サラリーマンも確定申告したほうが良い?「保険金を受け取ったら、とにかく専門家に相談」

年度末の風物詩ともいえる確定申告。サラリーマンには無縁の行事と思われがちだが、申告しないと損な場合も多々ある。
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以前紹介した「ふるさと納税」も控除の対象になるし、家族の医療費がかさんだときは医療控除が受けられる。サラリーマンでも、確定申告すれば還付されるケースが多いのだ。
副収入は経費を引ける!
確定申告には3つのパターンがあり、1.申告しなければならない 2.しなくても良い 3.申告するとメリットがある に大別できる。
1.のおもな条件をあげると、
A. 年収が2,000万円以上
B. 2か所以上の会社から給与をもらっている
C. 保険金や返戻金を受け取った
D. 副業で20万円以上稼いだ
が、確定申告しなければならない代表例だ。A.とB.はレアケースなので、本人がよく理解しているだろう。C.は入院や手術の保険金は非課税、死亡保険金は保険料の支払者と受取人によって何税、と複雑なので、速攻で専門家に相談だ。
D.は20万円未満なら申告しなくても良い。個人で引き受けた仕事は支払い時に源泉徴収され、すでに税金を納めているからだ。逆に、確定申告してはいけないのか? 答えはNoで、申告すればメリットが生まれる場合もある。
同じく副業で原稿料を稼いだ場合、確定申告すると「所得」ではなく「雑所得」としてあつかわれる。生活に必要な給与に対し、「おこづかい稼ぎ」的に分類されるので税率が高い。ただし経費が認められるメリットもあり、申告すれば購入した資料、取材の交通費などを差し引くことができる。
つまり、稼いだ金額が減る=税金が還付される「可能性」が高いのだ。
最終的には所得+雑所得の合計金額がポイントとなるので、副収入が○○円なら□□円戻ってくる、と表現できないが、国税庁のHPで申告書を作成すればシミュレーションできるので、それをみてから申告する/しないを決めても良いだろう。
離れた家族も控除対象!
対して、絶対に申告すべき!のパターンは、
・12月以前に退職した
・年間10万円以上の医療費がかかった
・ふるさと納税をした
・家族が増えた
だ。
12月以前に退職した場合、すぐに転職して年末調整済なら問題ないが、確定申告しなければ誰も調整してくれないので、還付される可能性をみすみす捨てるようなものである。
医療控除は意外と知られていないようで、「生計を一(いつ)にする配偶者やその他の親族」と定められているように、家族合計の医療費だから、10万円を超えてもさほど不思議ではない。
「生計を一にする」は、「同じサイフで生活している」の意味なので、離れた実家の親、一人暮らしの学生の子供も含まれる。
とくに親の場合「同居していないから」を理由に申告しないひとを見かけるが、生計が一と判断されれば、医療控除どころか扶養控除も受けられる。そのためには、一定以上の金額を定期的に仕送りする必要がある。どれくらいの金額と頻度かは自治体によって判断が異なるが、「払えるときに」「払える金額」では、ときどきおこづかいをあげただけ、とみなされてしまう。
申告のためではなく、日々の生活を支えていることが重視されるのも当然だ。
まとめ
・確定申告「しなくても良い」は、「してはいけない」の意味ではない
・保険金を受け取ったら、とにかく専門家に相談
・申告すれば、還付される条件が多い
・同居していない家族を、扶養家族にできる可能性あり
還付される条件を「知らなかった」=「申告しなかった」がもっとも多いパターンだ。
無料相談をおこなう税務署も多いから、興味のあるひとは一度相談に行ってみると良いだろう。
(関口 寿/ガリレオワークス)
※この記事は2014年02月26日に公開されたものです