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怒らない人は優しい人ではない? 怒らない人の心理や本当に優しい人の特徴

井口藍

あなたの周りに「怒らない人」はいますか? あの人が怒らないのは優しいからだ、とは一概には言えないかもしれません。今回は怒らない人の心理や、本当に優しい人の特徴について解説します。

失礼な態度を取られているのに平気そうな顔をしている、仕事にルーズで同じ失敗を繰り返す部下に注意しない、など、あなたの周りに「怒らない人」はいますか?

実はそういった「怒らない人」は、優しいからこそ怒らない、というわけではないこともあります。

この記事では、必ずしも怒らない人は優しい人というわけではない理由、怒らない人の心理状態、本当に優しい人の特徴について解説します。

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「怒らないから優しい人」と一概には言えない理由

自分が失敗して怒られるのを覚悟している時、まったく怒られずに終わるとホッとする場合もあるでしょう。相手が優しい人で良かった、と感謝するかもしれません。

一方で、優しいという性格的理由ではなく、他の理由から怒らない人というのも存在します。ここでは、必ずしも「怒らないから優しい人だ」とは言えない理由を紹介します。

(1)本心は分からないから

怒って当然の状況で怒らないということは、「怒っていないからだ」「心が広い人で許してくれているに違いない」と思うかもしれません。

しかし、実は本心を隠すタイプの人で、怒りを態度で表していないだけの可能性もあります。

心の中は本人にしか分かりません。態度で示してくれない分、どの程度怒っているか分からず、相当な怒りを抱えている可能性もあるでしょう。

(2)怒り以外の感情を抱いているから

ある出来事に対する受け止め方や感情の示し方は、人それぞれ異なります。

多くの人が怒るようなことに対して、怒る以外の感情が芽生える人も存在します。

例えば、不誠実な仕事ぶりを見て、「お客さまに申し訳ない」「自分には指導力がない」と傷ついたり悲しんでいたりすることもあるのです。

怒りではなくとも、不快な思いをしている、相手を嫌う可能性があるという点では同じです。

(3)改善のチャンスを与えないから

誰しもが恋人や友人、家族などの人間関係で揉めてしまうこともあるでしょう。

そんな時、怒りとなって表に出る人同士であれば、相手がどう感じているかを見て取れるので、話し合いや接し方を変えるなど、どうすれば改善できるかを考えて行動しようとするでしょう。

しかし怒らない人の中には、諦めたり見限ったりして相手に改善のチャンスを与えずに距離を置くことがあります。怒ることにもパワーが必要なので、その労力をかけたくないから離れていくという人も。

見放された側が後になって気づいて、「それならその時に気持ちを話してほしかった」とショックを受けることも往々にしてあり得るでしょう。

▶なぜ怒らないのか? 次のページでは、怒らない人の心理を紹介します。

怒らない人の心理とは?

怒らない人は、何を思って怒ることを避けるのでしょうか? ここでは、怒らない人の心理状態について、3つのポイントから解説します。

(1)怒っても無駄だと思っている

怒らない人の中には、他人を変えることは難しいと考える人もいます。

コントロールできないものに怒りをぶつけるのは、自分の貴重な時間とエネルギーを無駄遣いしてしまうと考えます。相手に怒るよりも、自分の考え方や行動を変えた方が早いですし、成長できて得になるからです。

ポジティブで自責的とも言えますし、他人にそれほど興味がないとも言えるでしょう。

(2)怒る気もしない

怒りの感情を抑えているわけでも気持ちを切り替えているわけでもなく、そもそも相手に対して怒るほどの感情が生まれていないケースも。

元から他人に興味がない人もいれば、相手次第の人もいるでしょう。後者の場合は、本音で向き合える相手はごく親しい人だけで十分で、それ以外の人たちとはビジネスライクに付き合います。広く浅く付き合っているからこそ、関わる価値がないと思えば感情をぶつけることなくそっと見放すのでしょう。

(3)怒りたくない・怒れない

怒りの感情にはマイナス面も多いでしょう。疲れたり悲しくなったりして、怒りで感情が揺れ動くのがつらいと思う人も。

怒ることで相手や周りの人を不快にさせたくない、周りから嫌われたくないと恐れる気持ちが大きくなってくることもあるでしょう。

こういう人の場合は、周りが怒っているのを見ると気を使うので、自分が我慢すればいいと考えがちです。

▶次のページでは、相手のことを思って怒る「本当に優しい人」の特徴を紹介します。

「本当に優しい人」の特徴とは?

知らないところで何かを失うくらいなら、いっそ怒ってくれた方がありがたいのかもしれません。「怒られているうちが華」というのもあながち外れていないといえるでしょう。

理不尽な怒りではなく、相手のことを思って、恨まれるリスクも承知の上で怒ることを選んでいる人は、優しさゆえの可能性もありそうです。

ここでは、本当に優しい人の特徴について、5つの観点から解説します。

(1)罪を憎んで人を憎まず

本当に優しい人は、失敗に対する捉え方に特徴があります。失敗は失敗でしかなく、本人を責めることに意味はないと考えます。

たとえ失敗を繰り返す人だとしても、いずれは学んで成長することに期待をかけます。目の前の出来事や1つの事象だけで判断をすることを避け、特に人に対しては長い目で見守る傾向があるでしょう。

(2)相手の言い分や状況をくみ取る

誰から見ても怒って当然のことだったとしても、相手側にも何かしらの事情があるはずだと考えます。

自分の怒りだけをぶつけたり、怒りに任せて判断が狂ったりすることはなく、冷静に状況を分析します。認識や考えの違いがあって当然で、その違いを明らかにして、お互いに歩み寄る努力を欠かさないよう努力しているのです。

(3)改善方法に目を向ける

怒りは過去に向けられた感情で、もう済んだことにこだわるのは建設的とはいえません。

怒りが前面に出ると、相手も動揺や怒りで感情的になってしまい、良いことはないはずです。

本当に優しい人は、怒りの感情を手放し、相手に改善のチャンスを与える方を優先するでしょう。相手の成長や長期的に状況が好転することを見据えて接するので、一時の損を損とは思わない器の大きさがあります。

(4)耳の痛いことも指摘してくれる

本当に優しい人は、相手を一瞬気分良くさせることよりも、将来的に成長したり、周りから信頼されたりすることを意識して接します。

改善すべき点があれば、本人の気分を害することだとしても伝えるでしょう。相手が受け止めるまでに時間がかかり、一時的に関係性が悪化したとしても、必要なことだと信じて指摘しているのです。

(5)本当に必要な時は叱ってくれる

相手を思って怒る場合、「怒る」ではなく「叱る」と表現する方が適しているのかもしれません。「怒る」は自分の感情に任せてぶつける、「叱る」は相手の成長を思って注意をするというニュアンスの違いがあります。

本当に優しい人は、相手のことを大切に思っているからこそ、真剣に叱ることもあるでしょう。愛情や熱意の強さのあまり叱ってしまうこともあれば、叱った方が相手に真剣さが伝わると考えて意図的に行う場合も。

叱ることにも力が必要で、ストレスも感じるものです。相手に嫌われる可能性だってあります。本当に優しい人には、そんなリスクを受け入れてでも、相手の成長を促すために行動できる勇気があります。

また、強めに叱ったとしても、相手を見放すことなく、フォローをしながら近くで見守ってくれるでしょう。

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怒らない理由の多様さを知ろう

怒られて楽しいことはありません。「怒られなくてラッキー!」と思いそうになった時は要注意。実は損をしているかもしれません。

周りと良い関係を築いたり、スキルを磨いたりするためには、怒られた方がいいことも。あなたのことを応援して叱ってくれる人がいたら、素直に受け止めて努力しましょう。成長が一番の恩返しになるはずです。

(井口 藍)

※画像はイメージです

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