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人のモチベーションを左右する3つの理論を教えて!「X理論」「Y理論」「Z理論」

人を動かす側の立場になると、「相手のモチベーションを、どう高めるのか」という点が非常に重要になってきます。自分だけが頑張っても、仕事は良い方向へと動いていきません。上手に周囲をコントロールし、モチベーションを上げさせる必要があるのです。

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そのために使える、3つの経営理論を教えます。

X理論とは

アメリカの心理学者でもあり、経営学者でもあったダグラス・マクレガーは、人間のタイプやモチベーションの抱き方について、対照的な二つの理論を提唱しました。その一つが「X理論」と呼ばれるものです。

X理論では、ダグラス・マクレガーは「人はできるかぎり仕事はしたくないと考え、脅しこそが目標達成のために最も必要なことであり、人々は命令される方が楽なのだ」と言っています。これは人間を、「生来怠け者なのだ」と捉えた、「性悪説」的な考え方に基づくもの。

マクレガーによると、「マズローの欲求段階説」を元にして、「生理的欲求」や「安全や安定の欲求」など、低次欲求を多く持つ方にあてはまるそうです。要するに、「危険や不安から逃れること」がその人にとっての重要な欲求なのですね。

こうしたタイプの人のモチベーションを上げるためには、「アメとムチ」作戦が有効です。頑張った人には目に見える「ご褒美」を、そして頑張っていない人には「罰」を与えると宣言することで、やる気をアップさせられます。

Y理論とは

X理論とは対照的なのがY理論です。こちらは「人は進んで仕事をしたがるものであり、目標達成のためになら努力を惜しまないもの。報酬や自己実現欲求こそが大切なもの」という、いわゆる「性善説」的な考えに基づいた理論です。

こちらは「他人から承認されたい」「自分をもっと高めていきたい」などの高次欲求を多く持つ方にあてはまります。

こうしたタイプの方には「アメとムチ」戦法よりも「適切な環境を用意し、目標と責任を与えること」こそが、有効なモチベーションアップ方法だと考えられます。

Z理論とは

X理論とY理論が登場してから20年以上経ったのち、ウィリアム・オオウチは「Z理論」を提唱しました。これは、これまでの「日本型経営企業」と「アメリカ型経営企業」という単純な比較から抜けだし、どちらにも優良な企業は存在するとした理論です。

日本には「終身雇用」や「遅い昇進」などの独特のシステムがありますが、アメリカの企業であるにも関わらず、こうしたシステムを導入している企業は優良企業として認識されやすく、これらを「Z企業」と名付けたのです。

Z企業の良いところは「平等で親密」という温かな雰囲気こそが、個人を動かし、細かく監視しなくても自発的に行動させるという点にあります。企業としての体制を整えることで、それぞれのモチベーションをアップできるのですね。

人のモチベーションをアップさせるためには、会社や個人それぞれの雰囲気に合わせて、適切な「作戦」をとる必要があると言えそうです。人を動かす立場に任命されたら、こうした理論もぜひ頭に入れておいてくださいね。

※この記事は2015年01月02日に公開されたものです

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