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雑学 生活

無人ヘリでの宅配は日本では可能なのか?

アメリカの大手・通販会社が、無人ヘリによる配達計画を発表した。GPSを使って自律航行するヘリが30分以内に荷物を届けてくれるというから、忙しいひとには有り難いサービスだ。

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もしも日本で使ったらどうなるのか? 着陸には広い面積が必要だから、ベランダに届けるなら高い精度が必要になる。ビル風にあおられながら細い電線を避け、アクロバット飛行のような配達になりそうだ。

■ピザも荷物もヘリで出前?

無人ヘリによる配達はまだ計画段階なものの、8つのローターを使い最大2.3kgの荷物を搭載できる。日本でも農薬散布や種まき用の無人ヘリや無人飛行機は存在するが、原理はラジコンと同じで人間が操縦するのに対し、このヘリはGPSをはじめとした自動制御なので、届け先の座標を入力するだけで勝手に配達してくれるのが大きな違いだ。

物流センターから半径16kmの範囲を30分で届けることができる画期的なシステムだ。

2015年のサービス開始を目標とし、プロモーション・ビデオでその様子をうかがうことができる。注文を受けると専用の箱に商品を入れ、無人ヘリに取り付ける。ヘリはGPSの情報をもとに家へ向かい、着陸して荷物を切り離す。

その後再び飛行し、物流センターへ戻る仕組みだ。

半径16kmを30分で飛ぶ=時速32kmなので非常に速いわけではなく、日本では配達の定番である原動機付自転車の制限速度30km/時と大差ない。ただし、道路に沿った「道のり」ではなく最短経路の「距離」で進めること、渋滞や一方通行などの制限がないため、同じ30分ならより離れた場所まで行くことができる。

広大な面積を持つアメリカならではの発想で、宅配便やピザの配達など、あらゆる業界で空中配達が検討されているのだ。

■狭い日本でヘリはムリ?

このシステムが日本に導入されたらどうなるのか? まだ実用化されていないのでプロモーション・ビデオ(PV)から読み取れる内容に限られてしまうものの、懸念材料は多い。

まず着陸のためのスペースだ。PVでは配達先の庭に着陸しているのだが、ギリギリ小さくしても半径2m程度、安全性を考えるなら半径5mほどは欲しい。マンションなら屋上を利用する手もあるが、戸建てはかなり厳しい。

クルマが出払った駐車場か、屋根に専用のヘリポートを設ける必要があり、ベランダに着陸するには少々大きすぎる。むき出しのローターが高速回転しているのだから、安全対策は重要だ。

マンションでは風の問題もクリアしなければならない。「べき法則」であらわされるように、1階よりも高層階、開けた場所よりも住宅の多い都市部の方が風が速くなるからだ。もし地上10mを秒速10mの風が吹くと、地上100m・空き地など建物のない場所なら13.9mで済むが、住宅が密集した場所では秒速30mを超える突風に変わる。

マンションの高層階に配達する場合、風の強い日は1秒間に30mも流されてしまい、着陸どころの話ではない。

さらに、荷物の受け渡し方法も微妙で、PVでは荷物を切り離したヘリが悠然と帰路につく姿が映し出されているが、受取のサインは要らないのか?と疑問に思う。置き去りにされた荷物が行方不明になってしまったら、せっかく30分で配達されても、かえってロスタイムを生んでしまいそうだ。

まとめると、

・安全に着陸するためには、半径3mぐらいのスペースが欲しい

・高層マンションの屋上は、風が強いのでムリ

・荷物が持ち去られないよう、ひとが入れない場所が望ましい

現実的に安心して受け取るには、平屋建てのコンビニの屋上に着陸→自宅から取りに行く、のような仕組みが必要だ。加えて日本には細い電線が多いので、地下ケーブル化された場所ならなお良しだ。

2015年にアメリカでサービスが開始されても、日本でピザの出前が無人ヘリ化するのは相当先の話になりそうだ。

■まとめ

この計画の難関は、技術面ではなく法律だと聞く。空飛ぶ無人機が許可されていないからだ。

現在、日本でも自動運転のクルマが開発中なので、だんだんと法律も変わっていくのかもしれない。SF映画のように、ロボットが出前をしてくれる日を楽しみにしておこう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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