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しゃれこうべ柄の半衿や着物には厄除け効果があった!文様の意味を知れば、着物選びはもっと楽しくなる

ここ数年、日本でもハロウィンの盛り上がりがすごいと話題になっています。自分の暮らしている地域では派手な仮装は見ないよという人も、ネット上のまとめサイトで高レベルな仮装を披露する人たちの写真を閲覧したことがあるはず。

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それにしてもなぜ、ハロウィンにはゾンビなどのおどろおどろしい仮装をする人が多いのでしょうか?

その答えは、あの世からこの世にやってくるお化けたちに、自分たちの仲間だと思わせて、乗り移らせないようにするため。昔からハロウィンを行っていた地域では、あの世とこの世の境目がなくなる10月31日の夜には、あの世から悪霊や死者の霊がやってくるとされていたのです。

骸骨を味方につければお化けも寄ってこない!

それにしても「恐ろしいものには恐ろしいものを」とはユニークな考え方だなと思うかもしれませんが、実は日本にも同様な考え方がずっと昔から存在しています。

日本独自の美しい文様は、それぞれに意味を持ちます。例えば、「鶴は千年、亀は万年」として知られる鶴の柄はもっともよく知られた吉祥文様(=よい兆し、めでたいしるしとされる文様)。また、松竹梅柄や亀甲、七宝などの柄も縁起がよいものとされ、古来、着物などの生地にも使用されてきました。

では、ハロウィン同様の考えに基づいて生まれた柄はどのようなものかというと、代表的なものが骸骨です。「骸骨」と書くとちょっぴり怖いイメージが抜けませんが、「しゃれこうべ」と表記すると、愛きょうのあるモチーフが浮かびますよね?

このしゃれこうべをはじめ、コウモリや青海波(せいがんは/半円形を三重に重ね、波のように反復させたもの=繰り返される穏やかな波のように平穏な暮らしが続くようにとの想いから)などのモチーフも、厄除けのパワーを有した文様として古くから着物の半衿にデザインされてきました。

ウロコやヒョウタンなど、厄除けの意味を持つモチーフはいっぱいある!

また、脱皮して再生するヘビや蝶を連想させる「ウロコ」(再生の際、厄を落とすイメージ)、六瓢が無病に通じる「ヒョウタン」なども然りです。

半衿にワンポイントの小さな文様を落とし込むだけで、それをまとう女性たちも、大きな力に守られているような心持ちになったに違いありません。

そんなエピソードを知ると、実際に厄除け半衿をまとってみたいと思うのも当然のこと。最近は古着の着物を扱う店でもバラエティ豊富なデザインのものを取りそろえるようになったので、お気に入りの一枚を選ぶのにも時間がかかりますが、「厄除けの柄が入った一枚にする!」と決めて入店すれば、また違った品物選びができて楽しいかもしれません。

今回、ご紹介したしゃれこうべやコウモリ以外にもたくさんのユニークな柄があるので、気になる人はぜひ事前に調べてみてくださいね。

また、購入した一枚を美しく着こなすためにプロの技を盗みたいなら、初回参加無料の着付け師のお仕事について学べるセミナーを利用するのも一手。

着物や着付けについての造詣を深めた暁には、厄除けモチーフに精通した着付け師としてデビューするのもありかも!

(観月陸)

※この記事は2014年12月07日に公開されたものです

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