お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

ネイティブ広告って、どんな広告?

ネット上のいたるところで目にする「広告」。そのなかで記事や投稿のように見える「ネイティブ広告」が物議をかもし、ガイドラインが定められることになりそうだ。

第三者の感想にみえるネイティブ広告の93%は同じドメイン内に存在し、じつは広告だと知って不信感をつのらせるケースが多い。ネット広告の過当競争が誕生理由だから、ガイドラインが定められても、新たな「まぎらわしい」広告が誕生するかもしれない。

【機能性アルコール飲料で、健康になれるか?】

画面に溶け込む自然な「広告」

ネット上の広告には「広告」「PR」など、ひと目でわかる「明示性」がお約束なのだが、さも第三者が投稿した記事や感想のようにみえるものもあり、これらはネイティブ広告と呼ばれている。

見かける機会が多いものを大別すると、

インフィード型 … つぶやきや投稿にまぎれて掲載される広告

ペイドサーチ型 … 検索結果に合わせて表示される広告

レコメンドウィジェット型 … ブログパーツのように表示される広告

などがあり、これらも「広告」「PR」「〇〇によるプロモーション」などと明記してあれば良いのだが、なかにはまぎらわしいものも存在する。飲食店や新製品を選ぶさいに「口コミ」や「評価」を参考にするのが一般的となったいま、最後まで読んだら広告だった!なんて経験は誰もがあると思うが、これが不信感/不快感をつのらせる原因となる。

アメリカのリサーチ会社の調査によると、これらの広告の93%は同一ドメイン内にあり、つまりは自作自演の「投稿もどき」になっているケースがほとんどという結果もある。いわゆるステルスマーケティングにも通じるため、日本でもガイドラインの策定が始まったのだ。

読んで役立つ広告?

ネイティブ広告はなぜ誕生したのか? 最大の理由はネット広告が世にあふれ、過当競争になっていることだ。

大手広告代理店の資料から、2008年と2013年の日本の広告費を比較すると、

総広告費 … (2008年)66,926億円 / (2013年)59,762億円

GDP対比 … (2008年)1.34% / (2013年)1.25%

インターネット広告費 … (2008年)6,983億円 / (2013年)9,381億円

インターネット広告費率 … (2008年)10.4% / (2013年)15.7%

と、広告費は景気に連動してこの5年間で縮小しているものの、インターネット広告は34%もの伸びを見せている。ユーザーにとって便利とも呼べる状況だが、同時に「また広告か」と読まれなく率も高くなる。ネイティブ広告は、そんな背景から生まれたと言えよう。

ネイティブ広告は規制されるべきなのか? もっとも大きな問題点は「まぎらわしさ」なので、それさえクリアになれば歓迎すべき要素も多い。専門的な知識を持った企業から、ノウハウを得ることができるからだ。

たとえば、ある食品のおいしい食べ方、ヘルシー料理の作り方などを食品メーカーが掲載した場合、結果として「当社の製品を買ってね」となるのは極めて自然で、広告であることが明記されていれば読み手が不信感を持つことはないだろう。

この場合、「知らなかった」「試してみよう」と思える内容が前提となるのだが、コンテンツの制作には専門知識や裏打ちが必要となり、コストが増加する。逆に、コスト重視で製作すると内容が薄くなってしまうので、「読み応えのある広告」も読者にとって必要な存在といえるだろう。

記事の一部として読まれることから「ネイティブ」と呼ばれるようになった生い立ちを考えると、掲載方法ではなく、内容が充実した本来の「広告」が増えることを期待したい。

まとめ

記事のような「ネイティブ広告」に、ガイドラインが作成される予定

広告なのか記事なのか、まぎらわしいのが理由

景気が悪いと言われるなか、インターネット広告は増え続けている

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年10月13日に公開されたものです

SHARE