は漢字が違います。
左側の木へんは同じですが、「柿」はナベブタの「市」、「杮」は“ふつ”と読む漢字「巿」。縦線が突き抜けています。
気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“こけら”と読みます。
「杮」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「杮」の意味は以下のように解説されています。
こけら【×杮/木=屑】
1 材木を削るときに出る細片。けずりくず。こっぱ。2 「杮板 (こけらいた) 」の略。
「杮落とし」という言葉を聞いたことはありませんか。
杮落としとは、新たに建てられた劇場で初めて行われる催しのことをいいます。昔の劇場は屋根を杮(こけら)でふき、完成の時に不用の板くずをはき落としたことから、この言葉が生まれたといわれています。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「杮」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。「柿」と「杮」は似すぎてて、よーく見ないと間違えてしまいそうです。
手書きの文字が使われていた時には起こりにくかった間違いも、フォントを使うようになったことで、見分けがつきにくくなって、間違いやすくなったのかもしれませんね。
(ななしまもえ)
※旁が「巿」である例として「肺」についての記述がございましたが、教育用漢字では「肺」の旁として「市」が用いられており、誤解を招く表現であったことから一部記事を修正いたしました(2021年2月22日)。
※この記事は2021年02月16日に公開されたものです