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「雲の種」はヨウ化銀!? 100年以上前からあった「人工降雨」のトリビア5選!

雨不足が深刻化していますが、東京都はその対策の一環として、人工降雨施設の試運転を21日に実施。人工降雨とはなんともSFチック…と思うのは記者だけでしょうか?

とはいっても、人工降雨の歴史は結構古く、アメリカの気象学者、チャールズ・ハットフィールドは今から100年以上前に人工降雨を成功させたといわれています。日本でも、1950年代から実験が行われていましたが、水力発電の発電使用比率の低下とともに下火になったそう。それが昨今、世界的な水不足が指摘されるようになり、人工降雨があらためて注目され始めています。ちなみに、東京都で行われた人工降雨施設の試運転は12年ぶり。

そんなわけで、今回はちょっとマニアックな人工降雨トリビアを紹介しましょう。

雲に種をまく!

人工降雨の仕組みを簡単に言うと、雨雲のなかにドライアイスやヨウ化銀などの物資を散布し、雨粒の核にすることで降雨を促します。この方法を「クラウドシーディング」(cloud seeding)と言うそうで、日本語に訳せば「雲の種まき」。なんともロマンチックですね。

あの大作家の兄も人工降雨を研究

現在、人工降雨にもっとも使われるのはヨウ化銀ですが、この方法を発見したのはアメリカの気象学者、バーナード・ヴォネガット。実はこの人、アメリカ文学を代表する作家、カート・ヴォネガットのお兄さんです。兄弟そろって別の世界で名をなすのは、やはり才能でしょうか。

環境に悪影響の可能性も?

水不足・干ばつ対策の人工降雨は、世界各地で行われていますが、ヨウ化銀には弱い毒性も。大量に摂取すれば人体に悪影響が出る可能性や、環境に与える影響を懸念する声もあります。ほどほどの使用がいいのかもしれませんね。

ロケットで人工降雨?

今回、東京都で使用された人工降雨施設は、装置の煙突から煙状にしたヨウ化銀を空気中に放出し、気流にのせて雲に到達させるというもの。その他にも散布の方法にはさまざまあり、飛行機による散布やロケット、大砲による打ち上げなどで人工降雨を起こす国もあるそうです。

ロシアでセメント降雨!

人工降雨技術が発展している国といえば、ロシアもその1つ。ソ連時代から、主要な祝日や重要な式典の日に降雨が予想される場合、事前にクラウドシーディングを行って雨を降らせ、当日は快晴になるように調整することがよくあるそう。

それだけ一般的に行われているせいか、とんでもない失敗をすることも。

2008年6月17日、ロイター通信によると、人工降雨作業中のロシア空軍機が、誤ってセメントが入った袋を落とし、民家の屋根を破壊したとか。セメント粉末も人工降雨に使われるそうです。


いかがでしたか? このまま雨不足が続けば、いよいよ人工降雨施設の本格稼働もありうるかも。今はまだちょっぴり楽しいですが、それが当たり前の時代にならないといいですね。

(羊おとめ/サイドランチ)

※この記事は2013年08月23日に公開されたものです

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