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痩せることが目的の運動はNG!? 運動ダイエットの意外な罠とは?

奥田弘美

みなさんご存知のとおり、食事の調整に運動を加えると、ダイエットに効果があります。でもちょっと待って! 運動ダイエットには意外な罠もあるんです。

25分間のウォーキングで、消費カロリーはたったの約100kcal。身体を動かすとお腹もすきますよね。「今日はたくさん動いたから」と帰りにケーキを食べたり、ビールで乾杯なんてすると、あっという間に消費した以上のカロリーを摂取してしまいます。これでは元も子もありません。

また、運動で目標体重まで落としたあとも、その体型をキープするにはある程度の運動をし続けなければなりません。運動することでダイエットできたわけですが、成功するとなぜか運動だけストップし、食べる量は運動していたころと同じまま……という方が意外と多いんです。そうすることでリバウンドにつながってしまうんですね。

つまり、運動ダイエットを成功させるには、「カロリーの消費量と摂取量のバランス」に加え、「痩せたあとも運動を続けられる覚悟」が必要です。運動を継続する自信があまりない方には、そもそも高負荷な運動を組み込むことはオススメできません。

それから、もともと運動が苦手な方は「運動すること」自体がストレスになってしまう場合も。そうならないためにも、何か特別な運動をはじめるのではなく、ダイエットを契機に一生続けられる、普段の生活の中で身体を動かせる方法を見つけてみてはいかがでしょうか。ダイエットが成功しようが失敗しようが、その後も健康のために続けられるくらいの、気軽にできるエクササイズがよいでしょう。軽い運動でも、続ければ代謝も上がりますし、筋肉もつくので太りにくい身体になります。

女性にオススメなのは、ショッピングウォーキング。ちょっと時間があるときに、デパートのフロアをぐるぐる歩いてまわるんです。「今年の新作はどうなっているのかな?」とフロア中を巡ったり、階段の昇り降りをしたりすることで、自然と運動になっています。デパートは冷暖房完備というのもうれしいですよね(笑)。

また、階段の昇り降りは、下半身、特に大腿筋の運動になります。エスカレーターを利用するのでなく階段を利用すれば、駅やオフィスがとても身近なジムになるのです。車移動の多い方は、目的地から少し離れた駐車場に車を停めたりして、歩く機会を意識的に作ってみましょう。ほかにも、家事のやり方を少し変えて動く量を増やすなど、生活の中にさまざまな運動のチャンスがあります。

私の場合、産業医で外出の機会が多いので、歩いて移動することを意識しているほか、ラジオ体操も毎日続けています。ラジオ体操は全身をくまなく動かせますし、朝の目覚めにもなるし、とてもよいと思います。朝、身体を動かしてから朝食を食べると、体温が上がり、基礎代謝の高い体づくりにもつながりますね。

ダイエットは食事の食べ方をメインに、その上で日常生活の中で軽い運動を組み合わせていくと、食べ過ぎることもストレスもなく、健康でスリムな身体に近づいていけるでしょう。

(Playce)

※この記事は2014年05月30日に公開されたものです

奥田弘美

精神科医(精神保健指定医)、日本医師会認定産業医、作家、メディカル&ライフサポートコーチ研究会代表。1992年、山口大学医学部卒業。“体も心もより元気に幸せになる”をテーマに、執筆や講演を通してわかりやすい心身のヘルスケアや自己実現法を提案。著書に『ココロの毒がスーッと消える本』(講談社+α文庫)、『いつも「やらなきゃ」と言っているあなたへ』(PHP研究所)、『何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから』(扶桑社)などがある。

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