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成人を迎えてずいぶんたった「良い子」にささげる! 本当の親孝行とは

羽林由鶴

恋愛や結婚が思うようにならないとき、その原因は「親子関係」にあるかのように言われることを聞いたことはないですか? カウンセリングでも、自分の育ってきた環境や親子関係のせいだと言いながら、成人をずいぶん過ぎてもなお、その苦しい状況のままで身動きがとれなくなっている人がいます。親子の関係は戸籍上は一生変わることはないけれど、成人した子どもと幼少期の子どもでは、同じ親子でも関係のあり方はちがっていいんです。恋愛や結婚、自分の人生を幸せにする親子関係の作り方について説明しますね。

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■これからも親からは、子離れはしない

成人してずいぶんたつのに親の顔色を窺ったり、親の言葉を待っている傾向がある人は、今までも親の言うことを聞くやさしい「良い子」だったと思います。でもそれが、自分に自信が持てなかったり、将来に対しての不安や、人間関係を不得意と感じるようになった原因だとしたら、もったいないと思いませんか?

とはいえ、親は「子どもの幸せのため」と思っているのですから、これから急に親のほうから子離れするはずもありません。長く続けてきた子どもを心配し、子どもの代わりに考え行動することが生きがいになってしまっている場合もあります。「子離れしてくれない」のは当然です。成人した子どものほうから離れるしかないのです。

■子どもから親離れをする親孝行

「良い子」は親が悲しんだり怒ったりすることを悪いことだと思っています。だから親離れすることにも罪悪感を抱きやすいものです。自分が親と距離を置くことで、悲しむ姿、怒り出す姿を想像してしまうからです。でもあなたはすでに大人です。親を親として頼るのではなく、大人同士の関係を作っていくことが大事です。

やがて親を支えられる存在になりたいものです。親の指示がなくても、自信を持って行動する決断、選択ができなくては困ります。人間は永久に健康で生きていけるわけではありません。立場を逆転させることが自然で、お互いの幸せにとって大事なことです。

親離れとは自立することです。まずは自分ひとりを自分が支える練習が必要です。自立は経済面のことだけではありません。一番は精神面。自分の頭を使い、自分の力で生きていく覚悟です。親を安心させることこそが一番の親孝行です。あなたのことを心配する必要がないと思わせることが親孝行です。

■親が親という役割から開放され、再び自分の人生をエンジョイする手助け

子どもが親離れしようとすると、親は必死で抵抗し始めるでしょう。それは今までは「私が言ったとおりにしたからうまく行っていた」と信じているからです。まさかそれが原因で自信がなくなったり、将来に不安を抱えているなどと思ってはいません。親にとってはいつまでも心配な子ども……このまちがった思い込みから、すでに成人している子どもでも、自分の考えで道を選び先に進もうとすれば、怒り、嘆き悲しみ、中には病気になる親もいるのです。

でもこれは通過儀礼のようなものです。親がどんなにがんばっても、子どもはもうあのときと同じように言うことをきかないのだと理解すれば、親はあきらめてくれます。そして子どもの心配に使っていた時間やお金を自分のために自由に使いはじめ、人生をエンジョイできるようになるのです。

■成人した子どもが自分の人生をエンジョイすること

親が安心して人生をエンジョイするうえで大事なことは、子どもが幸せであるかどうかということです。ということは、成人した子どものすべきことは、親離れしたことで手に入れた自分の人生を、自分の望む形に作っていくことを、とことん楽しむことです。それには自分が興味を持てるもの、好きなことなどを積極的に探し、チャレンジしてみるのがいいですよ。親が心配だから、親に申しわけないなどと、悔いたり嘆いたりする必要などまったくないんです。成人した子どもの自信がよみがえり、幸せを実感できることが増えれば、自然と親に感謝し、成人した子どもとして親を守れるようになっているはずです。

■羽林由鶴からのメッセージ

親子関係をテーマに、うまくいかない日常を親のせいにしながら生きるのをやめるだけで、ずいぶん世界が変わって見えますよ。

(羽林由鶴)

※この記事は2015年03月01日に公開されたものです

羽林由鶴

103kgの恋愛カウンセラー。著書に『なぜか相手がホッとして愛してしまう癒し系の女性になるヒント』(青春出版社)など。最新刊は『あきらめる生き方』(泰文堂)

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