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離れたところから犬はどうやって家に帰るの?犬の帰巣本能の正体は!?

何キロも離れたところからワンコはどうやって家に帰るのでしょうか?

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犬の帰巣本能についてはいまだに諸説あります。人間の1億倍といわれる嗅覚を用いて主人の臭いを探し、少しでもそれがあればその方向に動きだすといわれます。また、脳内にある磁性体(生体磁石)を用いて方向を判断しているともいわれます。

ちなみに「方向の判断に使われているのではないか」といわれる「生体磁石」は人間の脳内でも確認されています(1992年にカリフォルニア大学の研究チームが人の脳内に生体磁石であるマグネタイトを発見しました)。

しかし、犬の帰巣本能なるものは飼育環境に大きく左右されることも知られています。例えば、室内でばかり飼育された犬は、外の環境に慣れていないため、道に迷ったりすることが多いといわれます。また犬種、個体による差も指摘されるところです。

犬の帰巣本能について、アニコム損害保険株式会社 予防推進部 課長の井上 舞さんにお話を伺いました。井上さんは獣医さんでもあります。

――すべての犬は帰巣本能を持っているのでしょうか?

井上先生 帰巣本能は持っているのでしょう。しかし、その能力がどの程度のものなのか、またどのような状況で発揮できるかについては、まだ定説はないと思います。また、犬種、個体によって違っているのが現実ですね。

――室内飼いをしている犬などは外に慣れていないので道を見つけるのが難しいのではないでしょうか。

井上先生 人間や道路に慣れていない犬は、おびえて隠れてしまったり、動けなくなったりする場合もあるでしょう。個体の性格などにも大きく依存すると思います。

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シベリアン・ハスキーでも帰ってくるという実例!

帰巣本能の薄い犬種もあるといわれています。例えば、「シベリアン・ハスキー」はその犬種の一つとされます。

しかし、ムーンというシベリアン・ハスキー(女のコ)が、なんと77マイル(123キロメートル)も旅して、ご主人であるダグ・ダシールさんの元に戻ってきたという例があるのです。しかも、砂漠、ホワイトリバー、ウォード・マウンテンを越えて、1週間もかかりましたが、帰ってきたのです。

2008年4月6日、旅の途中、レールロード・バレーで車を止めた隙にムーンは逃げ出しました。ダグさんは探したのですが見つかりません。仕方なくダグさんはネヴァダ州のエリー市に帰りました。

「もう二度と会えないだろう」と思っていたのですが、4月14日になって、エリー市に戻ってうろうろしていたムーンが発見されます。アルビン・モーリという人が見つけて保護しました。

ムーンには「ホワイトパインクリニック」(獣医さん)のタグが付いていて、そこにまず連絡が行き、そこから飼い主のダグさんに「ムーンの帰還」が知らされたのです。

⇒USA Todayの「ムーンの帰還」を報道する記事(英語)
http://usatoday30.usatoday.com/news/topstories/2008-04-18-48808116_x.htm

⇒ムーンとご主人の写真のあるサイト
http://brainz.org/15-pets-who-returned-home-remarkable-distances/

家のあるエリー市にまでたどり着いたのに、そこで迷っていたという点に愛嬌(あいきょう)があると思いませんか? 「そこから先は駄目だったのか」という気がしないでもないですが、それでも123キロメートルも旅してご主人の元まで帰ってきたのは立派ですね。

犬種、また個体によって違いはあるにせよ、犬に帰巣本能が備わっていることは確かなようです。しかし、その能力は、前述のとおり、飼育環境などによって大きく影響されるようです。


(高橋モータース@dcp)

※この記事は2013年08月01日に公開されたものです

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