貧乏神の秘密!「福を授けてくれる貧乏神もいる」「実は女性」「本当は福の神とペア」
「貧乏神」というと、皆さんどんな姿を思い浮かべますか? ぼろぼろな衣服を着て、悲しそうな顔をした老人で、取りつかれると貧乏になる――こんなところでしょうか。でも、実はそれだけではないのです。
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貧乏神の特徴はこんな感じ
「貧乏神」の特徴を挙げてみましょう。
・くたびれた様子の老人
・顔色は青白く不健康な様子
・悲しそうな表情
・手にはうちわを持っている
こんなのが現れるだけで気がめいってきそうですね(笑)。
また、好物は「みそ」で、うちわでみそをあおいでその匂いをかぐ、という話もあるそうです。まさに貧乏臭い趣味ですね。
貧乏神は「女性」!?
貧乏神というと、男性の老人と思う人が多いかもしれませんが、実は由緒正しい貧乏神は「女性」です。仏典『涅槃教(ねはんきょう)』によれば、福をもたらす「吉祥天」、その妹の「黒闇天(こくあんてん)」が実は「貧乏神」です。
この黒闇天を家から追い出そうとしたところ、福をもたらす吉祥天も一緒に出て行ってしまったというお話です。吉凶は表裏一体という説話なのでしょうね。
貧乏神に取りつかれると貧乏になる?
上記の『涅槃教』によれば、貧乏神のいる所には福の神もいるはずなのですが、日本の伝承などによると、貧乏神だけが家についたりします(笑)。貧乏神が家につくと、家産は傾き、家人は病気になるなどロクなことが起こりません。
ゲーム『桃太郎電鉄』シリーズに登場する「キングボンビー」などは、まさにこの貧乏神の正統な後継者といえるかもしれません。キングボンビーの押し付け合いで友情が壊れたりしますが、これも貧乏神の力なのでしょう。
「貧乏神に取りつかれると貧乏になる」というのが通説ですが、実は福を授けてくれる貧乏神もいます。また、その神社も現存しています。
貧乏神のおかげ!?
東京都文京区春日に貧乏神を祭った「太田神社」があります(牛天神 北野神社の境内にあります)。この神社には、次のような由緒が伝わってます。
江戸時代に、小石川の三百坂に住んでいた貧乏な旗本の夢に一人の老婆が現れます。
この老婆の言うことには、
「私は貧乏神じゃ。あまりに居心地がいいので、この家に長く住み着いていたが、長年世話になったので福を授けよう」
そして、自分の祭り方を指南するのです。
貧乏旗本がそのとおりにしたところ、本当に福が訪れたそうです。
この由緒があって、この社は世にも珍しい貧乏神を祭る神社になったのです。江戸時代には福を授けてくれるとして信仰を集めたとか。このような貧乏神もいらっしゃるようですが、できれば貧乏神とは縁のない人生を送りたいものです。
(高橋モータース@dcp)
※この記事は2014年12月29日に公開されたものです