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2014年の4月。火星の最接近を見てみよう!

地球のすぐお隣の惑星である火星。

ともに太陽の周りをグルグルと回りながら付かず離れずの関係を繰り返していますが、そんな火星が2014年の4月、再び地球に接近します。

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火星っていったいどんな星?

宇宙にあまり関心がなくても、火星を知らない人はほとんどいないでしょう。
地球のすぐ外側を回っている太陽系第4惑星・火星は、私たちにとってそれほど身近な存在と言えます。

直径は6,800kmほどで地球の半分ぐらいしかありませんが、主に岩石や金属からできた地球型惑星であり、火山や砂漠、渓谷、そして地中には水(氷)も存在すると言われています。特に、山については太陽系で一番の標高(27,000m)を誇る「オリンポス山」がそびえています。

大気も存在しますが、そのほとんど(約95%)は二酸化炭素から成っています。しかし地球に比べるとはるかに薄いので、温室効果の働きは小さく、熱を蓄える力もあまりありません。そのため、気温は最高でも20℃程度にとどまり、最低気温に至っては-100℃をはるかに下回ります。

また、自転軸が約25度(地球は23.4度)傾いているので、地球と同じように春夏秋冬といった季節の変化も生まれます。自転周期は地球とほぼ同じ1.03日ですが、公転周期は687日(1.88年)ですので、季節の移り変わりは地球以上にゆっくりと楽しめるかもしれませんね。

ところで、火星の色というと皆さんはどんな色を思い浮かべますか?

一番はやはり赤色ではないでしょうか。実際に地球から見ると、たしかに火星は赤色をしています。
火星がこのように赤く見えるのは、その地表面に酸化鉄(いわゆる鉄サビ)が多く含まれているからなのです。

2014年の火星接近

地球と火星は、およそ780日(2年2ヶ月)の周期で接近します。
前回接近したのが2012年の3月5日で、次回の接近は2014年の4月14日となります。

しかし、接近するタイミングによって、地球~火星間の距離は大きく変わり、地球から見たときの大きさも違ってきます。これは火星の軌道が、地球の軌道のようなきれいな円ではなく、少しつぶれた楕円形をしているからです。

そのため、前回接近した時の距離が1億kmちょっとだったのに対して、次回の接近では9,200万km強となります。

ちなみに、2003年8月27日はその距離がおよそ5,600万kmまで縮まる大接近として、世界中で話題になりました。
これに匹敵するのが2018年の最接近時で、その年の7月31日にはおよそ5,800万kmまで縮まります。

お気づきかもしれませんが、夏(7~8月頃)に最接近を迎えるときには火星との距離が6,000万km以内まで近づき、冬(1~2月頃)のときは1億km程度にとどまります。2014年のケースは4月であるため、そこまでの大接近とはならないわけです。

火星に接近するもう1つの天体

実は今年、火星にはもう1つ別の天体が接近します。それが「サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)」です。これは、2013年に話題となった「アイソン彗星」や「パンスターズ彗星」と同じように、双曲線軌道を描く非周期彗星であるため、太陽に近づくのは今回の一度きりとなります。

2014年10月25日に太陽に最接近すると見られていますが、その6日前の10月19日には火星にも最接近します。しかも、その距離はわずか10数万kmしかないのでは…と推定されています。地球と月との距離がおよそ38万kmですので、そのわずか1/3程度の距離のところをかすめることになるわけです。

そのうえ、核の直径は50kmとひじょうに大きく、火星との相対速度も秒速50kmを超えると考えられているため、火星と最接近したときには火星探査機などに重大な影響を与えることも心配されています。

まとめ

およそ2年2ヶ月の周期で地球に近づいてくる、太陽系第4惑星の火星。
次回の接近は、2014年4月14日でその距離は9,200万km程度であるため、歴史的な大接近とまではいきませんが、大きめの天体望遠鏡を使って観測すれば火星表面の模様まで確認できるかもしれません。

もしもチャンスがあれば、ぜひ観測してみてはいかがでしょうか。

(文/TERA)

著者プロフィール

小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

※この記事は2014年03月26日に公開されたものです

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