お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「浅慮」の意味とは? 正しい使い方や類語、四字熟語を解説

上色ゆるり

「浅慮」の読み方や意味を知っていますか? 日常生活ではあまり使われない言葉ですが、知っておくとビジネスシーンでも役立つはずです。基本的な使い方や「浅薄」などの類語や反対語、関連する四字熟語も覚えて、言葉の意味を理解しましょう。

「浅慮」は、友人や家族との日常会話ではあまり使われない言葉なので、意味はもちろん、読み方すらも知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「浅慮」の読み方や意味、使い方を解説します。

「浅慮」を使う時の注意点、関連する四字熟語や対義語なども紹介します。

ビジネスシーンでは度々登場する言葉なので、いざという時に困らないよう、正しい知識を身につけておきましょう。

浅慮の意味は「考えが浅はかなこと、浅はかな考え」

「浅慮」の読み方は「せんりょ」です。

浅いことを意味する「浅」と、考えることを意味する「虜」という2つの漢字から成り立っており、「考えが浅はかなこと、浅はかな考え」という意味の熟語です。

「浅慮」の正しい使い方

「浅慮」は、どのような時に使われる言葉なのでしょうか。正しく適切に使いこなせるよう、「浅慮」の使い方についてもチェックしておきましょう。

基本的には「浅慮な人」「浅慮な~」「浅慮だった」

「浅慮」は、「浅慮な人」や「浅慮な~」、「浅慮だった」というように使うのが一般的です。

「浅慮な人」とは、物事を深く考えずに行動する人、発言する人のことを指します。ネガティブなニュアンスで使うことが多いようです。

人以外にも、深く考えずにとった言動、行動を言い表したい時にも使われます。

例えば「浅慮な発言」は、浅はかな考えのもと発した言葉という意味となり、「浅慮な判断」は、深く考えずに判断したことを指します。

例文

・その浅慮な行動が周囲に迷惑を掛けるんだよ。

自分に対する謙遜としても使う

自分を対象として使う場合の「浅慮」は、謙遜の意味になります。

「自分の考えが浅はかである」と、自分を低く見せることで謙虚な姿勢を相手に示すことができます。

例として、「浅慮ではありますが」「私の浅慮によるものですが」「私の浅慮さから」などのような言い回しが挙げられます。

「浅慮ではありますが」や「私の浅慮によるものですが」という言い回しは、目上の人に対して意見を述べる時や、提案する時に使うことができます。

「自分の考えは浅はかなのですが」と前置きすることで、上から目線に感じさせることなく、自分の意見や提案を伝えることができます。

「私の浅慮さから」という言い回しは、謝罪をする時によく使われています。「自分の考えが甘かったせいで、このような事態が起きてしまった」というように、自分が原因だと明確に述べることで、反省の姿勢を示すことができます。

以上の使い方は、特にビジネスシーンで活躍するのでぜひ覚えておきましょう。

例文

・自分の浅慮を恥じる。

・私の浅慮の致すところです。大変申し訳ございません。

「浅慮」の間違った使い方

前段で、「浅慮な発言」「浅慮な判断」など、「浅慮な~」という使い方を紹介しましたが、「浅慮な考え」は間違った使い方です。

「浅慮」という単語自体が「浅はかな考え」を指す言葉で、意味が重複してしまうためです。

また、「浅慮する」というように、「浅慮」を動詞として扱うのも誤用です。

読み方がやや似ている「善処(ぜんしょ)」という単語があり、この単語は「善処します」と使うことができるため、「浅慮します」と使ってしまう場合があります。しかし、これは間違った使い方なので注意しましょう。

「浅慮」を用いた四字熟語は?

「浅慮」を使った四字熟語もいくつか存在します。

ここでは、使われることの多い四字熟語を2つ紹介します。ニュースや本などで頻繁に登場する言葉なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「浅慮遠望」

「浅慮遠望」は、「せんりょえんぼう」と読みます。

「浅い考えのこと」を指す「浅慮」と「遠くを眺めること」を指す「遠望」を組み合わせた四字熟語です。

よく考えもしないで、将来を見据えること、未来の計画を立てることを意味します。

「集団浅慮」

「集団浅慮」とは、何かについて議論するにあたって、集団で行った結果、不適切な判断をしてしまうことを意味する四字熟語です。

心理学者のアービング・キャニスが提唱したもので、「グループシンク」とも呼ばれています。

通常、正しい決断をするには、さまざまな視点で物事について考える必要があるため、複数人で議論する方が良いとされます。しかし、時にはそれが逆効果となることもあるのです。

例えば、議論するテーマについて詳しい人や、社長や上司など上の立場の人がいる場合、その人の意見に流されてしまうことがあります。

また、複数人が集まることで結束が強まり、本当は間違っている判断であっても「自分たちは正しい」と思い込んでしまうこともあります。

このように、個人であれば冷静、かつ適切に判断できたことを、集団で議論してしまったが故に、正しい判断できなくなってしまう現象を「集団浅慮」といいます。

「浅慮」の類語・言い換え表現は?

ここからは、「浅慮」と意味が似ている単語について解説していきます。

「浅慮」という言葉を知らない人にも分かりやすく伝えられるよう、言い換え表現も覚えておきましょう。

「浅薄(せんぱく)」

「浅薄」とは、考えや知識が浅はかなことを指す言葉です。

考えが浅いこと、あまり深く考えないことを意味するという点では、「浅慮」と共通しています。

しかし「浅薄」は、考えが浅いことだけでなく、知識が浅いことも意味として含まれている、という点で違いがあります。

「短慮(たんりょ)」

「浅慮」の類語である「短慮」は、2つの意味を持つ単語です。

1つは、「浅慮」と同じ「考えが浅はかなこと」という意味で、もう1つは「気が短いこと」「短気」という意味です。

考えが浅いという意味で使う場合は、「浅慮」に言い換えることができます。しかし、気が短いことを表現する場合は「浅慮」に置き換えることができません。

また、「浅慮」を「短慮」に置き換える際、前後の会話、文脈によっては「気が短いこと」と捉えられてしまう恐れもあるので、使い方に注意しましょう。

「軽率」

「軽率」とは、物事を深く考えずに行うさま、浅い考えで行動することを指します。

「浅慮な発言」は「軽率な発言」、「浅慮な判断」は「軽率な判断」というように言い換えることができます。

「浅慮」は「浅はかな考え」という思考を指す言葉であるのに対し、「軽率」は「浅はかな考えでの行動・態度」を指す言葉で、若干のニュアンスの違いがあります。

しかし、2つの単語の意味が似ていることから、類語として扱われています。

「短絡的」

「短絡的」とは、物事を深く考えずに、原因と結果をすぐに結びつけてしまうことです。

深く考えないこと、考えが浅いことを指すという点で、「浅慮」と似ています。

日常的な会話でも使われることの多い言葉なので、「浅慮」の意味を知らない人とのコミュニケーションでは、「短絡的」を言い換え表現として使うのがおすすめです。

「浅慮」の対義語は「深慮(しんりょ)」

「浅慮」の対義語は、「深慮」が挙げられます。

「深慮」とは、「物事を深く考えること」「深い考え」を指します。「考えが浅いこと」「浅はかな考え」を指す「浅慮」とは、正反対の意味を持つ言葉です。

「深慮」を使った、「深慮遠謀」という四字熟語もあります。深く考えた上で将来を見据えること、という意味で「浅慮」を使った四字熟語「浅慮遠望」の対義語にあたります。

どちらも「えんぼう」という同じ読みの単語が入っていますが、「浅慮」には「遠望」、「深慮」には「遠謀」というように、使う漢字が違うので注意しましょう。

時と場合を見極めて「浅慮」を正しく使おう

「浅慮」という単語は、ネガティブなニュアンスが含まれているので、むやみに使うのは推奨できません。使い所によっては、誰かを傷つけてしまったり、失礼な発言になってしまったりすることもあるでしょう。

ですが、適切に使えば役に立つ言葉でもあります。

謝罪の時や意見を述べる時に使えば、謙虚で誠意のある姿勢を示すことができます。また、浅はかな考えを指摘することで、部下や後輩への教育に役立つ場合もあります。

どのような時にどのような意図で使うべきか、正しく見極められるようになるためにも、言葉の意味と使い方をきちんと把握しておきましょう。

(上色ゆるり)

※画像はイメージです

SHARE