【最終話】最後まで胸キュンが止まらない。松田元太演じる人見の大胆すぎる行動の結末は……
恋愛ドラマウォッチャーでライターの菜本かなさんが、『人事の人見(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。本作は、“人事部”に焦点を当てた、痛快オフィスエンターテイメント。令和の“無責任男”人見廉の活躍を通して、ストレス社会で頑張る全ての人々へ贈る応援ドラマです。果たして人見廉は、その名の通り“人を見る”ことができるのか、それとも……?
※本コラムは『人事の人見』最終話までのネタバレを含みます。
人見くんは、立て直し必須な会社に現れる妖精だったのかもしれない
『日の出鉛筆』の代表取締役社長に就任したのも束の間。「社長辞めます!」と宣言した人見くん(松田元太)。「俺は社長とか、誰かの上に立って誰かに動いてもらうのって、向いてないなって思って」と言っていたけれど、誰もが分かっていましたよね(笑)。人事部のみんなも、「うんうん」と大きく頷いていたし! やっぱり、人見くんは自由に動けるポジションがいちばん合っている。
しかし、ここでただ退任するだけでなく、「社長をやりたい人、向いている人がやった方がいい」「なんで、選挙しません?」と前代未聞の社長選挙を開催するあたり、人見くんらしいですよね。正直、人見くんって周囲を振り回しすぎるわがままボーイに映る可能性もあったと思うんですよ。みんなに止められても、突っ走っちゃったり、与えられた仕事を投げ出してしまったり……。
でも、演じている松田元太さんの愛されオーラが半端なさすぎて、どんなやばいことを言っていても許されてしまう(というか、笑えてしまう)のがさすがだなぁ、と。当て書きだから当たり前なのかもしれないけれど、人見くんは松田さんだったからこそ成立したキャラクターだと思います。
結局、社長選挙で次期社長に選ばれたのは、人見くんの直属の上司の平田部長(鈴木保奈美)! この展開、続編もありうるのでは……? と思いましたが、人見くんは「行かなきゃいけないところがあって、『日の出鉛筆』を離れる」と言い出しました。
どうやら、人見くんは南米を旅していた時に出会った人に「会社を変えてくれ」と頼まれているらしいんです。これって、里井常務(小日向文世)が人見くんを『日の出鉛筆』に誘った理由と一致していますよね。世界中に、里井常務のような人がいるって考えたら、すごすぎる……!
太陽みたいにキラキラしていて、吸引力を持っている人見くん。でも、どこか影がある気がするんですよね。おそらく、みんな彼のそういうギャップに惹きつけられているんだと思います。すべてオープンにしているように見えるけれど、実はほとんどの部分を隠している。全11話見ても、人見くんがどんな人生を歩んできたのかは、結局のところ分からないままでした。もしかしたら、立て直し必須な会社に現れる妖精だったのかも!?
人見くんは、「同じメンツで長いこと働くとか、こんなに大人数で一緒に働くってのが、俺初めてで」と言っていました。ということは、今まで会社勤めをしたことはなかったのか……? サハラ砂漠を横断したことがあるとか、シルクロードを旅していたとか、中南米で遭難していたとか……。断片的には明かされていたけれど、全貌は明らかになっていません。
『人事の人見』の続編orスペシャルがあったとしたら、そのあたりも知ることができたら嬉しいなあ。いや、むしろ謎めいているからこそ、人見くんは魅力的なのか!? どちらにせよ。またいつか、人見くんと『日の出鉛筆』人事部の素敵な仲間たちに会えることを願っています。
最終話の人見くんの胸キュンポイント♡
全11話、たくさんの胸キュンを届けてくれた人見くん。最終話も、やっぱり最高でしたね〜! とくに刺さったのが、新入社員の茅原さん(杏花)への接し方。茅原さんは、仕事も人間関係もうまくいっているのにも関わらず、会社に向かう時に足がすくんでしまう……という悩みを抱えていました。
そんな彼女に、「一緒にサボんない?」と声をかけた人見くん。この瞬間、「えっ、これって青春ラブコメだっけ?」と思ったのはわたしだけでしょうか。だって、2人がいる場所が、公園のベンチじゃなくて、学校の屋上に見えたんだもん……(少女漫画でよくあるシチュエーション)。
落ち込んでいる人を、バッティングセンターに連れていくあたりも、ナイスチョイスすぎますよね。一気に距離が縮まるし、ストレス発散にもなるし! 人見くんって、きっとモテてきてんだろうなぁ。ただ、モテようとしているわけじゃなくて、無自覚モテなタイプだから、「こんなにわたしのこと考えてくれるってことは、好きってことだよね!」なんて勘違いして告白しようものなら、「ごめん。そんなふうに見たことなかった」って振られちゃうやつです。
あと、人見くんってデフォでふざけているけれど、急に真剣になったりするじゃないですか。あのギャップ、落ちない人います? めちゃくちゃコアな視点になってしまうかもしれませんが、茅原さんに「新入社員研修向いてないくらいで決めなくてもいいんじゃない?」って言った時の声色が、ブッ刺さりすぎました。その直前まで、わりと明るめのトーンだったのに、急にお兄ちゃんっぽくなる感じ! 言ったあとの首コテンも、あまりにもズルすぎる!
そして、何と言っても最後の真野さん(前田敦子)とのシーンはキュンキュンが止まりませんでした。まず、真野さんが人見くんに抱きついた時の、行き場をなくした腕! あと、真野さんが人見くんの目を見つめた時、一瞬男の目になった気がしたんですよね。「うわぁ、人見くんってこういう目もできるんやぁ……」とギャップにやられました。
ただ、真野さんに「寂しいわ」と言われて、「俺もっす!」とポップに返していた人見くんを見て、真野さんのことを恋愛対象としては見ていなかったのかもしれないなと思いました。それを察していたから、真野さんは「人見くん、社員証つけっ放し!」とおもしろ路線に走ったのかな〜なんて。みなさんの考察も教えてもらえたら嬉しいです♡
ではでは、全11話お付き合いいただきありがとうございました! これからも、一緒にドラマを楽しんでいきましょう〜!
(菜本かな)