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二度と見られない!今さら聞けない「11月に太陽に接近するアイソン彗星(すいせい)」って?

今年の3月、「パンスターズ彗星」という彗星が、地球のすぐそばを通過することで注目されました。ただ、同じタイミングでロシアに隕石(いんせき)が落下し、こちらの方が圧倒的に注目されたのですが……。さて、今年はもう一つ大きな彗星が地球に接近します。

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それが「アイソン彗星」です。今回は、このアイソン彗星について、どんなものかをご紹介します。

アイソン彗星が太陽に最も近づくのは11月29日!

アイソン彗星は、2012年9月21日に発見された比較的新しい彗星です。発見者はベラルーシのヴィタリー・ネフスキー氏とロシアのアルチョム・ノヴィチョノク氏。この彗星は、発見者の両名が所属していた国際科学光学ネットワーク(International Scientific Optical Network)の反射望遠鏡によって観測されました。

ISON(アイソン)という名前は、この国際科学光学ネットワークの略称です。

発見された時は、木星の軌道よりも外側に位置していましたが、少しずつ太陽に接近しており、11月29日前後に太陽に最接近し、このタイミングで最も明るく輝くのではないかと予測されています。

アイソン彗星は日本からも観測可能

彗星の明るさの予測や、今後どのような形で観測できるかの予測は非常に難しいものです。アイソン彗星も、期待されているような明るさや形にならない可能性があります。しかし、日本からも観測することは可能とされています。

国立天文台が公開している情報によると、双眼鏡を用いれば、11月の中旬ごろ(17日、18日、19日)には「日の出前」の「東の空」のおとめ座の近くで観測できるそうです。その際は、おとめ座を構成する星の一つ、一等星の「スピカ」を目印にすると良いとのことです。

11月の下旬に近づくにつれ、少しずつ高度が下がるので、観測する場合は東側に高い建物のない開けた場所がいいですね。

11月下旬には、彗星が急激に光り輝く可能性が出てきます。その場合は、肉眼でも「彗星の尾」を確認できるかもしれません。しかし、太陽に最接近する11月29日前後は、太陽に近づきすぎるために地上からの観測は難しいと予測されています。

アイソン彗星は、今年の3月に地球に接近したパンスターズ彗星と同じく、回帰しない彗星です。今回の接近を見逃すと、二度と観測することはできないと予測されています。「二度と戻ってこない彗星の接近」という貴重な天体ショーです。

早起きして東の空を眺めてみてはいかがですか?

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年11月09日に公開されたものです

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