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意思決定、あなたのタイプは?「慎重派のハムレット」「直情型のジュリエット」

●意思決定にはパターンがある
私たちが意思決定する時、無意識のうちに陥るいくつかのパターンがあります。あなたのパターンとはどのようなものでしょうか。ここでは、シェイクスピアの登場人物を例に探っていきます。

●慎重派のハムレット型は日本人に多い
ハムレット型とは、意思決定に慎重でなかなか決められないというもの。戯曲のハムレットは、父親の仇(かたき)がほぼ分かっていても、さらに証拠を求めている間に自分が殺される。毒を塗った剣で刺されて自らの死を悟ってから、父の仇(かたき)をやっと討つ。

●内面で葛藤(かっとう)―オフィーリア型
父や兄の言いつけを忠実に守り、恋人ハムレットの狂気が本物であるかを探ろうとするオフィーリア。あまりにも自分の意志を表面に出さず、周囲に振り回されてついには狂気に陥り水の中で果ててしまう。人生の重大事に自己主張や意思決定らしきことをせず、悲しい人生を終える。内面の葛藤(かっとう)が強い。

●ブルータス型は大義名分と自分の感情が混乱
シーザーを暗殺する一団に加わったブルータスは、ローマ人としての誇りを胸に大義のためにシーザーを討つ。しかし、内心、自分よりもマーク・アントニーをかわいがるシーザーをみて嫉妬(しっと)していた部分もありそう。このように大義名分を振りかざすが、実は感情で動いている自分に気付かないタイプ。

●直情型のジュリエット
ロミオとジュリエットのジュリエットは、死をもいとわずロミオに一直線に進む。実行力はすばらしいのだが、あまりにも一直線。直情型の意思決定をすると、思わぬ落とし穴が待っているかも。

●リア王の長女、次女型
リア王は、80歳を超えて国土を三人の娘に分け与える。長女と次女はずる賢く表面は父を愛していると伝えるが、裏では互いにだまし合い、長女は次女を毒殺する。一見利口そうに振る舞うが自滅するタイプ。

こうしてみると、悲惨なタイプばかりだが、これはすべて悲劇の主人公たちにたとえたから。人生を楽しくするには、こうした自分が陥りやすいタイプに気付き、ちょっと冷静になって考えてみる余裕も欲しいところ。

(文:深山敏郎/(株)ミヤマコンサルティンググループ/コミュニケーションズ・スペシャリスト)

著者プロフィール

コミュニケーション改善の請負人として、高級ホテル、外食チェーン、外車ディーラー、IT企業など、20年で延べ4万人あまりを直接指導。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。 http://www.miyamacg.com/ お問合せ先:info@miyamacg.com
執筆協力:石井公一(いしいきみかず 中小企業診断士)

※この記事は2013年05月17日に公開されたものです

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