人生なんとかなる! 気楽でしなやかに生きるための方法
生きていると、困難にぶち当たったり挫折したり、思い通りにいかない人生にへこんだりすることはありませんか? どん底にいても「人生なんとかなる!」と楽観的に前を向いて生きていきたいものですよね。この記事では、気楽でしなやかに生きるための方法や、ヒントとなる本・漫画について、心理カウンセラーの萩原かおりさんに解説してもらいました。
仕事や恋愛など、日常生活を送っているとさまざまな困難にぶつかり、悩みを抱えるものです。
なかなか思い通りにいかない人生を楽しむには、「人生なんとかなる!」という前向きな姿勢が求められます。
そこで、健やかな心で人生を送るための方法についてご紹介します。
人生はなんとかなるものなの?
悩みが深ければ深いほど「なんとかなる」とは思えないものです。
実際、人生はなんとかなるものなのでしょうか。
人によって抱えている悩みの深さは異なりますが、たとえ悩みの根本的解決には至らなかったとしても、自分の考え方次第で人生の「捉え方」は変わります。
カウンセラーは「人は変えられない」と考えています。
そう考えていると、無理に人格を変えようとするのではなく、ものごとの捉え方や関わり方を変える方向に注力でき、柔軟な思考ができるようになります。
そして客観的にものごとを捉えられるようになり、悩みを解決するまでの道筋も描きやすくなるのです。
自分の性格をいきなり変えようとするのではなく、考え方を変えて楽に生きられる方法を模索しましょう。
ちがう視点から悩みと向き合うと、今よりも気楽に考えられるはずです。
人生はなんとかなるもの! 気楽に生きられる考え方
悩みの解決策を見つけ「人生なんとかなる!」と思うためには、どんなことを実践すればいいのでしょうか。
取り入れてほしい具体的な考え方を解説します。
(1)ものごとのいい面を見る
感情は思考によって生まれるものです。
つまり、不安になったり苦しくなったりするのは、出来事ではなく考え方が原因。
自分の考え方を変えれば、不安や苦しみは軽減できるのです。
ものごとの悪い面ばかりを見るくせがついていると、抱く感情もネガティブなものになります。
まず自分のどんな考え方がネガティブな感情を生んでいるのかを分析し、ものごとのいい面にも目を向けましょう。
たとえば上司に厳しい言葉をぶつけられて落ち込んでしまったとき、「きっと自分に失望したんだ」「私のことが気に入らないんだ」と考えるとネガティブ気持ちになります。
反対に「成長させるためにあえて厳しく言ってくれたんだ」「期待されているからこそはっきり指摘されたんだ」と考えれば、ポジティブな気持ちになります。
同じ出来事が起きても、考え方によって抱く感情は大きく異なるのです。
意識的にいい面を見るようにしましょう。
(2)人生の主人公は“自分”だと心得る
とはいえ、考え方を変えるのは簡単ではありません。
少しずつ意識してゆっくり変えていけばいいのです。
その意識づくりの一環として「自分の人生の主人公は自分だ」という認識を持ちましょう。
「なんとかなる」と楽観視できない人のなかには、幼少期にまわりから厳しく教育されるなどなんらかの圧力を感じながら育ち、自分の人生がまわりにコントロールされているように思っている人もいます。
しかし、それも周囲の意図と自分の認識にずれが生まれただけであり、その人の人生が他人から侵害されることはありません。
いつもあなたの人生のハンドルはあなたの手のなかにあり、だれかにそのハンドルを奪われることは過去・現在・未来のどの時間軸でも起こりえないのです。
もちろん、これからの人生もどの方向へ行くか、今この瞬間から自分で選ぶ自由があります。
先入観を取り払い、自分の意志の赴くままに行きたい方向を目指しましょう。
(3)悩むメリットを探してみる
どうしてもネガティブ思考から抜け出せず悩んでしまう場合、悩むメリットとデメリットを考えてみましょう。
このまま悩み続けたときのメリットはなんでしょうか、デメリットはなんでしょうか。
悩み続けるデメリットはたくさんありますが、メリットはひとつもないことに気づくはずです。
こうしてデメリットの多さが明確になると、「早く解決しなければ」と問題解決意識が強くなります。
悩むデメリットを明確にする際は、自分の思考パターンを理解する必要があります。
「何に悩んでいるのか」「どうして苦しいのか」と考えていくと、その根底に自分の否定的な考え方があることがわかるでしょう。
そして否定的な考え方に客観的な根拠があるのか分析すると、はっきりとした根拠はないとわかります。
「自分は根拠なくネガティブに考えていたから苦しかったのだ」と自覚できれば、苦しみは和らぎます。
「なんとかなるかも」という希望も抱きやすくなるでしょう。
(4)安心できる「自分の居場所」を作る
カウンセリングの認知療法では、苦痛を感じる人の考え方は固定化しやすく歪みやすいとされています。
「ダメに決まっている」といった強い思い込みがあり、考え方を変えるには時間がかかります。
心を軽くするためのアプローチとして、安心できる場所を見つけるのもおすすめです。
20~30代の成人期は、自分の幸せの土台を作り安定を求める時期とされています。
これは結婚願望が強まる一因でもあります。
他者と親密な関係を築いて自己開示し、相互理解を深めて共感性を高めることで、どんなときも安心できる自分の確固たる居場所を獲得できるのです。
もちろん結婚に限らず、なんらかのコミュニティで信頼できる人間関係を構築できれば「自分の居場所」になります。
幸せの土台となる親密な対人関係の構築に努めれば、悩んだときも心のよりどころになり「きっとなんとかなる」と人生に対して前向きになれるでしょう。
人生なんとかなる! と思わせてくれるおすすめ本&漫画
「人生なんとかなる!」と思わせてくれる本や漫画をご紹介します。
悩んでいるときも背中を押してくれ、心が軽くなることでしょう。
(1)『フルーツバスケット』
別に 急に強くなれた訳じゃないし 何かが変わった訳でもない(中略)大切なのは 弱さ故の向上心
『フルーツバスケット』(高屋奈月著)より
『フルーツバスケット』(高屋奈月著)は、登場人物たちそれぞれが悩みを抱えており、葛藤しながら乗り越えていく漫画です。
だれひとりとして強い人間はおらず、他者とコミュニケーションしながら少しずつ前を向いていきます。
前向きになるまでの過程がストーリーでていねいに描かれているので、共感しやすいのではないでしょうか。
漫画ですから、活字が苦手な人でも読みやすくおすすめです。
(2)『私とは何か 「個人」から「分人」へ』
唯一無二の「本当の自分」という幻想に捕らわれてきたせいで、非常に多くの苦しみとプレッシャーを受けてきた
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』(平野啓一郎著)より
『私とは何か 「個人」から「分人」へ』(平野啓一郎著)では、“分人”という概念を用いて「素の自分」「本当の自分」といった絶対的な自分は存在しないと説いています。
自己評価が低く「自分はダメな人間だ」と思い込んでいる人にぴったりの一冊です。
自己の捉え方が自分の首を絞めていることに気づくのではないでしょうか。
(3)『永い言い訳』
悲しいことは起きるけど、そのとき世界のどこかでは、また嬉しいことも起きてるんだ
『永い言い訳』(西川美和著)より
『永い言い訳』(西川美和著)は映画化もされたラブストーリーで、妻が死んでも泣けない作家男性が主人公です。
妻を亡くした2人の対照的な夫を軸にしてストーリーが展開し、家族を失った男性がどのように人生を取り戻すのかが描かれています。
人間の弱さや醜さも描写しつつ、愛とはなにかを深く問う内容に仕上がっていて、他者との関わり方を見つめ直すきっかけになるでしょう。
人間関係が人生の苦難を乗り越えるカギだとわかります。
自分の客観視して深く理解することが大事
「人生なんとかなる!」と思うには、自分を客観視して自己理解を深め、自分の問題を解決する必要があります。
ネガティブな感情を生み出している自分の考え方のくせを把握し、マイナス思考に陥りそうになったら意識的に気分転換したり、ご紹介した「気楽に生きられる考え方」を実践したりしてくださいね。
自分で問題を解決して前を向く力が培われますよ。
(萩原かおり)
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