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和食×タガメは相性バツグン!? タイの屋台で「昆虫食」を食べつくしてみた!

年末年始は最大9連休となる企業が多かったようです。アベノミクスによる景気回復で、冬のボーナスアップのニュースも飛び交ったことから、海外旅行へ行った方も多いのではないでしょうか。連休前、「情報プレゼンター・とくダネ!」(フジテレビ系)では『年末年始9連休 人気はバンコク』という特集が組まれ、番組で紹介された人気渡航先ランキングによると第1位はタイの首都・バンコクのよう。そこで、タイ渡航歴11回のリピーターである筆者が、緊急取材を敢行。今回は知られざるタイの人気メニュー「昆虫食」について紹介しましょう。

昆虫は「夜のお菓子」?

タイは一日中、朝から夜まで街中に屋台がひしめき、日本の感覚でいえば「毎日が縁日!」というにぎやかな国です。同じ場所でも、朝、昼、夜では違う屋台が並びますが、ポピュラーな夜の屋台のひとつに「昆虫屋台」があります。深夜に賑わう昆虫屋台には、さまざまな昆虫が並びますが、たいてい油で揚げてあって、サクサク。地方の昆虫食は立派な「おかず」ですが、バンコクの屋台に限っていえば、うなぎパイのように「夜のお菓子」というコピーを打ちたくなります。

 

「昆虫屋台」は夜のオネエサンに大人気! そのワケは……

昆虫屋台を見つけやすい場所は、いわゆる「夜の街」に近いエリア。スクンビット通りのソイ4周辺やソイ23周辺、サラデーン地区のパッポン通り周辺でよく見かけられます。客層は若い女性客が多く、それもイサーンと呼ばれる東北部出身の人が中心。同地方では昔から昆虫食がポピュラーなんだそう。つまり、バンコクに出稼ぎに来ている方々が故郷の味を買いに来ているということでしょう。つまり「夜のオネエサンたちのソウルフード」なんですね!

レモングラス風味のバッタはビールに合う!

筆者が立ち寄った屋台に並ぶのは、バッタ、オケラ、コオロギ、サナギの他、得体の知れない小魚やカエルも。「全部ください!」と注文すると、屋台のお兄さんは全種類を、煮えたぎった油にザッと放り込みます。さらにレモングラスも油に加えて香りづけ。ちなみに、レモングラスには虫よけ効果があるので、それを思うとなんだか皮肉ですね。揚がったものをザルですくって、塩やら胡椒やらを振り、手早くビニール袋へ。アツアツのバッタをつまむと、サックサクのクリスピーな食感で、塩が効いてビールによく合います! その他、サナギもピーナッツのようなコクがあってなかなかイケるし、その他も特に食べにくいものはありません。

 

ただし、昆虫屋台を楽しむコツは「揚げたてをすぐに食べること」。時間が経つとサクサク感がなくなりおいしくありませんので、くれぐれもお早めに!

スーパーに並ぶ「タガメ入り調味料」

タイの昆虫食で外せないのは、メンダーと呼ばれるタガメです。魚やカエルなどを捕獲しては、消化液を注入して溶かし、中身をチューチュー吸い取ってしまう大型の水生昆虫ですね。日本では絶滅危惧種ですが、タイではポピュラーな高級食材で、前述の昆虫屋台で売られていることもあります。スーパーマーケットの調味料棚には、タガメ入り調味料がたくさん! 欲しい人は、英語表記の素材一覧を確認して「MANG-DA」やら「MAENGDA」、「Maengdana」など、フリーダムに表記されている「メンダー」を探してください。

 

タガメ風味はラ・フランスの香り!?

タイ人はタガメの香りを愛しているそうで、なんとその香り成分は洋梨と同じなんだとか。香りを生かしてナンプラーに漬けたり、粉末にしたりして、調味料に用いられます。購入したタガメ入り調味料を開封してみると、確かにミントと柑橘系を混ぜたようなさわやかな香りが立ちます。ラ・フランスを彷彿……はしませんでしたが、とても良い香りであることに違いはありません。

和食にタガメが合うという不思議……

タイ人に聞いてみると、タガメ入りの調味料のうち、味噌タイプのものは「生野菜につけて食べるとアロイ(=美味しい)」とのこと。試してみると、確かに美味しい。かなり辛いのですが、生野菜の甘味と冷たさで中和されて、なかなかイケます。試しに白いごはんにのせて食べてみると、これがまた合うんです。調子に乗って、海苔にごはん、キュウリをのせて、タガメ味噌をちょこっと漬けて巻いてみましたが、すこぶる美味! “和食×タガメ”は抜群のコンビネーションなんです。

いかがでしたか? 最近、日本でも『食べられる虫ハンドブック』(内山昭一監修。自由国民社)という本も刊行されて人気を集めているそうです。タイでは昆虫は当たり前の食材です。また、昆虫は、高タンパク・高カロリー、ビタミン・ミネラルも豊富で、飼育や採取も簡単なことから、世界の食糧供給問題の解決策として期待されているそう。皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか。意外とイケちゃうかもしれませんよ?

(西益屋ハイジ/サイドランチ)

※この記事は2014年01月15日に公開されたものです

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