「コンコルド効果」から見る、破滅の心理とは? 恋愛における対処法
コンコルド効果と恋愛の関連性
コンコルド効果は恋愛にも関連してきます。
ここではコンコルド効果と恋愛の関連性について解説していきます。
恋愛でコンコルド効果が働く場面
コンコルド効果は有限なものに大きく投資すればするほど働きます。有限なものの代表といえば「時間」と「お金」ですよね。
恋愛においてもこの2つにどのくらい投資したか、がポイントになってきます。
(1)片思いのコンコルド効果
好きな人ができると色々なものをプレゼントしたくなってしまうタイプ。俗にいう「貢ぎ癖」のある人が片思いをすると、お金に対してコンコルド効果が生じやすくなります。
特に、相手がプレゼントをもらった際に大げさに喜んでくれたりすると、「もっと高価なものをあげたらもっと喜んでくれるかもしれない→お付き合いできるかもしれない」という気持ちになり、相手に対するプレゼントの金額や回数がどんどん増えていきます。
(2)結婚のコンコルド効果
結婚生活においては「お金」と「時間」のほか、そこに「現実問題」が加わってきます。
結婚という社会制度に至るまでには、親をはじめとしたまわりへの挨拶、婚姻の事務手続きなどそれなりのエネルギーを使います。結婚式や新婚旅行に多くのお金をかける人もいるでしょう。
さらに子どもがいたりマイホームを購入したりした夫婦は、離婚を考えた際に、こうした「現実問題」をどうするかということも大きな障壁となってきます。
そうなると、せっかくここまで続けてきたのだから最後まで添い遂げよう、というここにザイガニック効果(※)も加わり、という夫婦関係を継続していくことに固執するのです。
※ザイガニック効果……人は達成できたものより達成できないものについて強い印象と記憶が残るという心理現象
片想いであっても結婚生活であっても、コンコルド効果はそこに投資したものが長くなればなるほどこじらせていってしまう傾向にあります。
恋愛のコンコルド効果から抜け出すには?
こちらも片思いの場合と結婚の場合に分けて解説します。
実る見込みのない「片思い」の対処法
片思いの場合はある種のファン心理と同じ。よほど酷い振られ方をした場合でない限り、その人を好きでいた時間は「素敵な思い出」として残ることが多いです。
ただしお金は別。現実問題として「素敵な思い出」では済まなくなることがあります。
好きな人につぎ込むお金はレジャー費用としてひと月に使用できる金額の上限をしっかりと決めましょう。貢ぎ癖の自覚がある人は、達成感のある趣味を持つこともお勧めします。
「あることをやり遂げる」という体験は、すべてのことにおいて自己管理能力の醸成にができることにつながっていくからです。
続けても幸せではない「結婚」の対処法
物は思い出とセットになっています。この思い出が投資した過去を思い出させ、現状を変えることを拒んでしまいます。
したがって、抜け出したいと思ったら、まず物を捨てていくことが大切です。そしてそれ以上ため込まないこと。
もうひとつは自分を犠牲にする精神からの脱却です。コンコルド効果に陥る心理の底には必ず「夫のためにここまで我慢してやってきたのだから」という自己犠牲の精神があります。
心がけることは、まず自分自身がハッピーであること。離婚をしたほうがハッピーならば、その選択はまちがいではないのです。