
中古のiPhoneって本当に大丈夫? 失敗しない買い方のコツ
働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちがお悩み回答形式で紹介します。今回の回答者は鮎原透仁さん。
今回のお悩み「中古のiPhoneって本当に大丈夫?」
スマートフォンの買い換えを検討しています。今まではApple公式で最新のiPhoneを買っていましたが、価格も上がっているので中古でも良いのかなと思うようになりました。ですが、中古のスマートフォンを買うのは初めてなので、失敗しない買い方を教えてほしいです(30代前半/営業)
コスパ重視で選ばれる中古iPhone
ここ数年、中古iPhoneへの関心が高まっています。 その理由のひとつが、iPhoneのモデルチェンジが比較的緩やかで、2~3年前のモデルでも性能面で大きな遜色がない点。
また、AppleはiOSの長期サポートを行っているため、型落ちモデルでも最新のiOSを利用できるケースが多く、実用性は十分です。 さらに、中古であれば新品よりも2~5万円ほど安く購入できることも多く、価格面でもメリットがあります。
ただし、「価格の安さ」だけを理由に選んでしまうと、端末の状態や保証の有無などに注意が行き届かず、後悔することもあります。
そこで今回は、中古iPhoneを安心して購入するために知っておきたい「購入先ごとの違い」と「事前にチェックすべき5つのポイント」を紹介します。
中古iPhoneはどこで買うのが安心?
中古iPhoneの購入先にはいくつかの選択肢があり、それぞれ価格と安心感のバランスに違いがあります。
フリマアプリ(メルカリ・ラクマなど)
【安心感:△/価格:◎】
出品数が多く、価格がとにかく安いのが魅力です。ただし、個人間取引のため端末の状態や修理歴、バッテリーの劣化などを自分で見極める必要があります。 返品ができないケースも多く、初心者にはややハードルが高めです。
こんな人におすすめ:少しでも安く買いたい人/ある程度リスクを理解している中〜上級者
中古スマホ専門店(イオシス・ゲオ・にこスマ、ムスビーなど)
【安心感:◯/価格:◯】
端末の状態が「Aランク=美品」「Bランク=小キズあり」「Cランク=目立つキズや使用感あり」などでランク分けされ、動作確認やクリーニングも実施済み。
保証制度がある店舗も多く、たとえば「30日以内の初期不良に対応」「一定期間のバッテリー保証付き」などがあります。
フリマよりは価格が高めですが、安心感とサポートを考慮するとコストパフォーマンスは良好です。
こんな人におすすめ: 初めて中古を買う人/価格と安心感のバランスを重視する人
キャリア認定中古(docomo Certified、au Certified、SoftBank Certified)
【安心感:◎/価格:△】
各キャリアが自社で検品・整備した端末を再販しています。こちらも、購入から30日以内の初期不良対応が保証されていて、一定の品質基準を満たした端末のみが販売されているため、信頼性は非常に高いです。ただし価格は高めで、在庫やモデル数も限られることがあります。
こんな人におすすめ: 信頼性と保証を最優先したい人
Apple整備済製品(リファービッシュ)
【安心感:◎/価格:△】
Appleが公式に販売する整備済iPhoneで、外装とバッテリーはAppleによって新品に交換され、全機能の検査・調整が行われています。さらに1年間のメーカー保証も付帯しており、品質・サポートともに非常に高水準です。ただし在庫は不定期で、人気モデルはすぐに売り切れてしまうこともあります。
こんな人におすすめ: 新品に近い品質と安心感を重視したい人
中古のiPhone購入で失敗しないための「5つの確認ポイント」
価格や見た目だけで選んでしまうと、「こんなはずじゃなかった……」という後悔につながることも。購入前に、次の5つをチェックしておくことで、安心して使える一台にぐっと近づけます。
(1)外装の状態
中古品の見た目は価格に直結するポイントのひとつですが、「どの程度の使用感までOKか」は人によって異なります。たとえば「小さなキズは気にしない」という方もいれば、「画面やフレームにスレがあるだけで気になる」という方も。
購入前には、自分がどこまで許容できるかを決めておくと、後悔のない選び方につながります。ランク表示(A~Cなど)を参考にできる店舗も多いので、指標として活用するといいでしょう。
中古に慣れていない人やこだわりがある人は、実店舗で実際に端末を手に取って確認してみるのがおすすめです。
(2)バッテリー容量
iPhoneの「設定」→「バッテリー」から最大容量を確認できます。目安としては80%以上であれば日常使用に問題なし。これを下回ると交換を視野に入れる必要があり、費用は正規で1〜2万円、非正規で6,000〜1万円ほどかかります。フリマアプリでは、最大容量の記載やスクリーンショットがあると安心です。
(3)修理歴・パーツの正規性
見た目はきれいでも、実は修理歴がある端末も少なくありません。とくに非正規店で修理されたものは、安価な部品が使われていることもあり、タッチ操作の反応が悪かったり、バッテリーの減りが早かったりと、使ってから不満が出るケースも。
また、こうした端末は下取りの際に「ジャンク扱い」とされ、査定額が大きく下がるリスクもあります。
フリマや個人売買では、修理歴や部品交換の有無が明記されているかを必ず確認しましょう。その点、専門店やキャリア・Appleの認定品は、基本的にこうしたリスクを排除した状態で販売されているので安心です。
(4)保証の有無
中古品でも、購入後の“もしも”に備えた保証があると安心です。たとえば中古スマホ専門店では、7〜30日の初期不良保証があるところも多く、中には1年間の長期保証をつけているお店も。
キャリア認定中古やApple整備済製品は、あらかじめ保証内容が明示されており、条件もわかりやすく設定されています。
一方で、フリマアプリなどの個人間取引では保証がないのが基本。不具合があっても原則として自己責任になります。万が一のときの対応まで考えておくと、後悔のない選び方ができます。
(5)ネットワーク利用制限
中古スマホの商品ページでは、「ネットワーク利用制限」の表示があります。これは、端末代金の分割払いが終わっているかどうかを示すもので、通信が使える状態かを確認するための目安です。
○(支払い済み) → 問題なし
△(支払い中) → 今後制限がかかる可能性あり
×(滞納あり) → 通信不可
ただし、フリマアプリでも「△」と「×」の出品は禁止されているため、基本的には大きな心配はいりません。ネットワーク制限の判定記号は、購入ページに表示されていることが多いので、意味を知っておくだけでも安心です。
中古iPhoneを“安心して選ぶ”ためのマネーハックまとめ
・フリマは安さが魅力。でも見極めがカギ
・不安があるなら、専門店やキャリア・Apple認定品が安心
・外装は“どこまでOKか”自分なりの基準を決めておく
・外装だけでなく、バッテリー容量・修理歴もチェック
中古iPhoneは、新品より安く手に入る一方で、購入先や端末の状態によってはトラブルのリスクもあります。だからこそ、「どこで買うか」「何を確認するか」がとても大切です。 購入前にしっかりチェックし、価格と安心感のバランスを見極めながら、賢く選びましょう。
令和のマネーハック125
中古iPhoneは「どこで買うか」「何を確認するか」に気をつけて! 購入前に5つのポイントを確認しよう。
(文:鮎原透仁、イラスト:itabamoe)