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気力が出ない……。気力を回復させる方法

笹氣健治(心理カウンセラー)

最近どうも気力がわかない、仕事もプライベートも楽しめない、毎日がつまらない、つらい……といった気持ちになったことはありませんか?

過去にそういう状態になったことがある人も、気づいたらいつの間にか気力が回復していた、という場合がほとんどだと思います。でも、できればなるべく早くそういう状態から抜け出したいですよね。

なぜ気力がわかないのか、どうすれば気力を回復できるのか。

今回は「気力」について考えてみたいと思います。

そもそも気力とは?

「気力が充実している」とか「気力に乏しい」といった表現をしますが、気力が充実しているときというのは、元気いっぱいで体中にパワーがみなぎっていて、前向きで明るい気持ちになっている状態。

やる気やモチベーションが高く、いろいろなことに積極的にチャレンジできたり、困難があっても粘り強くやり抜いたりできます。

逆に、気力に乏しいときは、元気がなくてパワーダウン、後ろ向きで気持ちも暗くなっている。何をやるにしてもやる気がわいてこない、いろいろ計画したり行動したりすることすら難しくなります。

要するに気力とは、何か行動をする際に必要な「元気」や「パワー」ととらえることができます。

気力の正体は身体感覚です。気力がある・気力がない、というのは、身体の感覚としてそう感じているのです。

体のコンディションもメンタルの状態もいいときの身体感覚は「気力が充実している」状態で、逆に体のコンディションもメンタルの状態も悪いときの身体感覚は「気力に乏しい」状態です。

気力がない、気力が出ないときとは

気力は、身体とメンタルの調子によって左右されます。

気力が出ないときは、身体とメンタルの調子がともに悪いときですが、具体的にどういうときなのか、主な4つのケースを挙げてみたいと思います。

ケース1:病気や生理のとき

病気になって体調が悪くなっているときは気力がわいてきません。

体がだるくなり、頭もぼーっとして、意欲的に行動したり頭を使って何か考えたりすることができなくなります。女性の場合は生理がひどいときも同様です。

身体のコンディションが万全であることは、気力が充実するためには欠かすことができない重要な要素です。

ケース2:疲労がたまっているとき

長時間残業が続いたり、休日もなく働き続けたりしていると、睡眠時間が十分にとれないために疲労が回復せず、身体のコンディションがどんどん悪くなっていきます。

すると、集中力や忍耐力が低下し、がんばろうという意欲もわいてこなくなります。疲労の蓄積も気力低下の大きな要因といえます。

ケース3:生活リズムが一定していないとき

年末年始やお盆のお休みで長めの休暇をとったり、海外旅行に出かけたりして、日ごろの生活リズムとは異なる日々を一時的に過ごしたとき、休み明けでいざ仕事をしようとしてもなかなか気力がわいてこないことがあります。

生活リズムの変化も、気力の低下に影響を与えることがあるのです。

ケース4:大きなストレスを感じているとき

仕事上の大きなミス、上司やお客様からの厳しい叱責、人間関係での悩み、将来に対する不安、といった精神的ストレスも気力低下の原因のひとつです。

ストレスが大きいほど気力は低下しますし、ストレスが継続している状況下ではなかなか気力が回復していきません。メンタルの調子も、気力には深い関係があるのです。

気力を回復させる方法

気力には身体とメンタルの調子が大きく影響します。気力を取り戻す、あるいは気力を維持するためには、それらを整えることが役に立ちます。そのためのポイントをご紹介していきましょう

方法1:しっかり休養をとる

気力がわかないときは、疲労がたまっている場合が多いものです。

疲労をとるためには質のいい休養をとることを意識しましょう。それにはなんといっても適正な睡眠時間を確保することが一番です。

ただし、休日に寝だめすると生活リズムが狂ってしまって体のコンディションを乱すことにつながりますので、起床時間はいつもと同じにして、その代わりお昼寝をするといいでしょう。

また、休日に一日中ただぼーっとして過ごすのではなく、部屋の掃除や散歩をするなど、軽く身体を動かすことも心がけたいものです。

方法2:身体をケアする

疲労回復だけでなく、肩こりや腰痛などを解消して身体のコンディションを整えることも気力回復のためには不可欠です。

整体マッサージなどで身体のこりをほぐす。お風呂にゆっくりつかって体を温める。半身浴や交代浴なども効果が期待できます。

ほかにもアロマやヨガなど、心と身体をリラックス・リフレッシュさせるようなことも取り入れるといいでしょう。

方法3:カウンセリングでストレスを軽減する

ストレスを過剰に抱えているようであれば、その解消にも取り組む必要があります。

そのために効果的なのが、信頼できるカウンセラーのカウンセリングを受けることです。

信頼できるカウンセラーの見分け方として参考にしていただきたいのが、その人がどこでどんなカウンセリングを学んだかをチェックすることです。くわしい話は割愛しますが、しっかりした教育機関で十分な時間をかけて学んだ人はある程度安心できると考えていいでしょう。

方法4:徐々にペースを取り戻す

気力は、自分ではなかなかコントロールが難しいものです。

なんとか早く気力を回復したいと焦れば焦るほど、かえって気力が戻りにくいこともあります。そのため、気力を取り戻すには、焦らず、じっくり構えることが重要です。

気力がわかないならわかないなりに、そのときの状態でできることだけやろうと割り切るといいでしょう。そうやってのんびり構えていると、いつか気力が戻ってくるはずです。

気力を維持する方法はあるの?

気力を維持するためには、気力のベースとなっている身体とメンタルのコンディションをある程度以上の水準で保つことが必要です。

そのために意識したい4つのポイントを説明したいと思います。

ポイント1:日ごろから免疫力を高める

免疫力が低下すると病気になりやすくなります。

免疫力を高めるには、自律神経が乱れないような生活習慣を心がけることです。

それによって気力が維持できる可能性が高まります。具体的には、適度な運動、栄養バランスのとれた食事、質のいい十分な睡眠は不可欠です。

ほかには、タバコを控える、暴飲暴食しない、といったことも意識できるといいでしょう。

ポイント2:気持ちいい人と付き合う

周囲にイライラを振りまく人、他人の悪口や批判ばかり言う人、自分だけ楽してサボっている人などと日ごろから接していると、こちらの気分が滅入ってくるもの。

そういう嫌な人とは極力距離を置くようにして、一緒にいて楽しい人、明るい気持ちにさせてくれる人、前向きな気分になれる人となるべく接点を持つようにしましょう。

メンタルに対する悪影響を減らし、好影響をもたらす環境に身を置くことが気力維持には効果があります。

ポイント3:タイミングよく気分転換をする

仕事をしていると、どうしても思うようにうまくいかないときがあります。

突然のトラブル、ケアレスミス、イレギュラー対応など、どうしても避けられない事態でメンタルがゆらいでしまうことが起こるのです。

それは仕方がないことであり、そういったことは起こるものだと想定しておくこともストレスを引きずらないためには大切です。

そして、そんなストレスに気づいたら、すぐに気分転換をして切り替えるようにしましょう。深呼吸をして呼吸を整える、カフェに行く、甘いものを食べる、といった自分なりの方法をあらかじめ用意しておき、タイミングよく気分転換することが、気力を低下させないためには有効です。

ポイント4:他人に親切にする

メンタルのコンディションをいい状態で保つためには、心に栄養分を与える習慣もぜひ取り入れてください。

そのひとつの方法が、他人に親切にする、ということです。他人が喜ぶことをして相手の笑顔を見ると、自分もいい気分になります。すると、不思議とメンタルのコンディションも上がっていきます。

ただし、その際に注意したいのが、相手からの感謝を期待しないことです。

せっかく親切にしてあげたのにありがとうのひと言もないなんて……といった気持ちで親切な行為をするのは、そもそも間違いです。

親切は相手に喜んでもらうためにするのであり、相手の感謝を強要するためにするものではありません。そういう意識でいると、かえってストレスがたまります。見返りを求めずに他人のために何かをする。

それを心がけることが、気力の充実につながっていくのです。

身体と心のコンディションを整えて、気力が充実した日々を過ごそう

気力がわかない状態というのは、もどかしくて苦しいものですが、気力は自分の心がけ次第である程度はコントロールできます。

本コラムで説明してきたことを参考に、日ごろから体とメンタルのコンディションをいい状態で保つことを意識して、気力を充実させて楽しい日々を過ごせるよう、ぜひ取り組んでみてください。

(笹氣健治)

※画像はイメージです

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