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【女の嘆き】初対面で好印象を! 自己紹介をうまく乗り切る2つの方法

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
いくつになっても、何度異動があっても、どうしても自己紹介が苦手です。新しい環境でも緊張の素振りさえ見せず、人の心をつかむ素晴らしい自己紹介ができる人を見ると、なんだか落ち込みます。うまいこと自己紹介を乗り切るコツって、あるのでしょうか。

自己紹介とは、人間関係のきっかけを生み出す儀式のようなもの。慣れ親しんだ日常空間に未知のものが入り込むことは、自分にとっても相手にとっても異物感や不安があるので、そのギクシャクした感じを調整するのが自己紹介の目的です。いわば、他人同士が“他人ゾーン”から半歩ずつ“知人ゾーン”に向かって歩み寄り、「怪しいものではありません。ご安心ください」「今日を境に、ご縁を深められますように」「共通の目的のために協力していきましょう」などという意思表示の場なのです。その目的を、まずはしっかりと押さえましょう。

つまり自己紹介とは、お互いに知り合っていくための心の準備をするというラインをクリアしていればOK。ただ、中には自分の能力や魅力を上手にプレゼンする“自己PR”に長けている人や、笑いをとるのが上手な人もいます。満場の注目をさらう見事な自己紹介というのは、彼らがたまたま自己紹介の中で得意技を披露しているというだけのこと。しかし、通常の自己紹介はオーディションや入社面接とはちがうので、「自分が査定されているのだ」という怖れを手放し、「これからよろしくね」という想いを伝えることに専心して。

それでも、何をどう話せばいいのかわからないという人のために、以下に2つの自己紹介のスタイルをご紹介します。

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 トップダウン式の情報提供

注目を浴びると頭が真っ白になってしまう、できるだけ短時間で自己紹介を済ませたい。そんな人にはトップダウン式の情報提供の仕方が有効です。対人認知のプロセスとして、受け手がもともと持っているカテゴリー要素に、初対面の人物のイメージがしっくりおさまったとき、異物感や不安が消失する(つまり安心する)という傾向があるようです。この特性を利用して、なるべく短時間で自分への注目をストップさせるというのが、“順接のトップダウン式”の自己紹介。

トップダウンとは、簡単に言えば初めに大きな方向性や結論を示してしまうこと。たとえば、「お察しのとおり体育会系です」「見ての通りのインドア派です」など、順接で、自分の見たままの印象や、無理なく受け取ってもらえる情報を相手に与えます。受け手にとっては、提示された情報と、実際のあなたから受ける印象が合致すれば、早い段階であなたをカテゴライズすることができる(つまり安心する)ので、その後の自己紹介コメントもリラックスした状態で聞いてもらえるのです。

余談ですが、注目を浴びたい場合は、自分のイメージとは真逆の意外性ある情報を“逆説のトップダウン式”で提示すればいいのです。最初に提示された情報と、あなたの見た目の印象が一致しなければ、受け手側にはなんとなく違和感が残ることになります。受け手側は、その後に提供されるほかの情報から、なんとか納得できる着地点を探そうとするので、結果として話し終わるまでずっと注目してもらえるということになります。

●その2 ボトムアップ式の情報提供を活用する

トップダウン式とは逆の情報提供の仕方です。自分のことをスパッとひと言で表すのが難しい、でも、できるだけ早く仲間として認知されたい。そういう人には、感情表現を交えた“語り”の積み上げで、自分の印象を作り上げていく方法はいかがでしょうか。

「自己紹介が苦手で、実は昨日から緊張していて、熱でも出ちゃうんじゃないかと思っていました。でも、ひとまずこうしてみなさんにお目にかかれてホッとしています」とか、「人前で話すのが苦手なので、頭が真っ白で大変なことになっています。でも、早くみなさんと気軽にお話できるようになりたいと思っています」など。

こんなふうに感情を盛り込んだ素朴な語り口の自己紹介をされて、警戒心が強まるという人はいないでしょう。「ああ、人見知りなんだな。真面目そう? 案外、慣れたら人懐っこいところもあるのかな」など、少しずつあなたの情報が相手の中で積み上がっていき、自己紹介が終わるまでには、「うん、よさそうな人だ」という結論が出ていればOK。

相手が大きな枠組みで自分を理解してくれることを目指して、背伸びしすぎない自己紹介にトライしてみてください。

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年11月28日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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