※このコラムは『子宮恋愛』9話までのネタバレを含んでいます。
■怒涛の展開を冷静に受け入れる山手何者!?
モラハラ旦那・恭一(沢村玲)から逃げ、思いを寄せる山手(大貫勇輔)の元へ転がり込んだまき(松井愛梨)。
擬似同棲を始め、優しく細やかな配慮のできる山手の元で、お互いの自由や意志を尊重しながら心地よく生活していたのも束の間。まさかのまきが妊娠疑惑。
その事実を山手に伝えると、「おめでとう。お祝いしなきゃね。週末おいしいものでも食べ行こう」とまきの妊娠を心から喜んでくれている様子。
まきの離婚も成立していない中、関係を持ち始めてまだたった1ヵ月足らずで、相手の妊娠をすんなり受け入れられる山手の胆力すごすぎます。
さらには「まきはずっと子どもが欲しかったんでしょう? それがかなったんだから、まずおめでとうじゃない」と、まきの気持ちにまで配慮できるとんでもない余裕を見せつけます。本当にただ者ではありません。人生で同じこと5回ぐらい経験してるんじゃないかと思ってしまうほどの余裕と完璧な対応。やはり只者ではありません。
■中途半端な立ち位置のまきの不安と焦り
早速まきは産婦人科へ向かうのですが、そこでのアンケートの「既婚・未婚」の欄に悩んでしまいます。
恭一との離婚も成立しておらず、山手と結婚しているわけでもなく、あまりにも全てが中途半端。自分の立ち位置に不安を感じてしまいます。
検診の結果、妊娠5週目と診断されたまき。すぐに山手にLINEで報告するのですが、山手は一度「おめでとう」と打った文字を消して、返信をやめてしまいます。山手も突然の妊娠で、何かに困惑している様子。
とはいえ、まきのためにデカフェのコーヒーを買ってくるなど、引き続き配慮と優しさに溢れています。
しかし、不安でいっぱいのまきは、「どうして返事くれなかったんですか? いいですね。山手さんの体は別に何も変わらないですもんね」と、今までにないほど感情的に山手に当たります。自分の置かれた状況があまりにも不安定な中、さらにはホルモンバランスが崩れて、不安がいっぱいで攻撃的になっているのかもしれません。
■憎き夫と同じ状況になった娘を母は許せるのか
まきは、母親にも今の状況を伝えに行きます。しかし、母は父との婚姻関係が破綻していても意地でも離婚をしなかった人間。もちろん素直に離婚話を受け入れるわけがありませんでした。
離婚を考えていることを伝えた瞬間、一瞬で表情を変え「恭一さんと離婚したらいい人なんて現れないわよ?」と、娘の決断の事情も聞かず、一方的に自分の価値観を押しつけてくるのです。
でも、まきも今まで通りのまきではありません。好きな人がいて、恭一のことはもう好きではないと、自分の状況や考えをはっきりと母親に伝えます。
が、しかしやっぱり母は、まきに寄り添ったり、なぜそこまでに至ったのか、まきの状況を汲み取ったりするなんてことは一切しません。「好きとか好きじゃないとか、そういう幼稚な話をしてるんじゃない!」と、逆ギレ。まきと、母での結婚の価値観は明らかに違いすぎて、この話し合いは永遠に決着は見えません。
「お母さんは離婚しなかったことで幸せになれた? なれなかったよね。私その人の子ども妊娠したの」とまきは伝え、その場を後にします。
しかしまきの母にとって、この行動は、誰よりも憎い自分の夫と同じ。自分を捨て、ほかの女と幸せに暮らしている夫を憎み、復讐のためだけに今日まで離婚せず生きてきた彼女にとって、娘まで同じ状況に陥るとは許しがたいものなのでしょう。
ただでさえ人の意見を聞かない上に、娘がこうなったとなると、母が今後どのような行動を起こすのか……。まきにとっての不穏分子の一つになりました。恭一側に取り込まれ、利用されることが一番の懸念です。
■子どもが恭一の子どもである可能性に気づくまき
偶然にもまきは、産婦人科で寄島(吉本実憂)と再会します。そこで知ったのは寄島が、学生時代に子宮体癌が見つかり、子宮を全摘したという事実。寄島が言っていた、「人生で手に入らなかったもの」は子どもだったのです。
さらには「私が恭一の人生狂わせちゃったから」という寄島の発言も気になります。大学生時代の回想で、恭一は「寄島さんが傷つくようなことはしない」と言っていたので、もしかするとそれに乗っかった寄島が恭一に「自分と同じように子どもを作らないで」と、わがままなお願いをしていても不思議ではありません。
一方、まきも寄島に妊娠の事実を伝えると、当然のように寄島は恭一との子だと思い祝福します。しかしまきは、寄島のその一言により、お腹にいるのは恭一の子どもである可能性を考え始めます。いや、まきも気づくの遅すぎでは?
■まきの衝撃の告白のはずが!? それを超える衝撃告白カウンター炸裂
まきのためにケーキを買ってきてくれた山手。しかしまきは子どもの父親のことが気になってしまい、気が気じゃありません。思い詰めたまきは山手に、「恭一の子の可能性がゼロではない」ということを告白するのです。
すると山手からはそれ以上に衝撃の告白が。「山手はパイプカットを受けているため、ほほぼ100%子どもを作ることはできない。そのため山手の子どもではないと思う」と言うのです。
まきの衝撃の告白に、さらにとんでもない告白カウンターを食らわせてきた山手。
あの時、山手がLINEをスムーズに返せなかった理由はこれかと、点と点が線で繋がるものの、妊娠が分かった瞬間は、「おめでとう」と、さもこれから2人で育てていくかのような口ぶりだったのはなぜなのか?
それなのに、なぜこのタイミングで子どもの父親を明らかにするような告白をするのか?
いったい山手の真意はなんなのでしょうか? まだ「俺の子ではない」という事実を述べただけで、「俺は育てられない」とは言っていないので、行動に矛盾はないのですが、意図が分からず、恐怖すら覚えます。
衝撃に衝撃を重ねた第9話。問題が山積みすぎて、彼らにとって何が正解なのかも分からなくなってきました。果たして次回は何が起きてしまうのか? 次回を待ちましょう。
(やまとなでし子)
※『子宮恋愛』はTver、FODにて配信中