感情的になる人の心理。今すぐ使えるコントロール術
イライラして怒ったり、不安になって泣いてしまったりなど、すぐに感情的になっていませんか? 感情をコントールできないと、相手を傷つけたり、周囲の人から信頼を失ったりする可能性があります。そこで今回は、心理カウンセラーの高見綾さんに感情的になる原因と感情をコントロールするコツを解説してもらいました。
感受性が豊かで、すぐに感情的になってしまうことで悩んでいる方は少なくないかもしれません。
まわりの人に迷惑をかけてしまうので、感情をコントロールできるようになりたいと思っている人もいるでしょう。
今回は、感情的になってしまう人の心理を紐解きながら、感情をコントロールする方法について紹介します。
感情的になってしまった場合の対処法についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
感情的な人の心理
まずは、感情的になってしまう人の心理について説明します。
1.自分の気持ちを理解してほしい
相手がどう思っているかということよりも、自分の気持ちをわかってほしいという思いが先行してしまう傾向があります。
論理的に気持ちを伝えるのが苦手なので、感情的になることで、自分の気持ちを理解してもらいたいと思っています。
2.不安感が強い
心に余裕がなく、不安感が強いです。
そのため、ちょっとした刺激でも感情が大きく揺さぶられてしまいます。
不安があると、自分のことを考えることでいっぱいになってしまい、冷静に物事を考える余裕がなくなってしまいます。
3.自分の思い通りに物事を進めたい
感情的な人は、想定外のことが起きると不安感からパニックになりやすいです。
自分の思い通りに物事を進めたいという気持ちがあり、状況をコントロールしたがります。
自分の思う計画から外れてしまうと、気持ちが落ち着かなくなり不機嫌になることも多いです。
4.自信がない
自己肯定感が低く、自分に自信がありません。
そのため、自信のない弱い自分がバレてはいけないと、自分を守ろうとします。
自分が不利になると、感情的になることで状況を乗り切ろうとする傾向があります。
5.自分を否定されたと思いがち
物事が自分の思い通りにいかなかったり、反対されたりすると、自分を否定された・バカにされたと受け取りがちです。
まわりとしてはそういうつもりじゃなかったとしても、自信のなさや自分の弱さに向き合うことが苦手なので、過剰に反応してしまうことがあります。

誰しも思い通りにいかなかったら、つい感情的になってしまうもの。あなたの「感情的な人度」を10の質問で診断します。
感情をコントロールする方法
次に、感情をコントロールできるようになるコツを見ていきましょう。
1.ネガティブな気持ちを紙に書き出す
感情的になりやすいのは、心に余裕がないことも大きな原因のひとつ。
体調を整えてこまめに感情をケアしてあげることが、感情的にならないためのコツです。
ネガティブな気持ちになったときは、紙に書き出してみましょう。あとで読み返さなくてよいので、文脈などは気にせず、思いつくままにひたすら書き出します。
すると、なぜ自分がネガティブな気持ちになってしまったのか、自分でも気づかなかった理由を発見できることがあります。
気持ちがスッキリするまで書けたら、紙は破って捨てましょう。
2.自分と向き合う時間をつくる
気持ちが揺れるときは、1日に5分でもいいので自分と向き合う時間をつくりましょう。
お風呂の時間にやってみるのがオススメです。今日1日を振り返り、どんなことがあって、どんな気持ちになったのか、それはどうしてなのか、状況を整理します。
「今日は、友だちのひと言に嫌な気分になっちゃったなぁ。なんでだろう? そっか、私、自分が否定されたような気がしたんだね」など、独り言を言うようなつもりで、自分の気持ちを言葉にしてみてください。
すっきりしますし、自分が感情的になってしまう理由にも気づくでしょう。
また、自分の気持ちを受け止めてあげることができたという安心感が生まれます。
3.不満はこまめに吐き出す
感情的になってしまう人は、日ごろから我慢している人が多いです。
物わかりのいい人になりすぎると、かえって反動がきてしまうので、こまめに不満を吐き出すようにしましょう。
「これくらい大したことないし」と自分が思うようなレベルのときに吐き出せば、言い方も軽くなるのでお互いにダメージが少なくて済みます。
相手を責めるような言い方にならないように注意しましょう。たとえば、「この書類はこうやって書いてほしい。そのほうが読みやすいから」など、理由をちゃんと添えて自分の希望を伝えるような言い方をすれば、相手にも伝わりますし、自分のガス抜きにもなります。
4.相手に意識を向ける
感情的になる人は、自分に意識が向いていることが多いので、外にいるときは、相手に意識を向けるようにしましょう。
自分がどう思うかではなく、相手の気持ちを理解しようとしてみてください。
自分の考えとちがうことを相手が言ったときも、相手の話を否定せずに最後まで聞くようにします。
意識を自分以外に向けるようにすると、感情的にならずに済みます。
5.自分を客観的に見る目を養う
外にいるときは、自分を見る、もうひとりの自分の目を持つようにします。
一歩引いた第三の目を持つようにしていると、自分のことを客観的に見ることができるようになります。
今、自分が不機嫌になったら、まわりからはどう見えるのか、そのあとどういう影響が出るのかということを想像してみます。
一時の感情に振り回されるのではなく、そのあとの影響についても客観的に見ることができるようになると、少しは冷静になれるはずです。
感情的になってしまったときの対処法
感情的になってしまう人は、イラッとした瞬間に何か言ったり行動したりすることが多いので、感情があふれてきそうな感覚になったら、ひと呼吸置くことがポイントです。
決して、その場でなんとかしようとしないことです。
トイレへ行くなどその場を離れる
「その場で感情をぶつけてもいいことはない」と心に留めて、オフィスで怒りが沸いたときには、席を立ってトイレに行ったり休憩室に行ったりして、まずその場から離れましょう。
電話中なら電話を切る
社外の人との電話中に衝動が湧き上がってきたときには、「かけ直します」と言って、いったん電話を切りましょう。
冷静になれるよう頭を冷やす
そして温かい飲み物を飲んだり、深呼吸したりして、冷静になるように頭を冷やします。
感情が爆発してしまったときも、その場でなんとかしようとせずに、まずはひとりになって冷静になることを意識しましょう。
素直に謝る
まわりの人に迷惑をかけてしまったのなら、素直に謝ることも必要です。
まわりの人は感情的になった人を見て、びっくりしてどうしていいかわからなくなっていることが多いので、「これこれこういう理由でカッとなってしまいました、ごめんなさい」と真摯に対応するといいですね。
こまめに感情のケアをして、心の余裕をつくろう
人間なので、誰しも感情的になってしまうことはあります。
でも、たびたび感情的になってまわりの人に迷惑をかけてしまうのは、望んでいることではないですよね。
日ごろから我慢しすぎていると、解放されない感情が溜まっていき、ちょっとした出来事でも感情的になってしまうことがあります。
そうならないように、日ごろからこまめに感情のケアをしたり、自分と向き合う時間をつくったりして、心の余裕を持つようにしていきましょう。
自分を見つめる客観的な目を養い、感情豊かな自分と上手に付き合っていきたいものですね。
(高見綾)
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