知ったかぶりに要注意!美容院で勘違いした注文をしていませんか?
美容院でパーマのロッドを細かく指定したり、「サイドは~、トップは~」とわかったつもりで話す人もいますが、中途半端な知識では間違っていることも多いとか。
【どのくらいの頻度で美容院に行く?】
また、芸能人と同じ髪型にしてほしいと頼むのは、アリなのでしょうか?
お客さまに対して美容師さんが考えていることを、港区表参道の美容院「LUPIAS(ルピアス)」のオーナー、佐藤公徳(さとうこうとく)さんにこっそり教えてもらいました。
●プライドを傷つけないように説明する
――自分とかけ離れた芸能人と同じ髪型にすることはできるのでしょうか?
「同じような雰囲気にすることはできますよ。ただ、例えば『沢尻エリカ』になりたいと言われても、そのまま鵜呑みにはしません。彼女のどこに憧れているかというのは人によって異なるからです」
――もし、そのお客さまに「似合わない」と思ったらどうするのですか?
「確かに、髪型には骨格・髪質なども重要となります。また、キャラによって似合う髪形も違うでしょう。けれども、お客さまの要望を土台に、いかに似合うようにするかは美容師の腕の見せ所ですかね。美容師って何気なく雑談しているように見せて、実はいろいろと探りながら話しているのですよ(笑)」
――「サイドは~、トップは~」と細かく注文を出されるお客さまで、間違っていることもあると聞いたことがあるのですが……。
「正直なところ、そういう方もいらっしゃいますね。その場合は、お客さまのプライドを傷つけないように意識しながら説明します。そして、この部分は『任せてください』と言います」
●シャンプーはリラクゼーションではなかった
――施術前のシャンプーを断ってもよいのですか?
「大丈夫ですよ。ただ、髪の化学的な性質として、塗れた髪のほうがカットの切り口が滑らかとなります。肉眼ではっきりと確認できないかもしれませんが、やはり毛先のイメージには差が出ます」
――例えば、節約のために、自宅でシャンプーしてから行くのはどうなのでしょう?
「うーん、パーマやカラーの場合、髪の汚れがしっかり落ちていないと、薬剤が髪に浸透するのを妨げるゆえに薬剤を大量に使わなくてはならず、髪への負担が大きくなりますね。逆に、ごしごしとシャンプーをして頭皮が傷ついていると、揮発性のある薬剤が頭皮に滲みる可能性もあります。
シャンプーをリラクゼーションだとか、料金をとるためだと考えている方も多いのですが、実はシャンプーってけっこう美容技術として重要なんですよ」
●やはり、自分自身でも努力すること
――「自分では、美容院でセットしてもらったときと同じ髪型にできない」という声もよく聞くのですが……。
「これは、美容師の考え方によりますね。僕の師匠は『プロなんだから、お客さまができないスペシャルな髪型にして帰してあげるべきだ』と考えていました。一方、僕は自分自身で再現できないと、悲しくなる気がするんですよね。
ですので、お客さまにも再現できる髪型を意識しますが、プロとして自力でやるときの2割増しには綺麗にセッティングします。
そして、やっぱり、ある程度はお客さまご自身にも努力してほしいです。『洗いざらしの髪を放置したままでも美容院に行った直後と同じくらい”美しく”』というのを望むのは、なかなか難しいですよね? 美は、自分自身でも努力することが大切だと思います」
――客側が、美容院でやめたほうがよいことはありますか?
「施術中に雑誌を前かがみで読むのはやめたほうがよいです。頭の位置を戻しても、またすぐに同じ姿勢に戻るんですよね。
10人のうち2~3人くらいはその傾向があるのですが、どんなに経験がある美容師でも、髪の毛が全て前屈みに倒れた状態でカットするのは技術的にも難しくなります。やめたほうがよいでしょう」
心のどこかで気になっているけれど訊けないことを知ることができて、とてもすっきりしました。ズケズケといろいろ訊いてスイマセンでした。そして、どうもありがとうございました!
取材協力:株式会社Master mind 代表取締役社長 美容師 佐藤公徳さん
美容院「LUPIAS(ルピアス)」 http://lupias.com/
(OFFICE-SANGA 臼村さおり)