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江戸情緒香る調度品も雰囲気も抜群―東京でも指折りの古典酒場「鍵屋」

日本酒との相性がよく食べ応えも十分の「味噌おでん」540円。お通しの煮豆(無料)も昔から変わらぬ味わい深さ。

JR鶯谷駅南口より徒歩5分ほど。言問通りから一本奥まった路地に、歴史を感じさせる重厚なたたずまいの日本家屋がある。日中は店舗とは気づかず通りすぎてしまうだろうが、夕方には屋号を染め抜いたのれんが掛かり、営業をはじめる。

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大正時代の家屋を使った店内は、外観に劣らず時間が止まったままの空間で江戸の昔に舞い戻ったかのような錯覚さえ感じさせるほど。安政3年に酒屋として創業した同店は、昭和初期より酒屋の一角で飲ませる“角打ち”をはじめ、昭和24年より六十有余年、居酒屋として営業を続けている、都内でも名うての古典酒場だ。

●こだわりの燗酒によく合う厳選された酒肴の数々
ロケーションの渋さだけではなく、酒、つまみともシンプルに絞り込まれたメニュー構成で、酒の粋を楽しむ、昔ながらの居酒屋の雰囲気が残されている。日本酒は甘口・中辛・辛口の順に櫻正宗、大関、菊正宗の3種類のみ。

冷やでやるのももちろんいいが、店主自らが銅壷(どうこ)という燗つけ器で付ける、酒別に応じた絶妙な付け加減の燗酒をいただくのがおすすめ。ビールは用意しているが、焼酎はない。

酒肴はていねいに手作りされ、優しく懐かしい味わいの日本酒と相性がいい品ばかり。「味噌おでん」540円は、焼き豆腐、ちくわぶ、コンニャクの味噌田楽がすのこに乗せて供される。香ばしい甘めの味噌がたっぷりで、食べ応えも十二分。

また、うなぎを割いて身をらせん状に串に打って焼いた「うなぎのくりからやき」490円も名物。“一人一本まで”の決まりがあるので、注文はお早めに。また、豆腐を鶏のダシと醤油でシンプルに煮た「煮奴」580円も、日本酒との取り合わせが抜群の逸品だ。

●少しハードルは高いが、訪れてみたい風情がある
歴史と江戸情緒に裏打ちされた、酒を楽しむための空間。まさに、東京の古典居酒屋の華といっても過言ではない同店だが、女性客の利用には少々ご注意を。この店、代々のルールで女性客のみの入店はお断りとなっている。

「昔ながらの静かな居酒屋の雰囲気を、酒好きのお客さまに残していくためです。そのため、会社の同僚や男性のご友人をお誘いになってご来店を」とは店主の弁。いかめしいルールも存在するが男性客に混じって女性客も少なくなく、店の風情は女性でも十分に楽しめる。

ぜひ、仲間と誘い合わせて訪れてみたい。

【店舗データ】
店名:鍵屋
所在地:東京都台東区根岸3-6-23-18
営業時間:17:00~21:00
定休日:日・祝
HP:なし
メニューはすべて税込価格

【その他メニュー名 価格】
・とり皮やき520円
・合鴨塩やき580円
・とりもつなべ690円
・ビール(大)710円、日本酒(1合)530円

※この記事は2014年06月06日に公開されたものです

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